北海道の家づくりにおいて、これまでエクステリア(外構)は「実用性」が重視される傾向にありましたが、最近では大雪対策といった実用面はもちろん、共働き世帯の利便性や、おうち時間を充実させるデザイン性など、その魅力が再注目されています。
住宅のプランニングと一緒にエクステリアを考えることで、他にはない自分たちだけの住まいと暮らしを実現できます。今回は、北海道ならではのエクステリアの最新事情と、住宅会社に相談する際のポイントをご紹介します。
(北海道住宅新聞2026年3月5日号特集記事をリライトしています)
目次
1. 「実用性+α」で考える、北海道の最新エクステリア事情
かつて北海道のエクステリアといえば、「カーポート・物置・舗装」の3点セットが定番でした。もちろん今でもこれらは大切ですが、最近ではさらに一歩進んだ提案が人気です。
共働き世帯の味方「宅配ボックス」
不在時でも荷物を受け取れる宅配ボックスは、今や必須アイテムになりつつあります。
・据置型:盗難対策がしっかりした地面固定タイプがおすすめです。
・壁貫通型:ナスタの「貫通配達ユニット」のように、寒い冬に外へ出ることなく、室内から直接荷物を受け取れる製品も登場しています。
・複数受取可能:ネット通販を頻繁に利用する方向けに、2個以上の荷物を受け取れる大型タイプも人気です。
機能門柱と一体になった据え置き型宅配ボックス (ナスタ)
メンテナンスが楽な「再生木デッキ」
「ウッドデッキは長持ちしない・腐朽しやすい」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、最近は木粉とプラスチックを配合した耐久性の高い「再生木」が主流です。
・耐久性:薬剤処理なしでシロアリ被害を防ぎ、再塗装などのメンテナンスもほとんど不要です。
・質感:本物の木と見間違うほど意匠性の高い製品が増えています。
・エコ:木粉やプラスチックは捨てられる未利用材を使用するものが多く、地球環境にもやさしい製品です。
再生木によるデッキ材は耐久性が高い(LIXIL)
狭小地でも映える「機能性門柱」
敷地が限られている場合でも、郵便ポストや宅配ボックス、表札などが一体となった「機能性門柱」を設置することで、住まいの顔であるファサード(正面)の見栄えがぐっと良くなります。
2. 北海道の冬を快適にする「カーポート」の選び方
カーポートがないと大雪の時は大変です
札幌圏をはじめ、雪の多い地域ではマストアイテムのカーポート。大きく分けて「アルミ製」と「鉄製」の2つの選択肢があります。
建材メーカーの「アルミ製カーポート」
LIXILやYKK APなど大手建材メーカーが展開するアルミ製は、洗練されたデザインが特徴です。
・トータルコーディネート:同一メーカーでフェンスやデッキとデザイン・色に統一感を持たせられるのが魅力です。
・高い耐積雪性能:最近では耐積雪1.5m〜3mといった、北海道の厳しい冬にも耐えうる高性能モデルが充実しています。
建物ファサードと一体感のあるジーポートPro(YKK AP)
地場メーカーの「鉄製カーポート」
ショーワや中川製作所など、北海道に工場を持つ地場メーカーは、オーダーメイドの対応力に強みがあります。
・自由な設計:変形した敷地や、玄関から道路までをカーポートの屋根を延長するプランなど、細かな要望に応えてくれます。4台用や8台用など、店舗や施設にも向いた大型カーポートもオーダー可能です。
・独自の技術:ショーワの「片持ちカーポート」は柱が片側にしかないため、車の乗り降りが非常にスムーズで車が駐めやすいのが特徴です。中川製作所では、運転が苦手な方でも駐車しやすい「ワイドタイプ」が選べる上、建材メーカーのような木目調破風なども選べます。
2台ワイドタイプで駐車が楽々(中川製作所)
3. 素敵なエクステリアを予算別に考える
エクステリアにはどれくらいの費用をかけるべきか、悩まれる方も多いでしょう。まずは下記のレベル1から始めて、後から追加していく方法もあります。レベル1なら150万円以内で十分実現可能です。レベル3は500万円以上はかかりますが、本州ではレベル3のプランを考える施主も少なくありません。
レベル1 カーポート・物置・舗装の「実用性重視の3点セット」
レベル2 ウッドデッキやフェンスなどを追加。プライバシーと寛ぎを両立
レベル3 植栽や間接照明による演出を加え、夜の景観や緑も楽しむ贅沢なプラン
住宅会社に相談する際は、どのレベルをまず目指すのかを伝えると、スムーズに打ち合わせが進みます。
4. 住宅会社と一緒にエクステリアを考えるメリット
「外構は後から考えればいい」と思われがちですが、実は建物のプランと一緒に考えることには大きなメリットがあります。
・動線の確保:最近の住宅は断熱性能重視で窓が少ない傾向にありますが、設計段階から相談すれば、室内からデッキへスムーズに出られる「つながり」のある暮らしを提案してもらえます。
・住宅ローンの一本化:建物の工事と合わせることで、資金計画が立てやすくなります。
・デザインの統一感:住宅の雰囲気とマッチしたエクステリア部材を選ぶことで、家全体の資産価値も高まります。
住宅会社の中には、メーカー主催の「エクステリアコンテスト」に応募して受賞するような、高い提案力を持つ会社もたくさんあります。各社のホームページやSNSで、実際の施工事例をチェックしてみるのも良いでしょう。
YKK AP北海道支社が開催したエクステリアフォトコンテストの表彰式
5.主要エクステリアメーカーの注目製品まとめ
さて、北海道住宅新聞社では、エクステリアメーカーに取材して、各メーカー別の製品の特徴をまとめました。最後に各社のホームページもリンクしていますので、一度ご覧になってはいかがでしょうか?
