暑いと食べたくなるアレ
「ちょっ!誰やねん!北海道の夏は涼しくて爽やか言うたんは・・・。」
今年の4月に、奈良県から札幌市に引っ越してきた私(ライターたかみや)の心の声です。
7月に入ってから、暑い日が続いていますね。しかも、北の大地にイメージしていたカラっとした空気はなく、ジメジメモワモワする暑さ。
ただ、とてつもなく厳しい奈良盆地の夏に免疫があるためか、札幌のこの暑さはまだまだ耐えられます。が、やはり30℃超が続くと、自然と体がアレを欲するわけです。
そう、「かき氷」です。
暑い奈良には、かき氷屋さんが多い。そして、氷の削り方や自家製シロップなど、趣向を凝らした個性的なかき氷をウリにしているお店ともなると、行列必至です。(実は、奈良は"氷の聖地"とも呼ばれているんです)
ふわふわエスプーマのかき氷 @奈良の大人気店「ほうせき箱」
もちろん、並ばずに、気軽に立ち寄れるお店もあちこちにあります。
ランニング中の休憩かき氷 @奈良公園にある「水谷茶屋」
(私の視線の先には、野生の鹿がトコトコ歩いています)
こんな感じで(?)、かき氷の食べ歩きが夏の楽しみの一つだったので、さっそく札幌でも、かき氷を求めて行って参りました。
恐る恐るビルの地下へ進むと・・・、そこには熱い「かき氷」ファンたちが!
ネットでも評判の「氷処 さゆり」に行ってみました。
地下鉄 大通駅1番出口直結の「昭和ビル」の地下2階にあります。
サラっと書いていますが、かき氷屋さんがある場所にしては、なかなかディープです。
大通りに面している路面には「ボーネルンド」がありますが、地下1階に下りると、雰囲気が激変!のんべい横丁とか、東京の新橋の飲み屋街を彷彿とさせる昭和の時代の香りがプンプン!年季の入った廊下を囲むように居酒屋がみっしり集まっており、ランチタイムのサラリーマンの姿がちらほら。
想定外の異空間に軽くワクワクしつつも、本当にここに「氷処 さゆり」があるのか不安に。
でも、「CAI02」という看板(写真、光ってしまった)の下にある階段を下りたところに、ちゃんと「氷処 さゆり」はありました。細かく言うと、「CAI02」というギャラリー/カフェで、「氷処 さゆり」のかき氷が食べられるということらしく、
▼かき氷のみ注文 ⇒ テイクアウト
▼かき氷+ドリンクや軽食を注文 ⇒ 店内でいただける
というスタイルのようです。
(かき氷とドリンクを注文すると、ドリンクは200円引き/アルコールは対象外)
私が訪れたのは、平日、オープン12:00の5分ほど前。
この階段を下りてみると、既に7名ものお客さんが並んでおり、その後も客足は途絶えず。
1日70~80人ほどで、その日の分が売り切れるそうで、なんとなんと、このディープな空間にかき氷を求めて人々が集まって来ていたんですね。
ん?もしかして、かなり美味しいかも!
お店は10席ほどのカウンターのみ。店名の"さゆりさん"ご本人が、お一人でかき氷を作るので、12時に入店して、かき氷が出てきたのが12時半頃。少し時間がかかりますが、店内Wi-Fiも使えるので、スマホを見たりしながら、ゆったり過ごせます。
この日は、「いちごミルク」と同じ値段で、メニューには書いていない「白桃ミルク」もできます、とのこと。
「白桃ミルク」は、隣席の女性が注文していましたが、たっぷりの練乳らしきシロップの頂上に、小さめに刻まれた白桃の果肉ソースが乗っていました。今が旬の白桃がキラキラ輝いておる!間違いないヤツだ!
