※北海道住宅新聞2020年11月5日号から転載
函館・八雲エリアで事業展開する㈲山野内建設(山野内辰男社長)は、太陽光や地中熱を利用して光熱費の削減と省エネ性の向上に取り組んだモデルハウスを10 月に函館で公開した。
建設地は函館市内でも買い物、病院などが徒歩圏で、生活環境・利便性も良い函館市美原5丁目。断熱仕様は壁がグラスウール90㎜充てん+ネオマフォーム132㎜外付加。天井はブローイング400㎜。基礎断熱は土間の熱損失が多いことも踏まえ、ネオマフォーム150㎜による床断熱を採用した。UA 値は0.27W /㎡ K、C値は0.3㎠ /㎡。窓はトリプルガラスサッシを採用。
換気は第1種熱交換換気。熱交換換気は冬季に排気の熱を低温の外気に受け渡す熱交換エレメントで霜取り運転(デフロスト)が行われることにより、熱交換効率が悪化するケースもあるが、その対策として給気する新鮮外気は地中深さ75㎝に約30ⅿのアースチューブを通し、地中熱で予熱するという対策を行った。
太陽光発電(PV)は屋根に10.4kW 搭載。光熱費の収支計算では、支出が年間約12 万円、売電収入は約21 万円。住宅と電気自動車で相互に電力供給できるV2H システムも屋外に設置した。さらにIoT も導
入したことで、同社事務所からモデルハウスのドアや宅配ボックスを遠隔で開錠することもできる。
自社サイトにはモデルハウス専用ページを開設し、プロカメラマン撮影の写真と文章を用意したほか、コロナ禍を踏まえ玄関からリビング、2階へとジンバルを使って歩くように撮影した動画、さらには360 度カメラで室内約50 ヵ所を定点撮影することで、モデルハウスに来場せずとも間取りや動線、デザイン、素材感などを体験できる実写VRも用意。自社サイトと家づくりポータルサイト・いえズーム、YouTube を軸に集客を図っている。
モデルハウス公開は予約制で、営業担当者は常住せず、申込フォームから希望日と10 時、13 時、15時の希望時間を入力して予約する仕組み。
同社の山野内辰男社長は「この家では暖房便座の使用電力が光熱費の10%以上になる。エアコンも付けっぱなしの方が経済的になる。そうした住宅のランニングコストに着目してもらい、理解が得られるモデ
ルハウスになったと思う。オーニングやグリーンカーテンなどの対応にも取り組みたい」と話している。
2020年11月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。