Story 取材記事

当別田園住宅で「住みつなぐ」時を重ねるほどに価値を増す家


辻野建設工業が、当別町金沢地区を拠点とした田園住宅を提案してから約30年が経ちました。若い世代が新たに暮らし始める一方で、定年後のセカンドライフの場所として田園住宅を選んだオーナーたちが高齢期を迎え、移動手段や医療機関が充実した都市部へ再び戻るケースも見られるようになりました。
今回は、田園住宅の中古住宅を購入し、“住みつなぐ”ことを選択した家族をご紹介します。

アトリエと家庭菜園として活用しながら、二拠点生活を模索中 当別町Kさん



江別市に一軒家を構える50代のKさん夫妻が、当別田園住宅の中古住宅を購入したのは約1年前のことでした。現在は江別の自宅を拠点に、週末だけ当別の家に通っています。

ご主人 人生80年、100年ともいいますが、将来を考えたとき、自給自足にも取り組んでいった方がよいのではないか。退職まで待ったとして、はたして自分の健康年齢はどれくらい残っているのか。そんなことを考えるようになりました。

Kさん夫妻は市民農園を借りて畑仕事をしたり、奥さまが農家の手伝いをしたりする中で、自給自足の生活を思い描くようになり、家庭菜園をするための土地を探し始めたそうです。その中で、600坪という広大な敷地に建つ築20年のこの家と出合いました。



美術に関わる仕事をしているKさん夫妻。ご主人は絵画、奥さまはエッグアートを創作しています。



3面から庭を見渡すLDK。

田園生活を体験しながら、アトリエを整える

この一年は、庭の手入れをしながらアトリエの環境を整えたそうです。



写真手前は、冬支度をした家庭菜園。

奥さま 家庭菜園でトマトやサツマイモ、ジャガイモ、落花生、トウガラシ、タマネギ、ニンジン、ナスなどの野菜を育てたり、畑に動物や虫が集まってこないように木を切ったり。冬を目前にした今は、フードドライヤーで干し芋を作り、トマトを煮込んで保存食作りをしています。



室内にはご主人のアクリル画がたくさん飾られていました。



屋根なりを生かした2階はご主人のアトリエです。



1階の1室を奥さまのアトリエに。


奥さまが制作した、繊細で美しいエッグアートの作品


江別の自宅は、今後手放すことを視野に入れているものの、まだ模索中だといいます。当別の家をアトリエとして整えながら田舎暮らしを実験的に体験し、今後の暮らし方を熟考している最中なのだとKさん。

暮らし方を探りながら、自分たちらしいスタイルへと移行

ご主人 農家の方に教えていただきながら野菜づくりをしていますが、自分たちだけでは何もできないことを痛感しています。そのたびに、野菜を作ってくださる農家さんへの感謝が深まります。菜園の野菜をエゾシカが食べに来たり、蜂が巣を作ったり、住宅街の暮らしでは得られない出来事にも直面します。発見が多い環境の中で、自分たちがどう感じるのかが少しずつわかってくる生活はおもしろいですね。

始めから完全な形で移住するのではなく、田園生活を体験しながら段階的に暮らし方を探ることで、Kさん夫妻は次の生活へとゆるやかに移行しています。



LDKの続きにある和室は、壁やふすまをグレーの漆喰で塗り替えたそうです。



Kさん夫妻の作品が飾られた、和モダンな空間が素敵です。

「同じ家なのに、暮らす人によって住まいの印象が大きく変わるので、とても興味深いですね」と、辻野建設工業の辻野浩社長。

実はiezoomでは、6年前に前のオーナーさまのお宅を取材しています。記事はこちら

画廊から若い夫婦へ受け継がれた、100年経っても住みつなげる家 当別町Tさん



2025年1月に結婚したご夫婦が購入したのは、築18年の元ギャラリーです。横長の平屋はひとつの大きな空間で構成され、グリッドで仕切るように個室や水回りが配置されています。どの部屋も用途を柔軟に変えられる造りが魅力です。


Tさん夫妻(左・中央)と辻野社長(右)


奥さまは辻野社長が綴るブログの愛読者

探していたのは、家庭菜園ができる土地付きの物件だったそうです。

ご主人 夫婦ともに自然が好きなので、家庭菜園でハーブを育て、いずれはそのハーブを使った加工品をマルシェで販売できたらという夢があります。

奥さま 私は辻野社長のブログが好きで、家探しをする前からよく読んでいて。国道275号から田園住宅を見ながら、「素敵な家だね」と、夫婦でよく話していました。

Tさん夫妻が辻野建設工業に家づくりの相談をしていた頃、たまたまこの物件が売りに出ました。直接、オーナーさまと話をする機会もあり、購入を即決したそうです。



家全体が、18年の時を経て味わいを増しています。

ご主人 まずは木材がふんだんに使われた建物そのものに強く惹かれました。しかも、周囲は自然に囲まれた立地です。新築住宅の価格が高騰している今、こんなに素晴らしい家は新築できないとも思いました。

雨の日が楽しくなる。そんな心持ちの変化が起きて

Tさん夫妻は2025年5月からこの家で暮らし始め、裏庭で家庭菜園も始めたそうです。

奥さま 真夏でも室内がひんやりしていて、とても過ごしやすかったです。ここで暮らし始めてから、雨の日が楽しみになりました。屋根に当たる雨音が響くんです。札幌に住んでいた時の雨は憂鬱でしたが、ここでは雨が畑に水をやってくれるので、むしろうれしくなります。



辻野社長 この家は、床タイル張りの下にコンクリートに線をはわせた床暖房が入っているので、基本的には家全体が“土間空間”になっています。土間が熱を蓄えるため、冬は暖かく、夏は土間のおかげで涼しいんですね。



「床や壁に残る絵の具の色を見つけると、ギャラリーだった頃の余韻が感じられて、うれしいです」と、奥さまは笑います。



また、壁や屋根の構造が現しになっているため、見えない部分で劣化が進む心配がありません。「この家なら、100年経っても大丈夫だね」と辻野社長。

時代とともに住人が替わりながら、時を経て価値を増す家

当別田園住宅から30年を経た今、当別町金沢地区に新築するオーナーと同様に、辻野建設工業が提案する“農的暮らし”や田園生活に共感する人たちが中古住宅を購入しています。



辻野社長 当別町は、農業が基幹産業ですから、常に農村のあり方や集落を維持する方法について考えています。田園住宅のオーナーの中には、地域の班活動や育成会、田植えや草刈り、収穫の手伝いなどを通して農業を支援している方も多く、こうした活動が当別町の農村機能を維持することにもつながると思っています。

辻野社長は、家を造るだけでなく、オーナーの皆さんを地域住民に紹介したり、さまざまな地域活動に誘ったりするなど、地域に溶け込むための機会づくりにも取り組んでいます。

耐久性の高い構造やしっかりとした断熱性能をはじめ、天然素材を用いて造られた家だからこそ味わいが増す辻野建設工業の住まい。
暮らす人によって住まいそのものの表情が変わっていくことも、家を“住みつなぐ”おもしろさです。年代や家族構成の変化に合わせて“住みつなぐ”という考え方は、今の時代にふさわしい選択肢といえるのではないでしょうか。

写真 スタジオスーパーフライ 大道貴司
記事 布施さおり


2026年01月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

辻野建設工業株式会社の取材記事