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要注意!中古住宅を買ったら寒かった(リフォーム実例・札幌市)


札幌市営地下鉄やJRの駅に近い、価格がお手ごろ、すぐに引っ越して暮らせるなど、魅力の多い戸建ての中古住宅。外観も室内も新築並みにキレイだったり、不動産情報には「フルリノベ済」と書かれていたり、なんとなくお買い得感満載な気配がします。今回は、昨年リフォームした事例を見ながら、札幌で中古の戸建てを購入する際に気をつけなければならないことを一緒に見ていきたいと思います。

築40年の寒い中古住宅を断熱リフォームで暖かく再生/札幌市



今回ご紹介するのは、札幌市内にある築40年の中古住宅を「気流止め」という工法で断熱リフォームした事例です。

■住宅プロフィール
築年:1980年10月(築40年)
構造:木造二階建て
延床面積:約91.53㎥(27.68坪)
所在地:札幌市

「冬は、寒くて2階に行かない」
「ユニットバスの水道管が凍る」
これは、河合さんにこの物件の断熱リフォームを依頼したNさんの言葉です。なかなかインパクトがあります。

Nさんは、こちらの物件を2014年に中古で購入。
既存の外壁の上から新しい外装材が貼られており、外観はきれいでした。
しかし住んでみると、「想像もしていないほど寒かった」と嘆くほどの惨状。
いわゆる“お化粧リフォーム”で見た目は整えられていましたが、断熱・気密性能は悲惨でした。



お化粧リフォームの外装材を剥がすと、古い外壁が現れました。河合さんも、「ここまでひどいのは見たことがないですね・・・」というくらいのひどい有様でした。こぶしくらいの穴が空いているところもありました。

【中古住宅の注意点】「性能」が住み心地を決める

「中古住宅でも見た目がキレイなところに住みたい」
「内装にリフォームが入っている家がいい」
中古住宅探し中の方で、内外装のきれいさやデザイン性を重視している方は多いと思います。



きれいな家で暮らすのは気持ち良いことですが、本当に住み心地を左右するのは「性能」。見た目がどれだけ整っていても、やたらと寒かったり、壁が薄くて騒音がひどかったりしたら暮らしにくいですよね。

特に寒冷地の北海道では、冬でも暖かくて光熱費を抑えられる「断熱性能の高い家」を選ぶことが大切です。

■中古住宅選びで盲点になりやすいポイントをチェック



【1】断熱性能
リフォーム済みでも、Nさんが購入した物件のように見た目だけのお化粧リフォームで寒いことは珍しくありません。

【2】水回り
「お風呂に水垢が残っていた」
「水道管が錆びており、水道水の味が変」
といった失敗があります。

【3】騒音
「壁が思った以上に薄くて、車が通る音や人の話し声が室内まで聞こえてくる」といった失敗もよくあります。

住む前に問題に気付き、リフォームをすることで快適に暮らしやすくなります。
中古住宅を選ぶ際には、不動産会社の担当者などに性能に関することもよく質問しておくと安心です。



また、安心して中古住宅を購入できるように、国も制度を作っています。

2018年4月からは、中古住宅を購入する際に『インスペクション(住宅現況調査)という制度がありますよ。専門家に検査を依頼しますか』という形で不動産業者がインスペクションをあっせんすることになっています。

まだ不十分な制度ではありますが、中古住宅の購入は性能をチェックする必要がある、と国も気がつき、安心して中古住宅を購入できる仕組みづくりが始まっています。

長く住むため断熱リフォームを決意



「寒さを解消しないと、長く住み続けるのは難しい」
Nさんは、家を暖かくする方法について調べ始め、当サイトで紹介していた河合さんの断熱リフォーム事例にたどりつきました。



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あったかハウス河合建築事務所のホームページなども確認して検討し、住んだままで、しかもフルリノベーションよりも数段安くできることなどから、Nさんは河合さんに希望を託すことに。
2019年晩秋、河合さんに家を見に来てもらい、翌2020年の春に工事を始めることになりました。

そもそも家が寒いのはなぜ?


