Column いえズーム コラム

絵本のプロ推奨!~「家」がテーマのおすすめ絵本~

「北海道の絵本もたくさんありますよ」と青田さん。店内の絵本はなんと2500冊!


「北海道の絵本もたくさんありますよ」と青田さん。店内の絵本はなんと2500冊!

『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン/石井桃子訳(岩波書店)


『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン/石井桃子訳(岩波書店)

『きょうはなんのひ?』瀬田貞二 文/林 明子 絵(福音館書店)


『きょうはなんのひ?』瀬田貞二 文/林 明子 絵(福音館書店)

『おねえさんになるひ』ローレンス・アンホルト 文/キャサリン・アンホルト 絵/吉上恭太 訳(徳間書店)


『おねえさんになるひ』ローレンス・アンホルト 文/キャサリン・アンホルト 絵/吉上恭太 訳(徳間書店)

『きょうはなんのひ?』の一場面。子どものメッセージカードを読んでいるママ


『きょうはなんのひ?』の一場面。子どものメッセージカードを読んでいるママ

ママが手紙をたどって家を探検。住まいの様子がていねいに描かれています


ママが手紙をたどって家を探検。住まいの様子がていねいに描かれています

とうとう会社のパパまで巻き込まれた!この後、家族に素敵なことが・・・♪


とうとう会社のパパまで巻き込まれた!この後、家族に素敵なことが・・・♪

餅は餅屋、絵本は絵本屋さんに聞いてみよう!

―「札幌良い住宅.jp」を見ている方のために、おすすめの絵本はありませんか?

こんな私の質問に、快く応じてくださったのが札幌市手稲区にある「ちいさなえほんや ひだまり」の青田正徳さん。この道ひと筋33年、絵本の目利きとして各地の講演やテレビ・ラジオ出演もしています(実際、お話を聞いている間にも電話でラジオに出ていました)。お店ではさまざまなイベントも催していて、10月には「世界をつなく子どもの本展」の札幌会場として約200冊の国際色豊かな絵本が並べられ、たくさんの人が訪れていました。


「家って、母親なんですよね」~バージニア・リー・バートン『ちいさいおうち』

――さて、青田さん。家でまず連想する絵本といえば、『ちいさいおうち』ですよね。
「はい。1940年代のアメリカを舞台に、家の周りで変わる環境、そして家の引っ越しを通して、人にとって本当の豊かさとは何かを考えさせてくれる本です。
家を代名詞で表すときは"She"を使いますよね。だから、これは"お母さん"のことなんですよ」。

――つまり、家=お母さんということ?
「そう、母親は"包み込む"というイメージがあるでしょう?それが"おうち"と重なるんです。表紙を見てください。窓が目になっていて、ドアが鼻、そして口もあってと、そこに笑顔の"お母さん"がいる。これが、場面によって泣いたり、また微笑んだりもしているのです。家はやはり"安らぎやぬくもりのある場所"。これから家を建てる人には考えさせられる絵本ではないでしょうか」


「こんな家に住みたいなと思わせてくれる」~瀬田貞二 文/林 明子 絵『きょうはなんのひ?』

――『ちいさいおうち』は約60年前。この『きょうはなんのひ?』も、30年以上前の絵本ですね。
「良い本に年代は関係ないとボクは思っています。逆に、いま流行しても店に置かない絵本もある。人間的なぬくもりが感じられないものや、毒にも薬にもならないものは心の栄養になりません」

――本の良しあしに古さは関係ないということですね、それではこの絵本について、どうぞ。
「両親の10回目の結婚記念日に、女の子が10枚のカードを家のあちこちに隠してお母さんに探してもらいます。親子の心温まる話の中に"こんな家に住みたいな"と思わせる場面が各ページに出てきますよ」

――家の中にあるすべてが描かれているみたいですね。それも生活感がたっぷり!
「普通の家だけれど、フフッ、ここを(ページを指して)見てください。ちょっと高級な和風家具が置いてあったりして」

――本当だ。実家から譲り受けたんでしょうかね。ママが女の子のメッセージカードをたどっていくストーリーも楽しいけど、家の中の細かいところも、いろんな発見があるし参考になりそう。
「この話のラストにはね、おもしろいオチがあるんですよ」
――おっと!ここは秘密にしておきましょう(笑)。

「お兄ちゃん、お姉ちゃんに読ませたい」ローレンス・アンホルト 文/キャサリン・アンホルト 絵『おねえさんになるひ』

――こちらは、イギリスの絵本ですね。
「アメリカと日本、イギリスの3カ国でそろえてみました(笑)。ほら、家の様式も違うでしょう?」
――なるほど。そういう意味で比べてみるのもいいですね。
「この絵本はね、ボクが親御さんから『2人目が産まれたとき、上の子にどうしたらいいですか』と聞かれたときに勧めるんです。
赤ちゃんを心待ちにしていたのに、お姉ちゃんになってみると毎日がつらい女の子。でも、しっかりとお父さんが抱き止めてくれます」

――そこにお父さんの役割があるわけですね。
「子どもは、本当に思っていることを受け止めてくれる身近な人がいれば、ハッピーなんですよ。それに、この絵本にも家の中の様子と暮らしぶりがきっちりと描かれています」

「家っていいな」ということは、「家族っていいな」と実感できることかもしれませんね。

青田さんの「ちいさなえほんや ひだまり」
は基本的に金~日曜の営業ですが、「こんな感じの絵本ありますか?」
といった質問でも、青田さんがサッといくつかの絵本を選んでくれます。
まさに絵本のソムリエ!そして店内は立ち読み、座り読み、居座り自由(笑)。
電話やFAXでの注文は3000円以上であれば送料無料、それ以下でもメール便で応じてくれるそうですよ。

ちいさなえほんや ひだまりプロジェクト
http://blogs.yahoo.co.jp/ehonnomotyadaisukida
・WEBマガジン「Fil(フィル)」青田さんインタビュー
http://www.fil-sapporo.com/fil/people18.html


2011年11月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。