全国最大手の2×4ハウスメーカーの設計会社で住宅設計、全国最大手の在来工法ハウスメーカーの住宅設計や現場、お客様対応など、住宅業界の全国大手、さらに大手ログハウスメーカーの社員として、トータルでは1000件を超える住宅づくりを行い、住まいづくりの膨大な経験とアイデアを蓄積。特別な思いがあるという札幌の地で設計事務所を開業した篠崎廣和さんに、家づくりに対する想いについて話を聞きました。
-全国大手住宅会社の設計者がなぜ札幌で独立を?
篠崎 東京工業大学付属高校の学生だった私は、西武池袋線の通勤ラッシュにうんざりしていました。免許を取って北海道旅行へ。美瑛などの雄大な景色に衝撃を受けました。
20歳の時、設計事務所と工務店を経営していた父が急逝。生活のために大学を中退してゼネコンに就職しました。建設業界で働きながらも、父が育てた住宅会社を継げなかったことが心の隅に残っていました。
住宅業界で最も経験が積める会社へと考えて、2×4注文住宅最大手ハウスメーカーが設計を外注している建築事務所に転職。設計・意匠の先生の元で年間80棟ペースで住宅のプランニングや図面の作成を行いました。朝から深夜まで製図台の前で設計をし続ける日々で、2×4住宅のこと、住宅の設計のことを膨大に学びました。
3年後、東京を離れ、心の中か沸き起こる「自然の中で働きたい」という思いで山梨のログハウスメーカーに転職。日々土の匂いを感じながら丸太組と格闘。オーナーの夢がいっぱい詰まったログハウスをつくる、楽しく刺激的な毎日でした。
でも「まだ住宅のことを全て分かったわけではない。2×4住宅だけでなく在来工法を学べて、しかも最も鍛えられそうな職場、さらに憧れの地北海道へ」そう考えて住友林業札幌支店の社員になりました。現場管理や設計、お客様対応などを13年。お客様の要望を伺い、設計に反映させ、前職と併せて累計で1000棟近い住宅を実現させたころ、ついに設計事務所を開業することにしたのです。
-どんな家づくりができますか?
篠崎 満足できる注文住宅づくりに、たくさんのノウハウと経験を活かせます。一例をあげると、プランニングの際に、家の中でお施主様が行う「無意識の行動」を予測した設計ができます。
朝起きて目覚まし時計を止め→めがねを掛けて→トイレ→洗面→着替え→テレビ→奥様や子どもと朝の会話→朝食...今後何十年と繰り返される無意識の行動が快適になるプランニングを提案できます。
薄型テレビを購入・設置したら、テレビが昼間でもはっきり見える居間の間取りを実現するには背面の壁、窓の光の映り込み、テレビからの距離、DVDソフトの保有数など様々な検証と経験に基づいたアドバイスがあります。
収納ならばよく使うモノと買い置きのモノをしまう場所のしまい分け、収納容量のオーナーのライフスタイルに応じた適量予測アドバイスもできます。
例えばキッチンとバックセットの食器棚までの幅は104cm幅程度がジャストサイズだが、家具と壁との通路=動線となる幅は最低52cmを目安に考えた方が生活しやすいといったノウハウ、あるいは外観を美しく印象づけるための法則など。1000棟もの住宅設計を行って、お施主様ともたくさんのコミュニケーションをしてきた経験と、使う人の目線にたった思いやりの設計を徹底することで、他のハウスメーカー、工務店ではできない気配り、快適な暮らしの提案ができるのです。
私は、ヒゲをたくわえて、いかにも建築家先生というような感じではありません。もっと、お施主様が気軽に接して、話ができるタイプだと思います。家造りをするときに、お施主様が考え方を整理したり、知識として知っておいた方が良いようなことは、自筆した「注文住宅の満足できる建て方」の本を事前にお渡しして、ざっと読んでいただいたり。
その上で、好きな家具や家のイメージなどを伺い、平面図や模型などをもとにしてお施主様と打ち合わせを重ね、徐々に住まいを形にしていきます。建築家の設計力、ハウスメーカーよりもコストを安く建てられること、そして住友林業イノスグループによる保証力などを活かして良い住宅を建てることができるのです。機能とデザインを両立した住宅リフォームも得意です。
-インテリアやエクステリアの専門家が社内にいますね?
篠崎 当社にはハウスメーカーや工務店から依頼を受けて、モデルハウスのインテリアをプランニングしたり、当社のお施主様の住まいのインテリアコーディネートを担当するインテリアコーディネーター&二級建築士の篠崎正子がいます。全国最大手の2×4ハウスメーカーや住友林業でインテリアコーディネートの経験を積みました。それが縁で私と生涯のパートナーになったのです。ナチュラル系、輸入住宅系、シンプル系、可愛らしいタイプのインテリアなど様々な提案ができます。
江本法史というエクステリアの専門家もいます。新築住宅を建てる際、土地と建物だけで予算を使い切るせいか、住宅会社が価格競争をしているせいか、北海道の住宅はエクステリアに気配りの少ない家が目立ちます。緑・塀・フェンスなどの配置や素材選びに十分な知識と経験を持ったアドバイザーが建築にあわせて素敵な提案をさせていただきます。
記者の一言
経験とノウハウが豊富で、なおかつ施主の話をしっかり聞いてくれる建築家に、素敵なインテリアをたくさん勉強されている奥様、そしてエクステリアの専門家。かなり頼りになる人材が揃っている設計事務所です。奇をてらった家ではなく気配りの利いた家づくりだと思います。
2010年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。