Column いえズーム コラム

今シーズンの札幌は大雪?少雪?寒い?

10月13日、手稲山が初冠雪となりました。
昨年より15日も早いそうです。「雪虫を見た~」という人もいるし、「今シーズンは初雪は早いのかな?」なんて思ってしまいます。今朝も寒かったですね。

菅井貴子さんと岡崎朋美さんの講演
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たくさんの人、人    

さて、北海道住宅新聞の記者として今日(10月14日)、石油連盟主催の「消費者向けセミナー 2015」を取材してきました。平日の昼下がりでしたが、参加者は200名以上と大盛況。それもそのはず、「みんなのテレビ」(UHB)にお天気キャスターとして毎回出演している気象予報士の菅井貴子さんと、長野オリンピック銅メダリストのアスリート・岡崎朋美さんが講演したからです。

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岡崎朋美さん    

岡崎さんの講演は、「私を育ててくれた北海道と生活の中の石油」というテーマで、酪農農家である実家での体験談を通して生活と石油とが切り離せない関係であることを語り、オリンピックの裏話では会場の参加者といっしょに大いに盛り上がりました。
 

天気図から雪の傾向がわかる
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菅井貴子さん    

菅井さんの講演は、「変化する北海道の冬の気候」と題して、素人でもわかる簡単な雪予報の仕方と、札幌の今シーズンの積雪、気温の予想について話しました。


気象予報士が、天気図を見てチェックするポイント、それは「北海道を通る等圧線の数」だそうです。等圧線の数が3つぐらいだとおおむね穏やかな天候になります。これが4つになると、ところどころ大雪になる場合が出てきます。ちなみに2年前(2013年)の3月2日、爆弾低気圧による猛吹雪で道東を中心に9名の命が失われましたが、この時の天気図は北海道を9つの等圧線が横切っていました。これを菅井さんが見た時は、「こんな込み入った等圧線は今まで見たことがない」と驚いたそうです。見ても意味のわからなかった天気図も、こうしてわかりやすく説明してもらえたので、とても興味が湧いてきました。

また、札幌が大雪になるかどうかは、「風向きが大きく影響する」そうです。低気圧の中心が、オホーツクから北側に位置すると西寄りの風となり、この時雪雲は手稲山など札幌の背後にある山々にぶつかって雪を降らせるため、市街地はさほど雪が降りません。これが北海道の東側に低気圧の中心が位置すると北寄りの風となり、石狩湾方面から雪雲が来るため、市街地にドカッと雪を降らせてしまうことが多くなります。

151014_5354.jpg天気図で比較するとこんな感じです。左の天気図では、北海道を通る等圧線は3つだけ。それに対し、右の天気図では4つ通っています。右の方が大雪になりやすい天気図ということです。
 
 
地球温暖化で北海道の冬が寒くなる!?
ここ10年ぐらい、道内でドカ雪のニュースをどこかで耳にします。また、札幌で最低気温が-10度を連日下回るなど、寒い日が続くことがあります。この振れ幅の大きい気象の原因は、地球温暖化の可能性が大きいそうです。ここ30年ほどの間に北極海の氷に覆われた面積が大幅に減少し、そのために気圧配置のパターンが変わってきました。それで寒気が北海道に流れやすくなっています。

ただし、全体的にみると冬の気温はどんどん温暖化し、特に1990年代からその傾向がはっきりしてきているそうです。道内の各観測点にある最低気温の記録は、ほとんどが明治から昭和初期にかけてのもの。札幌も-28.5度という今では想像も付かないような低い気温が記録されていますが、それは85年前の記録です。一方で、「冬の台風」とも呼ばれる爆弾低気圧の発生数が多くなっており、昨シーズンは9つ発生しました。

こうしたことから、これまで以上に冬の大雪や寒さを警戒し、命を守ることが大切になります。それには「情報」「知識」「備え」の3つが必要。この日のセミナーは、「情報」「知識」を強化するのに役立ちました。そして、「「備え」として停電時などでも使える石油ストーブが役に立つ」、という趣旨のお話でした。
 
 
根雪は平年より遅い
ところでタイトルのお話ですが、菅井さんのお話によると、今週末に来る寒気は札幌で雪を降らせるほど強力ではなく、初雪が特別早まることはなさそうです。また、長期予報では気温、降雪量ともに「平年並み」。ただし、昨シーズンの降雪量は平年値を大幅に下回っていたので、今シーンズは「ちょっと多いなあ」ぐらいに思えるかもしれません。
ちなみに、根雪になるのは、平年値の12月4日より若干遅くなりそうです。
 
 

2015年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。