Iさん家族は、ご夫婦と娘さんの3人暮らし。いずれは一軒家に住みたいと思っていたIさんが、念願の新居を札幌市南区に建てたのは2024年12月のことでした。
主にガルバリウム鋼板を使用した外壁と、住宅の独特の形が相まって、シャープな印象を放っています。
設計・施工はS・建築製作所(札幌市北区)。柴嵜(しばさき)雄次社長は、建築士でありながら大工の修業も積み、設計と現場双方の経験が豊富です。IさんとS・建築製作所の家づくりを紹介します。
目次
1階は回遊動線にして家事をラクに
玄関ドアを開けたところに、可愛らしいベンチが置かれています。ベンチは奥さまの希望によるもの。この場所に合わせて造作してもらいました。右手にはシューズクロークを設け、普段はこちらから出入りしています。
シューズクロークの先に洗面室があります。その先はトイレ、ユーティリティー、浴室と続き、玄関へと戻ってくる回遊動線になっています。来客と動線を分けることができ、家族にとって暮らしやすい造りです。
それまで住んでいた賃貸住宅は収納が少なかったため、容量のあるファミリークロークはたっての希望でした。三角の下がり壁がキュートです。ユーティリティーの隣にあり、乾いた服を収納するのに便利な動線です。
傾斜地だったためスキップフロアを採用
この家の大きな特徴は、5層構造のスキップフロアになっていること。傾斜地だったことから、柴嵜社長は敷地の特徴を生かしたスキップフロアを提案しました。
玄関ホールからは、数段下がれば寝室に、階段を上れば中2階へとつながります。
半地下ということもあって、寝室は静かで居心地のよい空間です。今は小さな娘さんと親子3人で寝ています。
寝室の入り口には作業机を備えつけました。Iさんはスツールを持ってきて、ここで仕事をすることもあるそうです。
中2階は子ども部屋です。今はまだ本格的には使っていないため、植物を手入れするための作業台などが置かれています。
見晴らしの良さを求め、2階リビングのプランに
2階はこの家のだんらんの中心、LDKです。
この家は高台の一角に建っていて、リビングの窓からは視界を遮るものがありません。山や街並みが望め、見晴らしは抜群です。
Iさんはずっと、いつか高台に住みたいと思っていました。土地も見晴らしのよい場所にこだわって探し、ようやく出合ったのがこの場所でした。
柴嵜社長がスキップフロアを提案したのは、高さも角度も違うさまざまな場所から景色が眺められるように、との思いもあったといいます。
キッチンとリビング・ダイニングは一体になっていて、どこにいても開放感があります。
キッチンの背面収納は木の風合いを取り入れて造作してもらいました。
共働きのIさん夫婦、食洗機の導入も希望しました。リクシルのシステムキッチンにミーレの食洗機を備えています。
2階上部にはロフトを設けました。琉球畳を一部に使い、おこもり感のある空間になっています。仕事で遅く帰った日は、家族を起こさないよう、Iさんはここで寝ることも。多目的に使えるため、来客時にも重宝しているそうです。
一気通貫・ワンストップのよさが魅力
Iさんに住み心地などについて、お話をうかがいました。
Q S・建築製作所をどのように知りましたか?
注文住宅を建てたいと思って、10社ほど見学に行きましたが、S・建築製作所との出会いは本当に偶然でした。土地探しで訪れた場所の近くに素敵な家を見つけて、その直後、たまたま書店で手に取った雑誌にその家が紹介されていたんです。その家を設計したのが、S・建築製作所でした。
Q 決め手になったのは何でしたか?
土地が決まって実際に設計してもらうまでに時間がかかったので、その間にモデルハウスとオープンハウスを10軒近く見せてもらったと思います。それにより、自分たちのことをよくわかってもらえましたし、柴嵜さんのつくる家のこんなところを採り入れたいと具体的に考えていくことができました。
傾斜地を嫌がる会社さんもあると聞きますが、「こういう場所ほど腕が鳴る」と柴嵜さんがおっしゃってくれたのもありがたかったです。柴嵜さんが建築士も大工もされているので、一気通貫・ワンストップでできることも大きな魅力でした。
Q スキップフロアの間取りの提案はいかがでしたか?
面白い家ができそうだなと思いました。建築中もときどき足を運んで、どんなふうに5層構造ができ上がっていくのかを見るのが楽しみでしたね。S・建築製作所のブログには工事の状況が逐一アップされていたので、それを見ながら、安心してお任せできました。
Q 住んでみての感想を教えてください。
リビングの窓は東向きなので、朝日が昇ると、とても気持ちがいいです。早起きして朝日を眺めたり、秋は山の紅葉に見入ったり、家にいながらにして景色を堪能しています。
建築資材の高騰などもある中、柴嵜さんと出会えたことで、本当に納得できる注文住宅がつくれたと思います。
将来的にはバーベキューができるデッキをつくったり、庭にもう少し手をかけたりしたいねと、妻と話をしています。
2025年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。