今回ご紹介するのは、東京から池田町へ移住したCさんの店舗兼住宅です。
「広々した土地で暮らしたい」と十勝を選んだお二人。平日は自宅でのリモートワーク、週末はドーナツ店<KIYOMI DONUTS>を営むというライフスタイルを楽しんでいます。設計・施工は帯広市のクリプトン(竹市真巳社長)。愛犬と暮らす、ゆったりとしたご新居にお邪魔しました。
C邸の家づくりの特徴
・愛犬の部屋を家の中心に配置
・心地よさ抜群のじゅうたん敷きダウンリビング
・2Fホールはお酒や風景を楽しむくつろぎの空間に
住宅からエクステリアまで統一されたデザイン。庭に店舗スペースも確保
外観は外壁に漆喰やカルチャードストーン、ガルバリウム鋼板、軒天に木材(レッドシダー)を採用。住宅前には広々としたドッグランと駐車場、キッチンカー形式の店舗スペースをつくりました。
お二人 店舗と住宅は分けたいと考え、住宅内の厨房で作ったドーナツをキッチンカーで販売する形にしました。最初は住宅をコンクリート塀で囲むことも考えていたのですが、竹市さんに「十勝では開放的なデザインが好まれる」と教えていただいて。地域の雰囲気に馴染む外観に仕上がって良かったです。
シンボルツリーであるアオダモの背面には、杉板の木目をかたどったコンクリート製の門袖を造作。都会的なセンスを感じさせる玄関アプローチになりました。
写真左/玄関ポーチには造作の宅配ボックスが。余裕のあるサイズで、収納としても使えます。
写真右/玄関の靴収納はシンプルなデザインに。照明は人感センサータイプを選択しました。
写真左/玄関の一角には、愛犬の脚を洗うためのシャワースペースもありました。床は濡れてもすぐに乾くそうです。
写真右/ガラスのリビングドアを抜けるとそこは吹き抜け空間。高窓とペンダントライトが空間にアクセントを加えています。
愛犬スペースは家の真ん中に。「包まれ感」が心地よい広々ダウンリビング
DKとは段差をつけたダウンリビングです。吹き抜けの開放感と同時に、身体を包みこまれるような心地良さも感じられる空間になりました。中央にあるのは……
特製の愛犬スペースです。2帖ほどの空間は2面が開閉可能な柵、1面がガラス入りの壁で囲まれ、家族の気配を感じやすい造りになっています。
リビングの床は、脚を伸ばしても寝転んでも気持ちが良いじゅうたん敷き。奥の壁はSOLIDO(ケイミュー)というセメント素材で、モダンな印象の中に温かみも感じられる質感が魅力的です。
写真左/「家づくりでは災害への備えも重視したかった」というお二人。暖房はパネルヒーターのほか、電力の不要な薪ストーブ(DOVRE)を設置しました。
写真右/愛犬スペースの壁にガラスを入れたのは竹市社長のアイデア。目線は合うけれどオープン過ぎない、絶妙なバランスのデザインです。
キッチンはタカラスタンダードのアイランドタイプ。天板付きの背面収納はキッチンのデザインに合わせて造作しました。下がり天井のダイニングは3面が壁と窓に囲まれ、キッチン・リビングと同じ空間でありながら個室のような落ち着きも感じられます。
ゆったりとした時間を演出するシックなインテリア
1階には、客間にもなる和室を設けました。
お二人 造作の収納は、宙に浮いているようなデザインも、湿気がこもりにくいという実用性も気に入っています。クロスや照明、収納の取っ手などはクリプトンさんにお任せでしたが、和風になりすぎず、品のある仕上がりになりました。
写真左/来客も使用する1階のトイレはゆとりを感じさせるデザイン。水のかからない位置に鏡を配置したデザインもお気に入りです。
写真右/洗面台(アイカ工業)には、カウンターを一部切り抜いてダストシュートを設置しました。寝室への動線も便利です。
グレージュのクロスと間接照明の光が穏やかな印象の寝室。造作のヘッドボードには照明の調光コントローラや充電のためのコンセントが設置され、ホテルライクな造りになっています。
2階ホールにはカンディハウス(本社/旭川市)のチェアとdk3(デンマーク)のテーブルを並べました。高窓から見える星や地元産のワインなどをゆったりと楽しめる贅沢な空間です。
仕事場でもある個室。窓の外には池田町の雄大な風景が広がり、この日は草を食む羊の姿も見られました。
「最新のトレンドをキャッチしている」スタッフのセンスに信頼を寄せて
家づくりについてのお話を伺いました。
Q 移住ということですが、住宅会社はすぐに決まったそうですね
A 公式Webサイトやiezoomで事例を見て、すぐに「ここだ!」と心が決まりました。クリプトンさんの家はモダンなデザインと性能の高さを兼ね備えているところが魅力ですね。Webを使っての打ち合わせもできるとのことでしたが、私達は2ヶ月に1回くらい、旅行も兼ねて打ち合わせに来ていました。
Q 打ち合わせの雰囲気はどうでしたか
A 肩肘を張らない雰囲気が心地よく、楽しい時間でした。竹市さんは私達の意見を絶対に否定せず、予算的に難しい場合も必ず魅力的な代替案を出してくれるんです。スタッフの皆さんも本州に勉強会に行くなどして最新のトレンドをキャッチしており、提案してくれる家具やタイルなども質の良さを感じるものが多かったです。
Q 家づくりで心に残っているエピソードがあれば教えてください
A 杉板の模様が入ったコンクリートの門袖を作っていただいた時に、竹市さんが仕上がりを見て「もう一度作り直しましょう」と言ってくれたんです。今立っているのは新しい門袖なんですよ。造り手としてのこだわりや手間を惜しまない姿勢に感激したし、嬉しかったですね。
Q 住み心地はいかがでしょうか
A 東京で住んでいたマンションは、家全体が暖まるということがなかったので部屋ごとに暖房器具を置いていました。今の家は本当に快適で、まるで別の国に来たように感じるほどです。高い耐震性や長期優良住宅の認定といった要望も叶えていただき、長く安心して暮らせる理想の家になりました。心地よい家で思い描いていた暮らしができることを、とても嬉しく感じています。
KIYOMI DONUTS
店舗情報はこちらからご覧いただけます
https://kiyomidonuts.com/
【建築概要】
| 1階床面積 | 133.41平方メートル(40坪) |
|---|---|
| 2階床面積 | 44.71平方メートル(13.5坪) |
| 延床面積 | 178.12平方メートル(53坪) |
| 構造・工法 | 木造(枠組壁工法) |
| 断熱(壁) | 高性能グラスウール16K140㎜+付加断熱 ウレタン:Q1ボード50㎜ |
| 断熱(天井) | 吹込用グラスウール18K400㎜ |
| 断熱(基礎) | 押出法ポリエチレンフォーム2種25㎜ 3種100㎜(リビング周り) |
| 断熱(窓) | YKK AP APW430 トリプルガラス |
| 換気 | 熱交換型ダクトレス1種換気システム
第3種換気システム(厨房) |
| 暖房 | 床暖房、パネルヒーター、薪ストーブ |
2025年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。