Column いえズーム コラム

古きよき札幌が残る円山商店街に馴染む店 「地蔵商店」

季節ごとにきちんと変わる街灯のかざり


季節ごとにきちんと変わる街灯のかざり

昭和45年の建物で今も続いている円山市場。店内は鮮魚、精肉、野菜、惣菜などの店がある。質の良い品物で常連客も多い


昭和45年の建物で今も続いている円山市場。店内は鮮魚、精肉、野菜、惣菜などの店がある。質の良い品物で常連客も多い

「地蔵商店」という名前はオーナーの「お地蔵さんのような味になりたい」との想いから付けられた。


「地蔵商店」という名前はオーナーの「お地蔵さんのような味になりたい」との想いから付けられた。

伊達カルメル会修道院で作られているクッキー。味はココナッツ、ココアなど数種類あり、素朴で懐かしい味 各315円。


伊達カルメル会修道院で作られているクッキー。味はココナッツ、ココアなど数種類あり、素朴で懐かしい味 各315円。

増毛にある「まつやま養蜂場」のはちみつ。増毛の山に自生する木々から作っている天然の蜜 百花(600g)1500円 アカシア(600g)2600円


増毛にある「まつやま養蜂場」のはちみつ。増毛の山に自生する木々から作っている天然の蜜 百花(600g)1500円 アカシア(600g)2600円

自家製酵母と石臼挽きの全粒粉を使用したバケット(360円)、田舎パン(小150円)、他にもレーズン入り(小150円大300円)、オリーブ入り(小150円)、メロンパン(150円)。天然酵母は月・水・金曜日に焼いている(オリーブ入りは金曜日のみ)


自家製酵母と石臼挽きの全粒粉を使用したバケット(360円)、田舎パン(小150円)、他にもレーズン入り(小150円大300円)、オリーブ入り(小150円)、メロンパン(150円)。天然酵母は月・水・金曜日に焼いている(オリーブ入りは金曜日のみ)

コーヒー(ホット)525円


コーヒー(ホット)525円

店の奥には展示スペースもあり。陶芸作品や手作り雑貨などの展示、販売している


店の奥には展示スペースもあり。陶芸作品や手作り雑貨などの展示、販売している

地蔵商店は移転したようです。
思い出の円山
私は生まれも育ちも札幌。特に小学生の頃に住んでいた円山の周辺には思い出の場所がいくつもある。近くを通りかかるたび、「ここの商店のおねえちゃんが、ミスユニバースの札幌代表に選ばれたときは大騒ぎしたっけなー」とか、「そういえばうちの向かいのスナックのおばさん、何となくモナリザに似ていたな」とか、ほんのちょっとした記憶がふっとよみがえる。

 大通り西23丁目と24丁目に挟まれた通りも私にとっては思い出深いだ。この辺りは円山市場を中心に八百屋、豆腐屋、肉屋などの昔から続く店と、雑貨屋さんやブティック、イタリアン、中華料理店などの新しいお店が入り混じっている。昔よく母親に連れられて家から二人てくてく歩いたことが思い出される。

私のお気に入りの店
 西区に住んでいる今でも、時々円山が恋しくなって買い物に来るが、この通りにお気に入りの店がある。「地蔵商店」という名前のお店で、何屋さん、と一口では言いづらいお店だ。食料品や生活雑貨、パン、自家焙煎のコーヒーと、いろいろ揃っている。外観は暖簾に金文字の看板。初めて来た時には酒屋さんと思った。中に入ってみると壁の棚には、岩手のお醤油や味噌、京都の七味などの調味料から、新潟のおせんべいやきれいな色のドロップ、道産小麦を使ったパスタ、イタリアのオーガニックのオリーブオイル、カナダのメープルシロップほか、数え切れないほどの食料品や昔ながらの亀たわしや無添加の石鹸などの雑貨、陶器などがところ狭しと並んでいて、お店に行くとついつい時間を忘れて一つ一つ見入ってしまう。

こだわりの商品とオリジナルパン
このバラエティー豊富な商品は、店長・若月真知子さんが素材やおいしさにこだわって全国から集めたもの。若月さんは、食にとても興味がある人で自分がおいしいと思った物や、作り手が少なくなって札幌では手に入りづらい物を提供できるお店を作りたくて、このお店を始めたそう。また、かなりのアイデアマンで、食料品を買うときに使い方を尋ねると、それを使ったオリジナルレシピを丁寧に教えてくれるので、家に帰って早速試してみたりもする。

 ここのパンを買いにくることもしばしば。いろいろな種類のパンがあり、曜日ごとに焼くパンが違うので、地蔵商店に行った日がお目当てのパンの日だったりすると「ラッキー!」と思ったりする。私の好きなパンはいろいろあるが、なかでもメロンパンと天然酵母の田舎パンは特にお気に入りだ。メロンパンはちゃんとうす緑色をしていてコロンと可愛らしい。クロレラの粉末を使ってメロン色を出しているそう。なんだか体にも良さそう。私のもう一つのお気に入りの天然酵母パンは、皮がバリッとしていて、天然酵母のやさしい風味がしてとてもおいしい。丸くてどっしりした田舎パンの他にもレーズン入り、オリーブ入りなどもあり、いろんな味を楽しむことができる。自家製の酵母と石臼で挽いた全粒粉が使われていて、ちょうど焼きたての天然酵母パンが出てきたときには、もう店中に香ばしい香りが漂って「このタイミングで来て本当に良かった」と幸運に感謝する。

元気をもらえるお店
パンは棚とカウンターに並べられているのだが、小さい子供はカウンターの高さに届かないので若月さんは「お立ち台」を用意。子供がお立ち台に上がって好きなパンを選ぶことができる。他にもひじきパンや、ゴマがいっぱい付いたライ麦パンや玄米パンなど地蔵商店ならではのパンもあり、うちの子供も大好きだ。季節限定のパンもあって、秋のかぼちゃパンやもうじき登場するりんごパンは形も可愛らしい。

地蔵商店には喫茶スペースもあって、ちょっと買い物で足が疲れたなと思ったら、ここでコーヒーを飲んで一休みする。お腹もすいたときは買ったパンをお皿に乗せてもらってコーヒーと一緒に戴いたりもする。そんなに長い時間休んでいるわけではないけど、ここで休むとまた元気が出てくる気がするのだ。

地蔵商店へのアクセス
円山公園から大通りを中心部に向かい、大通り西23丁目(マックスバリューの角)で左に曲がって直進。右手にあるグリーンパーク23というコンクリートの建物の1階。赤い文字で「地蔵商店」とかかれてある。車で来る場合は駐車場がないので、近くの円山市場の駐車場(30分157円、1時間315円、市場でお買い物500円以上の場合は1時間無料、日曜休み)か、円山市場の隣の100円パーキングを利用してください。


地蔵商店
住所/札幌市中央区大通西23丁目
電話/011-641-2345
営業時間/9時~19時30分
定休日/年始の3日間

編集者:釣本亜紀子

2009年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。