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薪ストーブに200mm断熱、地産地消の平屋 芽室町Kさん/水野建設


目次

ミニマリストに向けた家を提案

「ミニマリスト」とは、最小限の上質で必要なモノだけを持ち、お手入れをしながら大切に使うことで、最大限豊かな暮らしをする人たちです。

手造り品や自然素材のアイテムは、そうしたミニマリストの暮らしにぴったりです。厳選したモノに囲まれて暮らすと、心も豊かになれます。

こだわりの職人が日本でつくる器や雑貨、服。さらに、バルミューダのデザイン家電など、性能・機能にこだわり、シンプルなデザインのミニマリスト向け商品も増えてきました。



ミニマリスト向けの合理的で上質な家があってもいいのでは?
十勝・音更町にある(有)水野建設はそう考えました。
「ミニマムスタイル」は、同社が考えたミニマリスト向けの新しい住宅です。



水野建設は以前から十勝産カラマツを使った家づくりを推進し、「とかちの木で家をつくる会」のメンバーにもなっています。

また、同社が加盟している地域工務店団体・新住協では、高断熱化と太陽エネルギーの利用、高効率設備の活用で、暖房などの光熱費を従来の半分に減らす「Q1.0運動」を十数年前から始めています。



標準仕様を従来の120mm断熱から200mm断熱に変え、トリプルガラス入りサッシの採用などで光熱費を大幅に低減。道産カラマツなど天然素材をたっぷり使う代わりに、ほんとうに必要な部屋の広さ、使い勝手をプロの目で見極めた企画住宅「プロトタイプ」を考え、家の面積を最小限に抑えました。性能面では、Q1.0住宅として光熱費を大幅に低減。住宅の性能や質が大幅に向上しながら、建築費用は従来の住宅並みに抑えることに成功しました。

今回、ミニマムスタイルで家を建てたKさんご家族の家を訪問し、完成見学会前の慌ただしい時間帯に快く取材を受けていただきました。



自然環境に恵まれた帯広郊外にコンパクトな24坪のマイホーム

Kさんご家族は昨年12月、帯広郊外に水野建設で念願のマイホームを完成させました。
日々の生活に本当に必要な広さや設備を吟味し、無駄を排して小さく造ることで実現できる、上質で豊かな空間。

2LDKの平屋建てで建物面積は約24坪。玄関前には住宅と一体になった物置兼カーポートがあり、実際はもっと大きく見えます。

帯広市内でアパート暮らしをしていたKさんご夫妻。奥さまの妊娠をきっかけに、赤ちゃんの泣き声などで周囲に気兼ねなく子育てができる環境を求め、戸建住宅の建築を決意しました。



ご主人はアウトドア好きで、SUV車でキャンプに出かけたりするなど、アクティブな性格。街中に住むよりも郊外の方がいいと、ネットなどを使って土地探しをしました。見つけた土地は、帯広市街地まで車で20分もかからない場所ですが、周りを緑に囲まれ、周囲にはしゃれたお店もあるところ。環境の良さと職場まで車で10分以内という利便性に惹かれ、ここで家を建てることにしました。



どこで家を建てるかは、相当悩んだそうです。木をふんだんに使ったナチュラルな家を希望していましたが、比較検討したのは10社近く。ネットや雑誌などで情報収集をしながら、最終的に水野建設さんに決めた理由は、水野社長の丁寧な応対ぶり。何事も親身になってくれ、資金計画の相談では長期固定住宅ローンのフラット35を勧めてくれました。さらに、融資申込の時は窓口までついてきてくれたとか。



自然素材のナチュラル感とモダンな意匠をミックス

完成した家の中は、どんな様子でしょうか。
ウッディな木製玄関ドアを開けて入ると、正面右手にコンクリートの壁が見えます。左手には天井まで届く大きなドア。ドアの表面には、なんと天井と同じダークグレーの壁紙が貼られています。Kさんご夫婦の若い感覚を生かし、自然素材を使った家にモダンな意匠を採り入れました。


表面に壁紙をきれいに貼って自由なデザインにできる、YKK APの室内ドア「ファミット」


右手に進むと、すぐに奥行きのあるLDK。コンクリート壁の裏側には、なんと薪ストーブが。これまた意外な組み合わせ。側面にかわいらしいリスのマークが入ったデンマーク・モルソー社の薪ストーブです。キュービックなデザインもしゃれています。


かわいらしいリスが浮き彫りになる、モルソー社のストーブ


遊び心たっぷりのプランですが、実は水野建設の企画住宅「プロトタイプ」の「ミニマムスタイル-平屋プラン」をほぼそのまま採用。変更箇所は、ウォークインクローゼットを夫婦の寝室の前に加えたぐらいです。

赤ちゃんがぐずりだしたので、ダイニングで授乳するKさん。見ると、天井が高めですね。梁を現しにすることで、天井高が通常の住宅よりも高くなり、平屋なのに開放感が抜群です。


寝室からクローゼットを通ってユーティリティーに抜け、LDKにつながる動線


床は道産カラマツの無垢材。壁は白くて一見ビニールクロスのようですが、「オガファーザー」と言う紙とウッドチップでできたドイツのオーガニックな壁紙です。通気性や透湿性があり、静電気も起きにくいためホコリが付着しないという特徴があります。この製品、なんと150年前から製造されているそうです。

個室は子ども部屋1つと夫婦の寝室、合計2部屋。奥さまは、「子ども部屋が必要なのは、小学校から高校ぐらいまでの10年ほど。子ども部屋を広く造ってその後持て余した話をいくつも聞いているので、無駄に広く造る必要はなく、2人で6畳もあれば十分だと思っています」と話します。老後のことを考えて、室内ドアは開けやすい引戸にしました。

広さは抑えていますが、平屋のため階段スペースが必要なくなり、また玄関周りや水回りのスペースを広めに取っているので広々としています。



キャンプ感覚で薪ストーブを楽しむ

メイン暖房は床下エアコン。テレビ台の下に設置したエアコンの暖気が床下空間に行き渡り、床に設けられた通気ガラリから緩やかに上がってくるしくみ。この1台だけで十分暖まるそうです。さらに、仕事から帰ってきたご主人の楽しみは薪ストーブ。自分で火をおこしてゆらめく炎を眺めながら、時々薪をくべる。仕事疲れも癒やしてくれます。


テレビ台に組み込まれた、寒冷地向けエアコン。基礎断熱された床下空間に向かって暖気が吹き出し、床にある通気ガラリから暖気がのぼって部屋中を暖房できる


「キャンプに行くとよく焚き火をするので、薪ストーブには親しみを感じます」とご主人。

キッチンは既製品にカウンター収納を造作して使いやすくしました。また、食品庫もあるため野菜やお米の保存も冷蔵庫を使わずにできます。
カウンターの高さは、リビングから手元が見えないように設定。使い勝手の良さに奥さまも大満足。


造作したカウンターの下には、すっきりしたデザインのゴミ箱を設置。フタが2つに割れて開くの商品を選んだ。奥には、食品庫がある


暖かい家に大満足



昨年末に引っ越して約1ヵ月。「アパート暮らしの時は寒かったけど、この家はどこにいても暖かい」と言います。断熱の重要性は、水野建設のオープンハウスに行ったときにじっくり説明してもらって納得したとか。200mm断熱を採用して大正解だったようです。

南側の大きな窓からは、冬でも暖かい日射しが差し込みます。
「晴れた日は暖房がいらないと思うぐらいで、暖房費も思ったよりかからないし、ほんとうによかった」とKさん。


2019年02月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

有限会社水野建設の取材記事