今回ご紹介する住宅のオーナーは、自宅でデザイン関係のお仕事をされているKさんです。設計・施工は帯広市のティーメイス(本間智代里社長)。快適なワークスペースを中心にプランニングされたご自宅にお邪魔しました。
K邸の家づくりの特徴
・開放感がありながら集中できるワークスペース
・造作で仕上げたオリジナルのキッチン、家具、ウォークインクローゼット
・スムーズな動線と無駄のない収納計画
外観は三角屋根に。モダンなスタイルに「かわいらしさ」をプラス
外壁には白いガルバリウム鋼板を採用しました。ポーチの内壁はホタテ貝殻を原料とした「ビオシェル」(岩倉化学工業)という塗り壁材で仕上げられています。コンクリート平板を使った外構もティーメイスによる施工です。
Kさん 外観デザインは三角屋根を選びました。家の外側も内側も、直線的でモダンなデザインを基調にほんの少しレトロというか、かわいらしいテイストを加えています。庭には暮らしながら手を加えていく予定で、植栽を照らすライトのための配線もしてもらいました。
写真左/ポーチライトや郵便受けはシンプルな形に。クールな印象をもつアイアンとあたたかみのある漆喰・木材という素材のコントラストも魅力的です。
写真右/地窓から安定した光が差し込む玄関。造作の姿見には空間を広く見せる効果も。
シューズクローク(写真左)の中には有孔ボードを張り、帽子やカギなどを掛けられるコーナーをつくりました。リビングドアはYKK AP社のガラス製ハイドア(写真右)。視界に奥行きが感じられます。
グリーンの似合うLDK&造作キッチン
LDKには内窓つきのワークスペースが併設されています。床はオークの無垢材です。
Kさん カラーは白を基調にしました。色を絞ったことで後から加える家具やグリーンの色が映える部屋になったと思います。ハンギングバーは、窓際の光がつくる葉影の表情も気に入っています。
「見た目重視で」とオーダーしたという造作キッチンは、薄いステンレスのワークトップとメラミンの化粧板で洗練されたデザインです。
食器棚も造作です。戸を閉めれば壁の一部のように部屋に溶け込みます。
Kさん キッチンと食器棚は完全におまかせでお願いしたのですが、必要な棚の数やサイズ感などを計算して提案していただき、物がすっきりと収まる形になりました。
自身で図面を作成したこだわりのワークスペース
新居を建てるうえで最もこだわったというワークスペースは、Kさん自身の手で作成した図面を基につくられました。寸法を細かく指定したデスクは作業がしやすく、配線が美しく収まるようにデザインされています。
落ち着きのあるブルーグレーのクロスで仕上げた室内。こぢんまりとして無駄なもののない「集中のためのスペース」でありながら、内窓によって閉塞感を感じさせない空間になっています。
健康維持のため、仕事中は30分おきに席を立つようにしているというKさん。LDKの隣にはトレーニングと気分転換ができるフリースペースを設けました。来客時には客室として使用することも想定しています。
ショップのようなウォークインクローゼットで収納も楽しみに
洗面・脱衣室は造作の洗面台と棚でシンプルに仕上げられています。左側のタオル収納は可動棚に市販のハンギングバスケットを組み合わせたものです。
寝室からウォークインクローゼットと洗面・脱衣室を通って浴室へ。直線の動線で朝の支度もスムーズです。
クローゼットは有孔ボードや可動棚を組み合わせ、戸(写真左手前)には鏡をつけてセレクトショップのような空間に。気に入ったものをディスプレイする楽しみも味わえそうです。
寝室には、上部に直射光を遮るカバーのついた遮光ロールスクリーン「ラルクシールド」(タチカワブラインド)を採用。落ち着いた色のクロスと柔らかな間接照明で、就寝前を穏やかに過ごせる空間になっています。
写真左/室内のあちこちを彩るグリーン。照明のスイッチはインテリアにマッチしたタンブラスイッチを選びました。
写真右/ヘリンボーン柄のフロアタイルがアクセントになっているトイレ。ペーパーを入れるニッチ収納もおしゃれです。
仕事も生活も「モチベーションを上げてくれる」家に
家づくりについてのお話を伺いました。
Q シンプルで暮らしやすそうな間取りですね
A ワークスペースや寝室は用途を限定し、必要最小限の面積にしました。収納もあちこちにつくり過ぎず、今ある物を収納するのに必要なスペースを設計してもらった結果、無駄がなく暮らしやすい家になったと思います。
Q なんといってもワークスペースが魅力的です
A 使いやすさと見た目、どちらも満足しています。リビングと内窓でつながっているので、時々視線を移動させて気分転換できるのもいいですね。
Q 打ち合わせについてお聞かせください
A 仕事柄、「かっこいい」というような言葉では正確にイメージが伝わらないことを知っているので、イメージボードを作成して初期段階でお渡ししました。資料を打ち合わせの前にお送りして目を通してもらうことで、スムーズな話し合いができたように思います。
Q 暮らし心地はいかがですか
A とても満足しています。以前住んでいたアパートでは、仕事の多忙さに生活が埋もれてしまうこともありました。今はワークスペースも快適ですし、気に入った家で暮らすという喜びが生活を彩ってくれているのを感じます。仕事や生活のモチベーションを上げてくれる家になりました。
【建築概要】
1階床面積 | 71.32平方メートル(21.57坪) |
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延床面積 | 71.32平方メートル(21.57坪) |
構造・工法 | 木造(ハイブリッド金物工法) |
断熱(壁) | 高密度グラスウール(サン) 105t
押出法ポリスチレンフォーム3種 30t |
断熱(天井) | 吹込用グラスウール 18K相当 400t |
断熱(基礎) | 内部 押出法ポリスチレンフォーム2種(スタイロフォームB2) 40t 外部 押出法ポリスチレンフォーム3種(スタイロエースⅡ) 75t |
断熱(窓) | YKK AP APW 430 |
換気 | 第1種換気システム |
暖房 | エコフィール 温水セントラルヒーティング(床下パネルヒーター) |
写真 Commercial Photo / Movie SWITCH
2025年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。