この記事は、住宅業界向け専門紙「北海道住宅新聞」2021年12月5日号に掲載された記事を転載しています。
大手化学メーカーの㈱カネカは、北北海道の中心都市・旭川の西30㎞に位置する沼田町に建つ戸建住宅に設置した壁面の太陽光発電の発電実績を、札幌で先ごろ開かれたビジネスEXPO2021で公表した。それによると、3月の発電量は雪面からの反射も加わりシミュレーション値を大きく上回った。
カネカは沼田町と農業や住宅などさまざまな分野で協力する地域創生包括連携協定を締結しており、住宅分野では、同社が展開する省エネ・創エネ技術を取り込んだ新しい住宅ブランド「カネカのお家(うち)ソーラーサーキット」を提案。同町が発注したこの住宅は、HEAT20・G2(UA 値0.28 以下)クリアの断熱外皮と、独自の通気工法で冬の暖かさと夏の涼しさを省エネルギーに実現する。
また、北海道においてエネルギーをもっとも必要とする降雪寒冷期にも発電する壁面設置型太陽電池GRANSOLA(グランソーラ)を装備。その実績を継続調査している。
発電量シミュレーションでは、グラフのように3月、4月ともに同レベルの発電量となる想定だが、3月の実測値はシミュレーションを大きく上回る。
沼田町は最低気温がマイナス20℃以下、積雪が2mを超す厳寒・多雪地域で、この3月も例年並みの雪が残った。過去の測定では、1月、2月も150~200kWhの発電を記録しており、1年でエネルギーをもっとも必要とする冬場の1〜3月に、直射日光に加え雪面の反射を利用して発電量を稼げる点が最大の特徴だ。
なお、断熱は、押出法ポリスチレンフォーム断熱材「カネライトフォームα」(熱伝導率0.020W/m・K)90㎜外張り、さらに45㎜厚の壁充填付加断熱。屋根も同仕様、窓はトリプルガラスサッシで、UA 値は0.22となる。
2021年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。