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木の香りに包まれた、美しいさらし階段のある家 札幌市西区・K邸/H.M 越智建設


北側からのやわらかい光が差し込むキッチンでくつろぐのはKさん夫婦。2022年5月に完成したばかりの家は木の香りに満ち満ちていました。

この家を設計・施工した越智建設は、「北海道SHS(スタイロ・ハウス・システム)会」の施工店で、梁、柱などの主要構造部を「スタイロフォーム」という板状の高性能断熱材で覆う外張断熱工法を標準で採用しています。

断熱材に使うスタイロフォームは断熱性・気密性が高く、冬に暖かいのはもちろん、夏も涼しい家づくりが可能です。熱を吸収しにくい素材なので、2階天井裏にも熱がこもりません。

越智社長 暑い夏に、ご近所の方たちが「昨晩は2階の寝室が暑くて寝苦しかった」と話す中、うちで建てたオーナーさんは「我が家は2階も快適だった」と、効果を実感されていました。

冬に暖かい家というのは当たり前になってきていますが、スタイロフォームが冬の寒さだけでなく、夏の暑さ対策にも有効であるということが分かる印象的なエピソードです。

こうした性能の良さはもちろん、暮らしやすいプランに加え、建具や家具もオリジナルで造作し、木の温もりあふれる家づくりが得意な同社。Kさんご夫婦に越智建設との家づくりについてお話をうかがいます。

選りすぐりの木材をふんだんに



「床はオークの挽板(ひきいた)、天井はウェスタンレッドシダーの突板、引き戸にはタモを使っています。オークの挽板は3㎜と厚めにしたおかげで温かみや深みが出ました」と、ご主人から詳しい説明が。

それもそのはず、ご主人は木材会社に勤める木の扱いのプロ。長女の小学校入学を機に家を建てることになり、取引先でもあった越智建設の越智社長に設計・施工をお願いしました。どの木材をどこに使うかはすべてご主人が越智社長と相談して決めたそうです。



明るい光が注ぐ南向きのリビングはダウンフロアになっています。さまざまなWEBサイトを見ていた奥さまがダウンフロアの素敵なリビングに目を奪われ、取り入れることにしました。天井を3mと高くしたかったご主人の希望も、ダウンフロアにすることで叶いました。



壁には調湿機能に優れた稚内珪藻土を塗っています。湿気の多かった夏も快適に過ごせたそうです。ソファ背面には床材と同じオークを使って収納棚を造ってもらいました。2人の子どものおもちゃやランドセル置き場となっています。



存在感のあるダイニングテーブルの天板はウォールナットの一枚板。「傷や汚れができても、やすりで削って磨けばきれいになるので一生使えます」(ご主人)。



対面型のキッチンはTOTO製で、掃除のしやすさを第一に奥さまが選びました。カウンター中央にはドイツのメーカー・ガゲナウの食洗器をビルトイン。「フロントオープンでたくさんの食器を一度に入れられ、家事の時短につながってすごく便利です」と大満足の様子です。

玄関ホールには見事なさらし階段が



玄関ホールは広々とさせ、ウッドデッキのある庭とのつながりが見えるよう大きな窓を取りたいというのがご夫婦の希望でした。越智社長はそこに、2階へつながるさらし階段をプラン。訪れたお客さまにも好評なのだそう。



階段の手すりは越智社長自ら、材を見ながら少しずつ削って曲げたもの。裂ける一歩手前まで最大限に曲げることで、この美しい曲線が生まれるといいます。「階段はアルミやスチールが一般的だけど、木材屋さんに使うわけにはいかないからね」と笑う越智社長。丁寧な仕事ぶりがうかがえます。階段に使ったのはタモ材です。

トイレ、洗面室は独立させて



広い玄関ホールにはコート類をかけたり、日用品をしまえる大きな収納を設置。奥のリビングだけでなく、ダイニングに直接向かえる動線も確保しました。ダイニング手前の右壁にはトイレがあります。



玄関ホールを上がってすぐの場所には独立した洗面室を備えています。脱衣室と一体化させることが多い洗面室ですが、お子さんが成長したときの脱衣などに考慮して分けることにしたそう。広い天板と壁一面の大きな鏡で、並んで使えるゆったり設計です。

空気と温度を整える換気システム




2階は主に寝室や子ども部屋で、こちらも床はオークです。肌に触れる無垢材の感触が心地よく、家の中では裸足で歩きたくなると奥さまは話します。



ご主人の趣味部屋にはカナダ製の住宅用空調システム「ライフブレス」の機械が取り付けられています。1台で家全体の暖房や換気がまかなえ、快適な温度を保ち、空気環境を清潔に整えてくれるものです。熱交換効率が非常に高く、「みなさん、家の空気が全然違うと言ってくださいます」と越智社長。

奥さまはこの家に住みはじめてから体調がよくなり、以前悩まされていた頭痛もほとんど起きなくなったのだそう。外張断熱工法とこの空調システムで迎える初めての冬、いったいどのくらい暖かく過ごせるのかが楽しみだそうです。


庭に面したデッキ部分が屋根で覆われたK邸外観


実家と隣接した場所のため、当初からご主人は庭で両家をゆるやかにつなげたいと考えていました。越智社長から提案されたプランはその希望にぴったりで、ひと目で気に入ったと話します。

完成した今、お母さまが庭仕事をしていると、子どもたちも庭に出て一緒に遊んだり、ウッドデッキに集まってバーベキューを楽しんだり。「快適で、理想の家」とご夫婦は口をそろえます。



ところで、ご主人のこだわりはこんなところにも。外壁はガルバリウムですが、玄関まわりにナラ材をパズルのように貼り合わせたのです。

ご主人 大工さんの腕次第でかっこよくも悪くもなる。でもこれがしたかったんです。

越智社長 ひとつずつ、全部貼るのは大変でしたよ。気に入っていただけて良かったです。

笑顔のやりとりに、仕事と家づくりを通して培われた信頼関係がうかがえました。


2022年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。