Column いえズーム コラム

『ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた』ことを嘆く論調に、逆に違和感を感じた理由。

栗林慧先生の写真は、少年だった私に昆虫目線を、ロマンを与えてくれました。


栗林慧先生の写真は、少年だった私に昆虫目線を、ロマンを与えてくれました。

『ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた』の話題。一時期(2014年11月27日yahoonews掲載)広まりましたよね。私はとっさにいくつかのことが脳裏をよぎり、逆に何も書けませんでした。

多くの皆さんの論調だった『昆虫気持ち悪がりクレーム出した親はバカ!』の論調には否定はしないものの大賛成って感じではありませんでしたのでこの論調に乗れませんでした。

なぜ、ジャポニカ学習帳の昆虫はちょっとキモいと感じるのか
なぜかというと、私は子どもの頃、昆虫少年でして、部屋は虫かごだらけ、昆虫屋さんや林に通うのが大好きで、昆虫写真家の栗林さとしさんにファンレターを出すほど昆虫が大好きでしたが、ジャポニカ学習帳にはほとんど興味がなく、むしろ少しだけキモい?って思っていたからです。そういう人、私だけかも知れませんが。

理由は上手く説明できるか微妙ですが。私は生きている虫は好きだけど、標本的な、死んだ虫はちょっと嫌いです。箱に何十匹もの虫がピンに刺さってコレクションされているのは嫌でした。栗林慧さんの写真はトノサマバッタの目線で草原を見たりといった、虫のドラマが脳裏に沸き上がってくる写真でした。カブトムシがどんな風に羽ばたいているのか、葉っぱの影で雨やどりをする蝶の様子などがわかる写真に子どもなりにロマンを感じて何時間でも写真を眺め、昆虫採集に行きたくなりました。

一方、ジャポニカ学習帳の方はどちらかというと生々しいけどロマンはそれほど。昆虫に魅了されるパワーは現物にはかなわないし、昆虫世界に連れて行ってくれる新たな発見も栗林慧さんの写真にもかなわない感じがしました。ジャポニカ学習帳はどちらかというと標本的に感じたのです。

『ジャポニカ学習帳から昆虫が消えた』ことを嘆く論調が噴出した理由...。
だから今さらジャポニカ学習帳の昆虫シリーズが、子供たちと自然をつなぐ大事なモノだったと嘆きに嘆いているfacebook投稿がやけに多かったことにはちょっと違和感を感じました。yahooニュースにも取り上げられ、大ブレイクしか感じでした。そんなにあなたたちジャポニカ学習帳ファンだった?買い支えてた?ジャポニカ学習帳にワクワクして昆虫採集に行ってた?あの写真が子どもに見せたい最高の昆虫写真だった?

僕は子供心に、ジャポニカ学習帳の昆虫シリーズの写真はいまいちだと思ってた。キモいとは云わないが、昆虫のロマンを表現しきれていないと思うのです。カブトムシが木に捕まっているだけ、にしか私には見えなかった。樹液で他の昆虫と対峙しているでもなく、飛翔前の決定的瞬間でもなく、カブトムシが最高にカッコいい場面はそこじゃないだろうという思いです。なかには凄いショットもありましたが、どちらかというと、ストーリーより生々しさを追求する感じの写真です。ここら辺は好みの問題かもしれませんが。ジャポニカ学習帳の写真にもっとすげー昆虫のロマンがあれば、昆虫シリーズを買い支えてた人はもっと多くて、企業も多少のクレームがあっても、廃止にはしない、あるいは子供向けに限らず、あるいは国内に限らず販売を伸ばせたかもと思うのです。発行元は児童ノートに昆虫の表紙をすることにそんなに熱い使命感のようなモノを持っていたんだろうか?もし持っていたのなら多少のクレームで廃止にするだろうか?もっと凄い昆虫写真を掲載しようと、専属カメラマン以外にも写真家を起用していたのではないか?

虫の写真にもいろいろある!
虫です。アップにしただけでは気持ち悪がる人がいて当たり前じゃないですか?そこは昆虫初心者があらステキって思える雰囲気の写真を選んでも良くないですか?昆虫写真も写真家によって物凄く違うのでジャポニカ学習帳の昆虫写真vsモンスターペアレントの単純な対立構図にしないで欲しかった。
あくまで個人的な偏った意見ですいません。ジャポニカ学習帳関係者や、廃止をネットで批判していた人をディスりたいわけではないです。むしろそんなに昆虫が好きなら一緒にもっと理想の昆虫写真を紹介し一緒に広めたいって思うくらいです。そんなに昆虫写真を愛する人がホントにいるのか?とも思いますが。

どっちかというと、昨今のモンスターペアレント的なのに対して、嫌味の1つでもいってやりたい、子どもが自然に親しまずゲームばっかりやってるのに対し嘆きたいというのがまず先に念頭にあって、たまたまジャポニカ学習帳の昆虫シリーズの話がタイムラインに流れてきたもんだから、正直昆虫写真やジャポニカ学習帳のことなんて普段全然考えてないけど、この筋と自分の思いを組み合わせればうまいこと筋の通った見解を言えるなあ、みたいな人がいたんじゃないかなと思う次第です。

ジャポニカ学習帳の昆虫シリーズが、もっとすげーロマンのある昆虫写真になって、復活ではなく新たに誕生してくれるなら嬉しいな。

参考 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141127-00010002-withnews-soci

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