LIXIL(リクシル)
幅広いラインナップと、デザイン・機能のバランスが特徴です。
高級感を演出できる浮遊ステップ材とラインライトの組み合わせ
・カーポートST:耐積雪が最大2mの頑丈なカーポート。
・カーポートSC:シンプルでノイズレスなデザインでモダンな住宅のデザインに合います。
・樹ら楽(きらら)木彫タイプ:再生プラスチックと廃木材を原料とした環境配慮型素材「レビア」を採用しており、木の質感を忠実に再現しています。
・浮遊ステップ材:浮遊感のある玄関アプローチを造るための部材で、蹴込み部分はアルミ部材を使ったシャープな納まりも可能です。
・タイルデッキ:お掃除がしやすく、滑りにくい構造を持った本物のタイルのデッキです 。
詳しくはこちら→LIXIL エクステリア新製品:2026年春以降に発売される新製品が掲載されています。
YKK AP
耐積雪性能の高さと、施工性・意匠性を両立した製品が揃っています。
表面の凸凹までリアルに再現した再生木デッキ「リウッドデッキS EG」
・ジーポートPro:北海道の厳しい冬にも安心な、耐積雪性能で最大3mまで対応する高強度カーポート。デザイン性の高さも魅力です。
・リウッドデッキS/S EG:従来品より施工時間を短縮しつつ、天然木のような美しさと高い耐久性をリーズナブルな価格で実現した人工木デッキです。
・ルシアス 宅配ポスト:住宅のデザインに合わせやすく、大型の荷物を2個まで受け取れるモデルもラインナップされています。
詳しくはこちら→YKK AP エクステリア/外装 商品:2026年春以降に発売される新製品が掲載されています。
ナスタ
宅配ボックスの先駆けとして、北海道向け製品も開発しています。
冬でも家の中から宅配荷物や郵便物が取り出せる「貫通配達ユニット」
・貫通配達ユニット:壁を貫通させて設置するため、寒い冬でも家の中から出ずに郵便物や宅配荷物を受け取ることができます。
・Nasta BOX+(ナスタボックスプラス):荷物を入れるだけで自動ロックされる仕組みなど、高いセキュリティ性を備え、DIYでも施工可能なお手軽な宅配ボックスです。
詳しくはこちら→ナスタ 製品情報:宅配ボックスの最新ラインナップを確認できます。
ショーワ
独自の特許技術を持つ、北海道の地場メーカーです。
片持ちカーポートは、駐めやすくて耐久性も高い
・片持ちカーポート:柱が片側にしかないため、車のドアの開閉や乗り降りがスムーズで、狭い敷地でも駐車しやすいのが特徴です。4本柱タイプもあり、3台用、4台用も揃えています。
・スノーフェンス:屋根からの落雪が隣家に被害を及ぼすのを防ぐための柵。頑丈な基礎と綿密な計算を行った設計・施工が売り。夏の間はフェンスの一部を取り外して窓からの眺望を確保することも可能です。
詳しい商品情報はこちら→ショーワ 製品のご案内:特許技術のカーポートやスノーフェンスが注目です。
中川製作所
年間1500棟もの施工を行う、北海道の地場メーカーです。
自由設計でさまざまな敷地に合わせることが可能
・自由設計のカーポート:4本柱タイプと6本柱タイプがあり、自由設計が特徴。豊富なオプションも売りで、雪の吹き込み防止のサイドスクリーンなどがあります。
・新製品も開発中:他メーカーとコラボした新製品の開発も進んでいます。2026年春には第1弾の製品が発売される予定です。詳しくは同社ホームページで確認してください。
詳しくはこちら→中川製作所 製品一覧:豊富なオプションと自由設計のカーポートが魅力です。
6.おわりに
北海道のエクステリアは、単なる「除雪の手間を省くもの」から「家族の暮らしを豊かにするもの」へと進化しています。夏の夜にプライバシーを守られたウッドデッキで焼き肉を楽しんだり、冬の朝に雪かきの手間なく車を出せたりと、その魅力は多岐にわたります。
ぜひ、家づくりの早い段階から「どんな外での暮らしを楽しみたいか」を住宅会社に相談してみてください。きっと毎日の生活がより輝く素晴らしい提案をしてくれるはずです。
2026年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。