
経年変化が味わいに変わるレンガ外壁の魅力
経年変化とともに味わいが増すレンガの外壁。ここ北海道には1888年建築の北海道庁旧本庁舎(赤れんが)、函館の金森赤レンガ倉庫(1869年)など、100年以上の歴史のあるレンガ積みの建物が現存しており、強固さを保ちながら時を経てなお美しい姿で私たちを魅了し続けています。こうした建物は昔ながらの「積み上げ式」で、レンガブロックを1つひとつ職人が積み上げて建てています。一般住宅でもこの工法を採用している会社もありますが、現在は、耐久性・風合いなどレンガの良さをそのままに、手ごろな価格で施工できるレンガ外壁が多く普及しています。今回はレンガを外壁に使った住宅実例をご紹介します。

北海道庁旧本庁舎(赤れんが)
耐久性に優れメンテナンス費用を抑えることが出来る
ずっと住み続けるマイホームにレンガの外壁を採用すると、どんなメリットがあるのでしょう?
■風格があり流行に左右される事のない美観を保てる
■耐久性に優れており、メンテナンス費用が大きくかからない
などがあげられます。
一般的なサイデイングを採用した際には、塗装の剥がれ、浮き、反り、コーキングの劣化、伝い水による汚れ、下地材の腐れなどが発生し、10年後くらいから塗装やコーキング、貼り換えなどのメンテナンスが必要になってきます。15年~20年メンテナンスを行わなかった場合は、サイディングの内側への浸水などの心配もあり、柱など躯体部分が腐食するなどして、目に見えない部分で住宅の省エネ性能や建物の耐久性などにも深刻な影響を及ぼす可能性もあり、大規模な修理が必要になることも考えられます。
一方でレンガの外壁は目地を使った一般的なもので、10年に一度ほど、目地材の交換とレンガの洗浄などで済み、メンテナンス費用は一般的なサイディングに比べて1/3程度と言われています。目地材を使わず瓦のように積み上げ、直接柱などに打ち付けて施工する次世代レンガの場合は、50年間メンテナンスフリーです。

耐久性・メンテナンス性に優れた次世代レンガ
窯業系サイディングなどと比べて重いのでは?耐震性は大丈夫?といった声も聞きますが、耐震性能の高い次世代レンガを採用したり、家全体ではなく玄関周りのアクセントや、1面に使うなどの工夫で対応している実例も多く見かけます。
それではIEZOOMが取材した外壁にレンガを使った実例を見ていきましょう。
珍しいグレーの総レンガの外壁 北広島市U邸/エコットハウス(松浦建設)

ご自宅の外壁は、総レンガで風格が漂います。珍しいグレーの色合いをセレクトしました。広々としたカーポートでは、夏になると家族でBBQをしたり、お子さん用のプールを置いて遊んだりしているそう。

エコットハウスは高断熱高気密、パッシブ換気システム、外装の次世代レンガ、そしてリフォームの豊富な実績で知られています。
外装はメンテナンスの負担が少なく、時を経て風格が増す「次世代レンガ」が特徴です。
外観は見た目も優しいレンガを採用 十勝芽室町/とかち工房

オレンジのレンガと、さわやかなブルーのドアの色合いが優しくマッチした外観。レンガを選んだ理由は、見た目はもちろん、メンテナンスフリーだということ。確かに、一般的にマイホームを建てて数十年すると、外壁などのメンテナンスが必要になります。もしお子さんの進学など子育てにお金がかかる時期と重なったら、毎日家計簿とにらめっこしなくてはいけなくなりそうです。
ご主人「初期費用がかかったとしても、将来のメンテナンス費用に困らないレンガを使いたいと希望しました。赤い色のレンガはよく見かけるので、オレンジがかかった色合いにしたいと思っていました。張り方もかっこよく見えるやり方を自分たちで調べて馬踏み目地にしてもらいました。とかち工房さんは『あとはお任せください』と、難しいところはしっかり汲み取ってくれましたね」
空気がキレイなレンガ貼りの家 札幌市S邸/いえずきホーム

幹線道路に近い住宅街の角地に建つS邸は、雪が落ちない石付き金属瓦の勾配屋根に総レンガタイル貼り。「高品質でリーズナブルな家」というコンセプトに基づいて建てられた、いえずきホームのモデルハウスだった建物です。
周辺は騒音のない静かな環境。地下鉄駅も圏内で学校にも近く、子育て中のSさんご夫妻にとって、まさに理想的でした。
玄関にはレンガタイル貼りの外壁と相性の良いアーチ型のポーチが設けられています。
メンテナンスフリーの次世代レンガを採用 恵庭市T邸/エコットハウス(松浦建設)

メンテナンスフリーの「次世代レンガ」を外壁に採用。高級感とともに温かみのある仕上がり。
ウォールナットとレンガのレトロで味わい深い家 音更町K邸/とかち工房

ご主人が望んだのは、内装では全体に和風でちょっとレトロな落ち着いた感じということと、濃い茶色が特徴で高級家具用に使われるウォールナットの無垢材を多用して梁を現しにすること。外壁の色指定やアクセントとしてレンガを使うことでした。
「内装も外壁も好き嫌いで選ぶ内容なので、こだわっている部分は最初から希望を伝えました。逆に、住宅の基本性能に係わるようなことは、他の会社よりも平均して断熱が厚く、実績もあるとかち工房さんにおまかせして提案してもらいました。また、意外と時間がかかる各部屋の壁紙のセレクトや間接照明の配置などは、すべてとかち工房さんにおまかせで提案してもらい、最終的にはメールでやりとりして決めました」とKさん。
総レンガ貼りのパッシブ換気住宅 札幌市U邸/いえずきホーム

外観はグレーのブレスレンガ貼りのシックな家です。雪が落ちないメンテナンスフリーの屋根材「コロナルーフ」を採用した勾配屋根の上には、パッシブ換気の排気塔が見えます。総レンガ貼りの外壁の耐久性が高く、長い目で見て修繕費がかからない点に惹かれたそうです。
目次
2022年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。