在来木造構法の欠陥(新在来木造構法マニュアルから)


「暖房を止めたら、あっという間に室温が下がる」
「部屋の隅がひんやりとする」
その原因は、住宅の断熱・気密性能が低く、壁の中で冷気が床下から天井に向かって上昇しているからです。
外気で冷やされた壁に囲まれて暮らしているのですから、寒いに決まってますよね。

そこで必要なのが、河合さんが行っている「気流止め」という冷気の通り道をふさぐ工事です。

気流止めを行わなければ、床から天井へ向けて壁の中を冷気が上昇し続けるので、いくら壁の中に新しい断熱材を詰めようと、外壁を断熱性の高いものに変えようと、家は暖かくなりません。

【おさらい】

・家を暖かくするには、「気流止め」という工事が必須
・断熱材や外装材に手を加えるだけでは家は暖かくならない → 冷気が床下から天井に向かって壁の中を上昇しているため

断熱リフォームスタート!

それでは、「気流止め」の工程を見ていきます。
まず室内の壁を切って取り除きます。すると・・・



ぼっかりと隙間ができています。
下は床下。
ここが冷気の通り道です。

その空いたスペースに、透明のポリ袋に入ったグラスウール(断熱材)を詰め込みます。丁寧に行わなければ効果がなく、大変手間のかかる作業です。



きれいに収まりました。これで冷気の通り道が塞がりました!

こうした隙間は、家じゅうにまだまだたくさんあります。



こちらも、壁を取り除くと隙間がありました。グラスウールを詰めて、冷気の通り道をふさぎます。



このように一ヵ所一ヵ所時間をかけて、気流止めを施していきます。

外側からの気密化も大切



こちらは外壁を剥がしたあと、半透明オレンジの防湿・気密シートを貼っています。
この作業を気密化といいます。住宅の隙間をふさぎ、外気の影響を受けにくくするための作業です。
また、隙間が多いと、室内の湿気が壁の中などに流れ出て、壁の内側が結露し、木材が腐朽。住宅の老朽化を早めてしまいます。長く住み続けるためにも、気密化は欠かせません。



また、冒頭でお見せしたボロボロの外壁はすべて剥がし、新しく石こうボードと、その上から金属サイディングを貼りました。これで外壁の問題は解決。

そしてこちらは、職人さんが床下に断熱材を吹きつけている様子。
ホースのようなもので液体材を吹きつけると、パンが発酵して膨らむように発泡してウレタン断熱材になります。

見えないところをしっかりやってこそ、家は暖かくなります。河合さんは毎日のように現場に足を運び、正しく工事が進んでいるか、隅々までチェックしていたそうです。



「親身になって細かい部分までやってくれて、うれしかった」とNさんも喜びを語っています。

断熱リフォームを終えて

工事期間は、気流止め以外にも窓のサッシ交換(アルミ製→樹脂製)、外壁の張替えなども含めて、約2ヵ月でした。
また、リビングと隣接する個室を、壁を取り払って1つにするちょっとしたリフォームも行いました。



今年、Nさんは断熱リフォームをして初めての冬を迎えました。実感できるほどの変化があったそうで、
「リビングを広くしたのに、前より暖かいし、隅にいても全然平気」
「住んだままの断熱リフォームだけでこんなに暖かくなるんだね」
など、驚きながら教えてくれました。

まとめ

実は今回の断熱リフォーム、新型コロナで工事開始が遅れました。
緊急事態宣言の影響もあって、新しい着工時期はゴールデンウィーク明けと決まりましたが、河合さんが近隣住民にあいさつに行くと、緊急事態宣言かでリフォーム業者がその土地に出入りすることに難色を示す方もいました。
Nさんの立場を考え、河合さんは再延期を提案。結局工事は5月下旬に始まりました。

「ずいぶん長いこと断熱リフォームについてWeb検索していたけれど、河合さんのような断熱リフォームを行っている会社は見当たらなかった。頼んでよかった」
今年の冬は、暖かく過ごせたNさん。来年以降も心配は要らなそうです。

2021年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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