札幌駅前といえば、人とコンクリートがいっぱいというイメージ。そこでビル屋上に「そらのガーデン」という緑いっぱいの素敵な場所が9月下旬にオープンします。このガーデンを設計したのが美人ガーデナーの上野砂由紀さんです。
先日、講演会の取材で上野砂由紀さんとお会いしました。全国的に有名な上野ファームの庭を作ったガーデナーです。
風のガーデンをプロデュース
そんな上野さんがプロデュースした有名なガーデンが富良野にある「風のガーデン」です。
「風のガーデン」は、3年前に放送されたドラマの舞台として作られました。「北の国から」で有名な、脚本家・倉本聡さんの『富良野3部作』の最終作品と言われています。
ここはもともとホテルのゴルフ場だったところです。2年かけて上野さんがドラマの中の設定「数十年かけて親子が代々作ってきた庭園」にしました。
このドラマが遺作となった緒形拳さんなど名優と呼ばれる人たちが多数出演しました。普通ならばこうした大俳優さんのスケジュールに合わせてロケ撮影をするのですが、このドラマではすべてガーデンの開花状況を見ながらロケが行われ、「予測した開花時期がずれたらどうしよう」とたいへん心配したこともあったそうです。
100年前から続く米農家に生まれて
上野さんの実家は旭川市で代々続く米農家「上野ファーム」です。20年以上前から「魅せる農業」を目指して取り組んできました。最初は、お米を直接買いに来る消費者のために母屋のまわりに花を植えたり散歩道を作ったり、そんなところから出発したそうです。
それから上野さんのお母さんがイングリッシュガーデンに興味を持ち、上野さんがイギリスに留学して本格的にイングリッシュガーデンについて学んだことから、帰国後上野ファーム内にガーデン造営が始まりました。
開園したのは10年ほど前ですが、現在では年間数万人の愛好者が集う場所となっています。
上野さんは現在、その経験を活かして自治体や企業と新しい庭づくりに取り組んでいます。
札幌の空中庭園「そらのガーデン」
その1つが札幌駅前にある商業ビル「エスタ」の屋上を緑化する「そらのガーデン」です。
ビルの屋上は、コンクリートの殺風景なものが多いのですが、そこに「グラスガーデン」と呼ばれる草主体の新しいスタイルのガーデンを作ろうとしています。
9月23日にオープン予定なので、もうすぐですね。
講演会では進行中の工事の様子をチラッと見ることができました。既に緑が繁っていますね。こうしたコンクリートの屋上に緑を定着させるには、屋上緑化部材と言われるものが必要ですが、講演会を企画した物林(株)が手がけているのだとか。
最新技術と上野さんのセンスや経験が合わさって札幌の街を癒やしの場に変えてくれそうです。
2011年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。