ヘアサロン(美容院・理容院)や、エステサロン、ネイルサロンなどのサービスは、ヘアカットやメイクをしてもらったり、お肌やツメを整えてもらう以外に、「気分転換」や「リフレッシュ」「癒し」の効果も期待されるものですよね。そういった意味でも、理美容系の店舗デザインは、カフェやレストランとはまた違った空間づくりが求められます。
お店のオーナーの立場としては
・人目を引くような外観デザイン
・どんなお店か分かる外観
・お客さんが立ち寄りやすい雰囲気
・お店のテーマにあった内装
・お客さんのプライバシーを保ちつつオープンな造り
・接客しやすい造り
・掃除やメンテナンスがしやすいプラン
・光熱費が抑えられる
なども抑えておきたいポイントです。
店舗併用で住宅とつながっている場合は
・プライベート空間と両立した設計
・すぐにお店に出られるような動線
・総体的な費用
なども気になるところですよね。
理美容系の店舗や住宅の設計施工を、「どんな会社にお願いしたらよいか分からない」といった店舗オーナーさんの声もよく耳にします。今回は、iezoomが過去に取材した理美容系の店舗実例をご紹介します。どんな風にお店をつくったのか、具体的なエピソードが載っていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
雅建築企画が支えながらオーナーや友人たちがDIYでつくり上げた古家のサロン/東川町 雅建築企画
同じ敷地内に建つこちらの建物が、以前に一家が暮らしていた住宅。現在はご主人のヘアサロン(美容室)と奥さまのアロマサロンになっています。
こちらはもともとLDKだった空間。現在は手前がヘアサロンの待合スペースに、その奥は、奥さまがアロマテラピーの講習などを行うテーブル・スペースになっています。
イーゼルに掛けられた鏡にも美しい景色が写り込む特等席。旭川時代の常連客も多く訪れる憩いの空間です。
野上さん サロンのほうは、内装工事を中心に、窓断熱のリノベーションを行いました。Wさんとご友人で壁を塗るなどDIYも採り入れたので、コストはかなり抑えることができています。
板張りのマイホーム新築も古家リフォームのサロンも雅建築企画で実現! 東川町
美容室「alohana hair works」は建物の開放感や内装、断熱性能も魅力/千歳 生杉建設
アンティークな玄関ドアと大きな窓。マリン灯の光が雪を照らす可愛らしいヘアサロン。2023年9月に完成した千歳市内の美容室「alohana hair works」を紹介します。
設計施工は千歳市の生杉(いけすぎ)建設。1978年創業で、戸建て住宅だけでなく、公共施設や店舗なども幅広く手がけています。
玄関から店内に入ると、高さ約6メートルの大きな吹き抜け空間が広がっています。お客様の多くもこの開放感には驚かれるそうです。
吉川さんが希望した内装イメージは「西海岸風テイスト」。また、お客さまが座る席のまわりにはインダストリアルデザインを感じさせるアイテムを置きたいと、生杉建設の担当者と相談してマリン灯や壁付けの時計を選びました。
ご主人 よくお客さまに「おしゃれですね」と言われたり、「お店の内装の写真を撮っていいですか」と聞かれたりします。お店に対しての反響もすごく感じています。
美容室「alohana hair works」は建物の開放感や内装、断熱性能も魅力/千歳・生杉建設
札幌から90分。自然に囲まれた暮らしを。美容室併設のこだわり住宅/真狩村 晃和住宅
雄大な自然に囲まれた真狩村に魅了され、’16年4月に札幌から移住した秦俊介さん・千佳さん夫妻。俊介さんが美容院、千佳さんがカフェを経営する店舗兼住宅にお邪魔させていただきました。
美容院スペース。木を基調としたあたたかみある店内には、ヴィンテージテイストの照明や時計が配され、とても落ち着く空間となっています。河川敷公園に面した南向きの大きな窓からは、あたたかな光が射し込みます。
美容室とカフェでともに目を引くのが、木のブロックが並べられたアートな壁。俊介さんがインターネットで見て一目惚れした壁を手本に、チーク材のブロックを購入し、大工さんに作ってもらいました。異なる表情の木材が、洗練された印象を与えます。