また、そのお連れの方が注文していた「ティラミス」は、ココアパウダーで覆われたマウンテン型のティラミスかき氷。「美味しい」と唸りながら召し上がっていたので、めっちゃ気になります。
どのメニューも気になって迷いますが、初めてのお店だったので、スタンダードな「いちごミルク」(580円)を注文してみました。
じゃん。
なんてフォトジェニックな、かき氷でしょう。
一口目の感想は、大変月並みで申し訳ございませんが、
「美味しい!!!!」
(一人だったので言葉に出せず、目を見開きリアクションしました)
いちごシロップは、酸味がたまらなく爽やか。ジャムのような甘トロ味があり、氷とシロップがしっかりフィットします。
そして、練乳は、サラっとしているのにコクがあり、口の中で、いちごの酸味と練乳の甘味が絶妙なコラボを繰り広げます。
氷は、やわらかいけど、程良いシャリシャリ感があります。
粉雪タイプのように口に入れてすぐ溶けるのではなく、氷のサクサクした歯ごたえを楽しんでいるうちに、シロップのウマ味が口に広がる感じです。
「味が薄かったら言ってください」とおっしゃっていましたが、しっかり中までシロップが染み込んで、最後まで味が薄くなることがなく、いや、それどころか、最後の方は、練乳といちごシロップの境界線がなくなり、トロトロのいちごミルクを味わうことができました。
見た目のインパクトに劣らず、お味もサイコーで、コスパ的にも大満足でした。
この笑顔、かき氷の天使です
店主の及川さゆりさん。
練乳もフルーツシロップも全て、保存料や着色料を使わず、お一人で手作りされているとのこと。氷や、その削り方にも、こだわりを持たれていることでしょう。
なんと、奈良にかき氷屋巡りに行かれたこともあるそう。中島公園駅の近くでお友だちがやっていらっしゃる「きじや」というかき氷屋さんも紹介して下さり、かき氷への愛情がひしひしと伝わってきました。
何より、このキュートな笑顔、キュンと来ますね。
さゆりさんの作ったかき氷が食べたくて、また、あのディープな地下に足を運んでしまいそうです。
もっとブームになれ!札幌の「かき氷」
ところで。
それにしても、ですよ?
スイーツ王国・北海道。日本5大都市・札幌。
かき氷屋さん、少なくないですか?!
札幌の方に聞いてみると、「道産子の夏は、やっぱりアイスクリームとパフェ」「かき氷を食べるほど暑くない」など、何となく、かき氷とは距離がある様子。
でもですね。気象情報を活用した販売促進計画(ウェザーマーチャンダイジング)によると、30℃を超えるとアイスよりもかき氷が売れ始めるのだとか。
ええ、気になって調べてみました。
今年、7月に入ってから札幌で30℃を超えた日数は、17日の時点で「7日間」もありました。ちなみに、過去4年を見ると、30℃を超えた日は、最大で5日。今年は、まだ7月の半ばだというのに、かき氷日和が7日もあったことになります。こんなに暑い日が多いと、もう、アイスよりもかき氷、食べたくなっているハズですよね?かき氷、食べましょうよ!
札幌の皆さんに聞くと、「ここ数年、北海道の夏の暑さの質が変わってきている(暑くなってきている)」という声、多数。特に今年は暑い日が多いですし、「氷処 さゆり」を見ても、かき氷需要はあるわけですし。「氷処 さゆり」を始めとするかき氷屋さんが、けん引して、今後、札幌でも、かき氷屋さんが増えてくるのではないかと予測しています。(希望とも言います)。
いや、待てよ。
ここは、スープカーレーやジンギスカンなど、独自の食文化も築かれている食王国・北海道。本州でブームのかき氷を、そのまま流行らせる。なんてことはしないかもしれない。
アイスと氷の凄いコラボ?札幌でしか食べられないサマースイーツ?ふふふ、何か新しいものが誕生するかもしれないぞ!
そんな、しょうもないことを考えながら、短い夏を満喫するためにも、次は、どこのかき氷屋さんに行こうかなと、ウキウキしています。
2017年07月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。