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「自分らしく生きる」ヒントが見つかる就業体験 神馬建設(浦河町)


神馬建設は1972年創業の地場に根ざした工務店。神馬充匡さんは3代目社長として、確かな家づくりを続ける一方で、町役場や商工会と連携し、浦河町の活性化や移住促進にも取り組んでいます。2023年からは、全国からインターン生の受け入れを行っており、2025年で3年目を迎えます。

9月上旬の夜、浦河町向別にあるワインバーTerra-Cham(テラ.シャン)にて、神馬建設(じんばけんせつ)で就労体験中のインターン生と地域の方の交流会が開かれると聞き、iezoom編集部も参加。神馬建設の人材育成の取り組みと、交流会の様子をお伝えします。

「自分らしく生きる」を浦河町の仕事と暮らしを知って考えてみてほしい


神馬充匡社長


神馬社長はふるさとについて、浦河町のことをマチ、自社をウチ、浦河・様似・えりも・広尾を指す「とんがりロード」周辺をチイキと、それぞれ親しみを込めて呼んでいます。

神馬社長 ウチのインターンシップは、浦河での暮らしや仕事がどんなものなのか体感してもらうことが目的です。


インターンシップの様子(以下同)


ウチを知る・現場の密着取材


マチを知る・AERUを見学


ゲストハウス「まさご」で寝食を共にする学生たち


約1週間の半分はウチの事業やキャリア形成についての講義や、現場やスタッフを密着取材して仕事を知る、マチやチイキの周遊といったカリキュラムを組み、残りの半分は各自が自由にウチ・マチ・チイキのことをより深く知ってもらう時間にしています。


チイキを知る・襟裳岬まで足を伸ばす



講義だけでなくイベントも盛りだくさん。町内のお店を巡ったり、バーベキューをしたりと、食べまくります。そんな食事の時間は、マチの人の話を聞く貴重な機会。自分らしく生きるということを、どう実践するかを考える場にもなっています。今夜の交流会もその一つです。



インターンシップに参加する学生さんには、まずマチやチイキをよく知ってほしい。同時に、人生で大切にしてもらいたい「ワクワク感」を、滞在中に少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

全国各地から大学生が参加。今回で3回目という「おかえり組」も



この日のカリキュラムを終えた学生たちが揃ったところで交流会がスタート。5名のインターン生と、浦河町のワーキングホリデーに参加中の学生が1名、浦河町役場の職員も参加しています。

神馬建設の就労体験について、参加の動機や活動の感想、浦河町の印象などを学生に聞きました。



札幌から参加・大学1年生Kさん 参加してまだ2日目ですが、神馬社長はたくさんの情報を得た上で、自分の頭で考えている人だと感じます。私も自分で考え、何かを得て帰りたいと思っています。



京都から参加・大学3年生Uさん 浦河町に来てまず感じたのは「空の大きさ」。自分の定義をはるかに超えた大きさで嬉しかったです。マチの人たちは初対面なのに距離感が近くて本当にいい人たちばかり。帰りたくない場所になってしまいそう!



東京から参加・Mさん 北海道の企業に就職する可能性もあるので、暮らしぶりが知りたくて参加しました。まず車社会なのに驚きました。


写真はMさん撮影


※「地域を残すことは、未来の誰かの希望を残すこと」など、同社の公式ブログではMさんの体験記を読むことができます。

神馬社長にマチの飲食店にたくさん連れて行ってもらいますが、人のつながりが密で仲が良く、「地域社会=コミュニティの温かさ」をはじめて体感しました。私が住む首都圏では得られない感覚です。北海道で暮らすイメージが湧いたし、自分の居場所探しにつながる体験になりそうです。


写真は同社Instagramアカウントより・以下同


※同社の公式Instagramアカウント(jinba_kensetsu)ではインターン生が体験記を投稿しています。



長野から参加・大学3年生Yさん 今回で3回目の参加になります。神馬さんから見ると「おかえり組」です(笑)。

1年目は何もせずに冬休みを終えたくなかったのと、建築を学んでいるので家づくりが知りたくて。それから、ゲストハウスにも泊まってみたくて参加しました。

宿泊先の「まさご」では、休学して旅をしている人や、ワーキングホリデーで訪れている人など、いろんな人たちとの出会いがあり、一緒に料理をしたり、夜遅くまで話したり、外に出かけてドライブや散歩をしたりと、青春してる!楽しい!と感じる濃密な時間を過ごしました。

2年目、神馬社長に誘われた時は、また人と出会う喜びを味わいたいと思ったのと、専門課程に入った時期で、自分の進路について自問していたこともあり、参加を決めました。自分が建築よりも内装やインテリアに興味があることに気づいたからです。



神馬社長に「家具づくりに興味がある」と伝えたら、2年目は大工さんに教えてもらいながら椅子と建具をつくる機会をつくってもらいました。



設計図から工具の使い方まで、初めてのことばかりでしたが、出来上がった時にはすごい達成感で、感動したのを覚えています。

■仕事を10年続けた時点で、何が苦しくて何が楽しかったかを考えてみる
■人生の中に仕事がある。つまり仕事そのものが人生。それなら、ワクワクすることを選んだ方が幸せになれる

インターンシップの最後に、神馬社長が話してくれたこの言葉が、心に響いています。

今、ぼくは家具製作ができる会社を希望しています。建具をつくって喜ばれたこと、人の役に立ったことが嬉しくて、やりがいを感じたからです。これがぼくの「ワクワク」なんだと、この体験が教えてくれました。


交流会を終えた参加者たち


神馬社長 もちろん私としては、インターンシップに参加することで、うちの会社で一緒に働く仲間となり、大工や幹部としてバリバリやってもらえるのが一番嬉しいことですが、新卒というのは人生で一度きりのタイミング。

「新卒チケットをウチに使って良いのか?」ということをじっくり考えてほしいし、他社に就職する進路も祝福しています。

私はこのインターンシップをきっかけに、インターン生との間に「ただいま」「おかえり」と言えるような関係性を築きたいという想いがあります。

Yくんのように再び浦河を訪れる「おかえり組」の学生も出てきました。これはとても嬉しい事です。



神馬社長は、地元や会社のリソースを活用して、自分のやりたいことを実現してほしいとも話します。インターンシップに参加した学生は、マチやチイキの自然や、人の温かさ、神馬社長の考えに触れて、自分の人生や進路をじっくりと見つめ直しているようでした。

神馬建設はインターンシップを今後も開催予定です。興味のある方はぜひ問い合わせてみてください。

神馬建設公式サイト
https://jinba-kensetsu.com/

神馬建設の採用サイト
https://jinba-kensetsu.hr-hackerplus.com/
既卒・社会人の方も対象です。

神馬建設公式Instagram
jinba_kensetsu
https://www.instagram.com/jinba_kensetsu/

写真・記事 iezoom編集部


2025年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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