Story 取材記事

道産カラマツに包まれる、エネルギー自給型二世帯住宅/帯広市Iさん


「建てるなら道産材の家を、と思っていたんです。北海道で育ったものを北海道で使う。他の土地のものを運んできて使うのは違うかなと」
仕事として道産木材の利用推進にも携わるというIさん夫妻の家は、外壁にも内装にも道産カラマツをふんだんに使った地産地消の家。さらに16キロの太陽光パネルと蓄電池でエネルギーも自給し、災害にも強い仕様になっています。
「小さく建てて大きく暮らす」「百年暮らせる家」を目指す水野建設が建てた二世帯住宅のスタイルにも注目です。

I邸の家づくり
・道産カラマツが主役の室内は施工の美しさもポイント
・太陽光パネル16キロ+蓄電池でエネルギー自給
・広すぎないから心地よい二世帯住宅

床、天井、梁、階段…道産カラマツに包まれるLDK



外観は庭面をカラマツ、その他の面はガルバリウム鋼板で仕上げました。



大きな窓があり明るい玄関。玄関の床とフローリングの間には段を設け、家族全員が上がりやすいデザインになっています。



木のぬくもりに包まれるような吹き抜けのLDK。「カラマツ材は節のあるところを切り、床の施工の際は板のラインをランダムにして貼るんです」と担当の水野円さん。「手間はかかりますが、いかに美しく見せられるかという点を重視しています」




アイアンの階段はスケルトンタイプ。「圧迫感もなく、インテリアのひとつという感覚。気に入っています」



キッチン前には収納棚を造作。壁にもマグネットボード仕上のニッチを設け、片付きやすいダイニングとなりました。

ライフスタイルが変わっても暮らしやすい家



こちらはご両親の寝室です。I邸は寝室以外は共有の完全同居型の二世帯住宅。「二世帯でも広すぎないので、掃除も楽だしエアコンも一台で済んでいます」



ご両親の寝室からは、お母さんが丹精こめてつくった庭がゆったりと眺められる間取りになっています。



1階トイレ。現在、廊下になっている部分も使ってトイレ空間を拡大すれば車いす対応のトイレにも変更できます。



壁や扉は極力減らし、オープンな構造に。脱衣所やクローゼットなどは必要な時のみロールスクリーンで仕切っています。「行き来がしやすく、通気性や冷暖房効率もいい。来客時には、洗面所とクローゼットとの境にあるロールスクリーンを閉めて対応しています」



(写真左)「天井が低いのがかえって落ち着く」という2階の寝室
(写真右)2階トイレは植物図鑑のようなクロスがお気に入りです。



2階ホールには造作の本棚と学習机が。据付型ではなく移動式にし、ライフスタイルの変化に対応しやすい空間になりました。

ソーラーパネル+蓄電池で非常時も安心



家とカーポートの屋根には16キロのソーラーパネルを設置しました。EV車を購入した場合は、車を蓄電池として利用するV2Hにも対応できるよう電気配線などの備えもしてあります。
「災害への備えという意味でも、自分の家で使う分の電力は賄いたいなと。我が家はオール電化ですが、蓄電池を増やせば5人が暮らせるほどの発電量があります」



晴れた日なら午前10時には満タンになっているという5キロの蓄電池。現在は余った電力を売電していますが、いずれは蓄電池を増設して100%の電力を賄えるようにと計画しています。

二世帯でも広すぎないからこその心地よさ

家づくりについてのお話を伺いました。



住宅会社選びについて。

道産材を使って建てたいというのが最も大きな要望だったのですが、大手のハウスメーカーでは仕様などが決まっているので難しいと言われてしまって。道産材を使いたい、できるだけたくさん使いたいという自分たちの要望にマッチしたのが、水野建設が掲げる「地産地消の家」「道産カラマツが主役の家」でした。



希望通り、道産のカラマツをふんだんに使った家になりました。

木材を加工したのは瀬上製材所(幕別)なので、まさに地産地消ですね。昔は反りや狂いの問題もあったカラマツですが、乾燥技術が進んだ現在はそうした問題はほとんどなく、安心して使えるようになっています。ヤニも少なくなっていますし、多少出たとしても、本来は抗菌作用もある、木を守るためのもの。木が健全に育ってきた証拠だと思えばゼロにならなくてもいいと思うんですよ。



打ち合わせはどのように進めましたか。

家造り全般は水野(光義)社長と、細かな造作やソーラーパネルなどに関しては水野円さんと打ち合わせをしました。室内イメージは3Dモデルを作って見せてくれるのですが、造作物はもちろん持ち込み家具や家電についても、サイズやメーカーを伝えると3Dパースの中に入れこんで、きれいに収まるかどうかをチェックしてくれました。



工事中は。

工事日報としてLINEで毎日写真入りの連絡をくれたので、遠方に住んでいても状況が分かりました。関係者のグループLINEでは「これは何のためにやっているんですか?」などたくさん質問してしまったんですが、その都度的確に回答いただけたので、安心感がありましたね。「寝室の遮音のためにグラスウールを入れられないか」といった追加の要望についても臨機応変に対応してもらえました。



住み心地はいかがですか。

快適ですね。広すぎず、開放的な造りである点が特に気に入っています。2階ホールで勉強している息子に1階から声をかけたり、逆に息子がLDK近くの祖父母の部屋に気軽に遊びに行ったりと、コミュニケーションの機会が多くとても雰囲気がいいんです。三世代で住んでいることの豊かさを感じられる家になりました。

建築概要


1階床面積 73.90平方メートル(22.3坪)
2階床面積 42.64平方メートル(12.9坪)
延床面積 116.54平方メートル(35.2坪)
構造・工法 木造(軸組工法)
断熱(壁) 高性能グラスウール(HG16-38)105ミリ+付加断熱 ビーズ法ポリスチレンフォーム1号 T=100
断熱(屋根天井) フェノールフォーム1種2号CⅡ T=100+高性能グラスウール(HG16-38)T=235
断熱(基礎) ビーズ法ポリスチレンフォーム1号 T=100+100
断熱(窓) YKKAPトリプル樹脂サッシAPW430
換気 第1種換気システム+第3種換気(台所、浴室)
暖房 エアコン(床下)

写真 Commercial Photo / Movie  SWITCH


2023年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

有限会社水野建設の取材記事