Story 取材記事

中庭のある明るい家で省エネ・快適な4世代同居 札幌市・Sさん

おじいちゃん、おばあちゃんたちとふれあう時間がきっと子供たちの財産になる―そんな思いから、ご夫婦と2人のお子さん、奥様のご両親と父方のおばあさん、お姉さんとその息子さんの4世代9人が一緒に暮らすための家づくりに踏み切ったSさん。
建築家の白田智樹さん(白田建築事務所)との二人三脚で敷地の制約や予算の壁を乗り越えて、家族みんながゆったり快適に過ごせる広くて明るいマイホームを実現しました。

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「おばあちゃんが暮らす1階を日当たり良く」

黒とシルバーのガルバリウム鋼板を張り分けたモダンな3階建ての家。市街地なので間口が小さく、真正面から見るとコンパクトですが、かなり奥行きがあります。形も長方形ではなく、南面に採光のための中庭を設け、それを取り囲むように居室や水廻りを配したコの字型です。
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奥まで採光できるコの字型の建物

 このちょっと個性的な住まいのカタチ、南東側に古い住宅がある細長い敷地に建ぺい率の範囲内で可能な限り大きな建物を建て、なおかつ日当たりを良くしたい、というSさんの希望をふまえた白田さんのアイディア。中庭があるおかげで高齢のおばあさんが住む1階が日陰にならず、冬でも日差しが差し込む暖かい空間になりました。
140531shirota_4988_CC.jpg 「それぞれに個室が必要だから『敷地いっぱいに建てる』という部分だけは譲れなかった」というSさん。「よくある四角い家だと1階に日が入らなくなってしまう」とも。オーナーであるご主人の代わりに取材に立ち会ってくれたお姉さんも「前の家は『暗い、狭い、寒い』。せっかく建てるんだから広くて暖かい家じゃないとね」。
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2Fキッチンは、奥が回廊式の食品庫でとても便利

外張り断熱工法を採用し、暖房は灯油ボイラーの全室床暖房。また、夏冬の外気温の空気をそのまま採り入れるのではなく、年中安定した温度の地中で冬は暖め、逆に夏は冷やしながら給気する省エネ手法を採用しています。
「真冬でも半袖でいいほどの暖かさです(Sさん)」。お姉さんは以前の家で使っていた羽毛布団と毛布を全て処分してしまったとか。それくらい暖めても、2月の灯油代は給湯・暖房込みで1世帯あたり2万円程度。同席した白田さんから「夏は窓を閉めて換気システムの風量を上げると、地中で冷やされた空気が室内に入って涼しく過ごせます」とアドバイスがありました。

また、ポーチに設置した融雪槽は、換気排熱の暖かい空気を利用することでランニングコストはゼロ。
冬季間の雪処理も苦になりません。

住む人の立場に立った白田さんの提案

「白田さんにお願いする前にハウスメーカーを何社かまわった」というSさんですが「どの会社も要望を満たさないプランなのに、予算オーバーでした」。困り果てていた時、お姉さんの上司から「 ウチの設計・・・札幌良い住宅の記事参照 をお願いした白田さんに会ってみたら」とすすめられました。
「実際にご自宅を拝見し、やっぱり建築家の方が造る家は違うと思いました。まず柱や梁を見せたデザインがオシャレ。玄関と一体化したリビングなのに全く寒さを感じないことにも驚かされました」とお姉さん。
住む人の立場に立って対応してくれる白田さんの姿勢も心に響きました。「敷地をフルに使ったプランを提案してくれたのは白田さんだけ。どんな要望にも最初から出来ないとは言いませんでした(Sさん)」。
140531shirota_5017_CC_2.jpg子供たちも白田さん宅で採れた木イチゴをご馳走になって以来、大の仲良しです。

ローコストでお洒落なインテリア

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柱や梁がそのまま見え、ナチュラルな雰囲気

Sさん世帯が暮らすスペースはこの家で1番眺めのいい3階。コストを抑えるため、内装は構造材を表しにしたシンプルなデザインに。壁はOSB合板をそのまま内装材として生かし、アイボリーのペンキでペイントしました。塗り壁のような質感が表しの柱と絶妙にマッチしています。キッチンの予算は抑え気味にして、カウンター収納などは一部造作してもらいましたが、「とても丁寧に作ってもらいました」と満足そうなSさん。
ご両親とお姉さん親子が暮らす2階は家族全員が集まって食事をすることが多く、大きな座卓が置けるよう広いリビングを造りました。「家族の時間が増えたみたい。これからの季節は中庭でジンギスカン!」。楽しい夏になりそうですね。

記者の目

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柱間を利用した"突っ張りポール"収納など、アイディアいっぱいのお姉さんの部屋

「住んでからお金のかからない家にしたかった」というSさん。ペンキ塗りのOSB合板の壁は汚れても補修が簡単で画鋲の跡も気になりません。柱間を利用した「見せる収納」を楽しめるのもS邸の魅力。柱に残る背くらべのあとがノスタルジーを感じさせます。住む人の手でどんどん味わいを増していく住まい。10年後の姿を見てみたい気がします。

2014年06月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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