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目指すのは、散らかっても元通りにしやすい家 整理収納コラム9


整理収納など片付けのサポートをしていると、お客さまから「モデルハウスのような家にしたい」と言われることがあります。整っていて生活感がなく、いつ見てもきれいな家。そんなS N S でいう“映える家”に憧れることは、とても自然だと感じます。



一方、整理収納の現場で多くの暮らしに触れてきた立場からすると、実際の生活はモデルハウスのようにはいかない、という現実もハッキリと見通せます。暮らしていれば忙しい朝や疲れ切った夜はもちろん、予定外の出来事などもあるので、家は必ず散らかります。

もっとも、散らかることはどこか悪いことのように捉えられがちですが、私は、「暮らしている証拠」だと思っています。モノが使われずにしまい込まれている家より、使われて散らかっている家のほうが健全だと感じる場面も少なくありません。


キッチン横のパントリーは整理整頓しやすい工夫が施されている


そこで、「きれいな状態を保ち続ける家」より、「散らかっても元に戻しやすい家」を目指してみてはいかがでしょうか。片付けがうまくいっていない家は、住まい手の性格や努力不足を原因にしがちですが、現場では物量や収納計画そのものが暮らしに合っていないケースも多く見かけるからです。


バスルームに続く、大きな整理収納スペース。衣類などが収納されている


特に提案したいのが、「収納を場所ではなく目的で考える」という視点を持つこと。「ここには何を入れるか」ではなく、「ここはどんな場面で使いたい場所か」と、考えてみてください。スムーズに身支度を行う、一時的に物をしまっておく、家族で共有するなど、いろいろな答えが返ってくると思いますが、まずは目的を明確にすることが大切。

それによって、暮らしの中で散らかっているモノをどこに戻せばいいかという判断もしやすくなり、結果的に住まい手の負担も軽減。長く心地よく暮らせる家になります。


キッチンがスッキリ片付くように背面壁には収納棚を造作


モノが散らかった状態から、またきれいな状態に戻れる家にするには、『目的』を軸にした収納計画がカギを握ります。家づくりにおいても、“きれいに保つ”より“元に戻れる仕組み” を意識することが、これから大切になると感じています。

iezoomで取材撮影させていただいた新築住宅事例の中から、収納に関する工夫が際立つ50事例以上のアイデアをコラム「住宅の収納」アイデア50選でご紹介しています。ぜひ、こちらもご覧ください!

このコラムを書いた人



のんちさん:整理収納アドバイザー1級

2014年に資格取得後、4度の引越しを経て2021年から活動開始。訪問・オンラインでの片付けレッスンを行いつつ、手仕事のコミュニティも主宰。片付けなどに関する100軒以上のお悩みに触れ、サポート実績は300時間以上にのぼる。インスタアカウントでも楽しくためになる発信を続けている。

のんち 片付け×家事シェアの専門家  https://www.instagram.com/nonchi._.kurashi/?locale=ja_JP



※この記事は北海道住宅新聞 2026年2月5日号に掲載されたコラムです


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