今回は札幌を飛び出して、十勝・音更町で取材しました。
札幌出身のNさんは仕事の都合で音更町に転勤、そこで家づくりを決意します。白田さんに設計と施工監理を依頼してからわずか8ヵ月で完成したマイホーム。駆け足の日々を少しふり返っていただきました。
限られた時間で充実した住まいを
Nさんは「『これっ』と思ったら譲らず、いろんなことを考えついて試したくなる」という直感的こだわりタイプ。
お父様が学者であることも影響してか、地中熱ヒートポンプやエコキュートなどのエコ機器も1度興味が出ると、自分なりに調べ上げ、採用したいと思うようになりました。ただ、問題になるのは導入費用。
地中熱ヒートポンプを導入するには数百万円単位のお金が必要ですが、国の補助金制度を利用することでかなり負担を軽くできます。
しかし、これには「今年6月末までに完成していること」という条件がありました。白田さんに設計依頼をしてから8ヵ月後です。限られた時間でしたが、「後悔はしたくなかった」とNさん。
「何を選ぶと、どれくらい高くなるのか分からないし、自分の思いつきの要望が無理なお願いかどうかもわからない素人でしたが、白田さんは住宅会社と私たちの間に入って的確に対応していただきました」とNさんは言います。
夫婦それぞれのこだわり
奥さまはキッチン回りと収納にこだわりました。
「初めは何通りか用意されているプランの中から選ぶものだと思っていた」そうです。
しかし、白田さんの話を聞き、自由に選んでいいことを知りました。白田さんと住宅会社との打ち合わせを重ね、メーカーやレイアウトをじっくり吟味しながら、便利に開放的に、でもプライバシーも確保する理想的なプランをつくり上げることができました。
たとえば玄関正面の壁を設計変更してドアを付け、買い物から帰るとキッチン横の食品庫に直行できるようにしました。
また、メモを貼るボードやFAX電話機など、キッチン近くに置いておきたいこまごましたものをリビングから目立たないよう、柱を利用した壁を作って隠しました。
寝室のウォークインクローゼットは、何を収納するか自分でスペースを計算し、ハンガーを2段に変更するなど収納力を強化しました。
一方でNさんは、工事が進んでいる中「間接照明って落ち着きますよね~。ウチもできますか」と白田さんに尋ねたことがあります。さっそく白田さんは設計変更に応じてリビングを間接照明で仕上げました。
勤め先の出社時間が昼過ぎと遅く帰宅時間も夜中になるので、朝遅く起きてシャワーを浴びることがあります。そのため、来客がいるときでも気づかれずに2階とバスルームを行き来できます、遊びに来た友達からは「どうやって2階に上がるの?」と聞かれることもあるそうです。
難航した外観の色選び
意外と難航したのが外装材の素材や外観色選び。外観の色は家の印象を大きく左右するものだけにお互いの主張は譲れず平行線状態。
Nさんは青系統の色が好きで、奥さまはグリーンやブラウン系のアースカラーが好き。
Nさんは白田さんが提示した何パターンかの外壁色を見て青色を選びます。しかし、奥さまは今ひとつイメージが湧きません。
車で住宅地を走った時に奥さまは、青い外観の住宅を指さして「暖かい印象の家にしたい。青は冷たい印象が強いからイヤ」と猛反対。なかなか決まらなかったそうです。白田さんに何パターンもの組み合わせを作ってもらい、毎晩のように眺めていたとか。
Nさんはというと、青。オレンジ、グリーンと3種類のカラーサンプルを夕日に当て、「これだ!」と1人でニンマリしていました。
「完成した住宅を見て納得できました。屋根の色を含めた全体の色のバランスが良かったからかも」と奥さま。
暮らしてみて良さを実感
「ダイニングからリビングを見ると落ち着きます。自分好みのカラーにしてもらいましたし、動線が考えられていて過ごしやすいです」と奥さま。
Nさんは、「子どもと散歩して家に戻ってくるのが楽しみ」と言います。夕日での見え具合まで外観色をチェックしただけに、わが家を外から眺めるのは気持ちいいことでしょう。
十勝の夏は札幌以上に暑いこともありますが、Nさんは「夏でも家の中が涼しい」と驚いています。
窓に電動オーニングを付けるなど、暑さ対策をしたこと、地中熱ヒートポンプの冷房が想像よりはるかに効き、外断熱にしたことでの気密性の向上が大きく貢献しているようです。
記者の一言
取材に伺ったのは残暑厳しい8月下旬。でも、Nさんの住宅を見ると汗も吹き飛ぶ爽やかさ。涼しげな青のツートンカラーにシルバーの屋根がオシャレです。「これから庭を造るのが楽しみ」と言っていたNさんの嬉しそうな顔が印象的でした。
2009年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。