秦さんご夫妻 「美容院もカフェも、お客様に心地よく過ごしてもらえることを第一に考えました。今後はこの土地を活かして、ドッグランを作ったり、木を植えて森のようにしたりと色々と計画しています。」
札幌から90分。自然に囲まれた暮らしを。カフェ・美容室併設のこだわり住宅/真狩村・秦さん 晃和住宅
「省エネ」「防災」「デザイン」を両立した理容院と自宅/森町 渋谷建設
今回は函館の渋谷建設に、ヘアサロン(理容院)の建て替えと自宅の新築を依頼された森町の菊池さんにお話を伺いました。
菊池さんは森町で地元で親しまれている理容院「カットサロンキクチ」の3 代目。野球で岩見沢の強豪高校に入るなどの野球少年でしたが、跡を継ぐために森町に戻り理容院を継ぎました。
旧店舗は座席数も多い一方、電気代(シャンプーのお湯やドライヤーなどを多く使う)が一番多いときには月 13 万円もかかることもありました。愛着のある店舗でしたが、理容師の菊池さんは、地域密着の理容院を守り続けるためにも、一念発起して、店舗の建て替えを決意しました。
菊池さん 「渋谷社長はできること、できないことをはっきり言ってくれるし、できないことでも代替案をしっかり提案してくれる。渋谷さんじゃなきゃ、かっこいいお店、そしてこんな良い家はできなかったと思いますし、家族、両親とも今でも話しますが、渋谷さんじゃなきや、この土地形状や私たちの要望を踏まえると、そもそも家が建たなかったと思います」
「省エネ」「防災」「デザイン」を両立した理容院と自宅・森町・K邸
ヘアサロン「Bruno(ブルーノ)」理想の店舗兼住宅づくり/札幌市西区 白田建築事務所
「Bruno(ブルーノ)」という店名から連想される、青いドアが印象的なヘアサロンは、札幌市西区平和に2017年2月にオープンしました。夏にはお店の前でお客さんたちとバーベキューを楽しむなど、地元に愛されるサロンになりつつあります。独立開業は美容師の夢。予算内で、お客さんや家族にも快適な店舗兼住宅を!というヘアスタイリスト・松口さんの願いが、ローコストとアイディアならおまかせの、白田建築事務所によってかなえられました。
「木の感じがいいね!」とお客さんに好評の店内。壁や床などの下地材として使う構造用合板を「現し(あらわし)」として使い、設計の工夫によってより広く、空間を無駄なく利用する"白田スタイル"は、ローコストで建てられるのも大きな強みです。
ドアをビンテージ風に塗装したりと「やれるところは自分でやろう!」と、積極的な松口さんに、白田さんは無料でイメージに沿った棚などの図面も描いてサポート。それをホームセンターへ持っていって板を選び、カットサービスを利用すれば後は組み立てるだけなので、「とても助かりました」と松口さんは話します。
ヘアサロン「Bruno(ブルーノ)」理想の店舗兼住宅づくり/札幌市西区・松口さん/白田建築事務所
東川の自然に癒されるエステサロン/東川町 アーケン株式会社
K夫妻がエステサロン兼自宅を建てたのは東川町のキトウシ。町内でも高台に位置し、シラカバやミズナラが豊かに自生する森がある自然豊かな土地です。
屋久島の地杉と、アンティークグリーンのガルバリウム鋼板が周辺景観に馴染んでいます。
奥さまのエステサロン「Amber Spa【アンバースパ】」にもお邪魔しました。店舗側の扉を開けると、優しいピンクとオリーブカラーの受付カウンターが迎えてくれます。
赤い花柄の壁紙が印象的なカウンセリングルームでは、メニューの内容や効果の説明をしてもらえます。大きな窓から入る光が心地よい空間です。
店舗スペースは、すべて奥さまがカラーリングを考え、壁紙を選びました。カラフルな空間にワクワクします。
奥さま 家はとても暖かく、2階リビングからの眺めもよくて快適です。サロンに来店いただくお客様にも暖かい環境を用意できて嬉しいです。
大工さんが自宅兼エステサロン「Amber Spa」を建設/東川町・Kさん
2024年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。