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キーワードは「すっきり」。29坪家族5人の平屋建て 東神楽町Y邸


大きな公園の目の前にあるY邸は、ご夫婦と6歳、4歳、1歳のお子さんの5人家族です。子どもたちが巣立った後を見据えて希望した平屋建ての住宅は、延床面積29坪を有効活用した開放感のある造りが魅力。オーナーのY夫婦と、昭和木材の設計担当の藤井洋子さん、工事担当の髙野哲也さんにお話しを伺いました。

新居を構える前は旭川市でアパート暮らしをしていたYさん一家。ご主人の地元である東神楽町は子育て環境が整っており、土地を探していたものの、なかなか見つからずにいたそうです。そんな時に宅地造成中の土地を見つけ、問合せたことが昭和木材との出合いになりました。

「昭和木材さんの家なら大丈夫」 地元からの信頼の厚さを実感



ご主人 地元では有名な会社ですから、昭和木材さんのことは知っていました。仕事でお世話になっている方々に家づくりのことをお話しすると、みなさん口を揃えて「昭和木材さんの家なら、しっかりしているから間違いない」とおっしゃる。土地からのご縁でしたが、マイホーム建設をお願いするにあたって不安はありませんでした。

奥さま 設計をスタートする際にお願いしたのは、日当たりが良い平屋建てであること、すっきり片付いたシンプルな生活ができることでした。いずれ子どもたちは家を出ていきますし、ご年配の知り合いからは、2階の部屋は使わなくなると聞いていたので、夫婦の将来を考えた造りを希望しました。

職場に近い「土地」を希望したご主人と、暮らし方のイメージを描いた奥さま。そんな役割分担で始まった家づくりは、どんな完成を迎えたのでしょうか。

「隠す」設計と片付けやすい動線で、整頓された生活を実現



設計担当:藤井さん Yさん夫婦は、シンプルですっきりとした生活をご希望されていたので、特にLDKは明るい開放感と軽やかな設計を心がけました。お客さまがお手洗いを使う時に洗濯物を干すユーティリティーが見えないよう洗面台を独立させたり、来客時にトイレや洗面台を使っていただいても生活感のあるスペースが見えないように扉を付けたり。配置や角度の条件的に難しかった壁の位置を微調整して、LDKから洗面所の気配が見えないように設計しています。



奥さま 玄関と室内を仕切る壁に取り付けた小窓とニッチは、藤井さんからのご提案です。おかげで、壁の両面にかわいらしいアクセントと明るさが生まれ、とても気に入っています。また、玄関の床暖ヒーターの電源は壁のニッチに取り付けるケースが多いと思いますが、電源スイッチのオンオフは冬の間に一度だけ。ですから、表からは見えないシューズクロークの中に電源スイッチを取り付けていただきました。

ご家族やお客さまの動線や設備の使い方まで一つひとつを検証しながら、Y邸の設計は進みました。



例えば玄関も、壁の仕切りによってLDKの様子が見えないようになっています。壁の明かり取りが効果的です。



リビングの天井高は3.2m。その分、開口部を大きく取っています。家族が自然と集まるように、リビングの心地よさを重視しました。

永山のモデルハウスを参考に、窓下に取り付ける予定だった暖房機は床下収納を採用。スッキリとした空間が広がっています。



キッチンはタカラスタンダードを採用。大容量の収納を確保しているので、電子レンジ以外は、すべて棚の中に収まっています。お米は鍋で炊くので、炊飯ジャーも無く、スッキリとしています。



食品庫は冷蔵庫の向かいにあり、調理中も食材ストックが取り出しやすい配置です。



LDKの左奥には子ども部屋や洗面所があります。プライベートな空間がLDKから見えないように、壁の位置を吟味。Wi-Fiのコードなども収納棚の中に隠せるようにコンセント位置を工夫しました。



マグネット収納に惹かれた洗面ホーローパネルはタカラスタンダード製です。壁面に貼り付けるように歯ブラシなどを浮かせて収納できる掃除のしやすさが魅力。また、洗面台横の収納扉に姿見の鏡を造作するなど、「面」に機能性が盛り込まれています。



カフェテイストのお手洗いは、お子さんの工作がかわいらしいワンポイントに。また、右側の壁にはトイレットペーパーなどが入れられる収納棚が設置されています。トイレの照明だけ、ダウンライトではなくペンダントライトを選びました。お手洗いの仕上がりは、奥さまと藤井さんのお気に入りだそう。

奥さま トイレの扉を開けた時に、通常の位置だと丸見えになってしまう止水栓や電源の位置を、見えないように変更できないか藤井さんに相談しました。

設計担当:藤井さん 位置を変えた経験がなかったのでメーカーに問い合わせたところ、変更可能だとの回答が。ご希望を伝えてくださったおかげで見た目も美しく仕上がりましたし、私も勉強になりました。


エピソードを教えてくださるおふたりのやりとりに、協力しながらプランを完成させた様子がにじみます。



洗面室・トイレ・ユーティリティーはひとかたまりに。来客時には、洗濯物を干すユーティリティー側を引き戸で隠せるようにしています。

2部屋にすることを想定した子ども部屋と、収納たっぷりの主寝室



将来は壁で仕切ることを想定した子ども部屋。おもちゃは、この部屋に片付けるのがルールです。



主寝室は壁全面に収納を造作。プライバシーに配慮した窓の配置で落ち着く空間です。

子どもたちが、片付けしやすい工夫をちりばめて



玄関とLDKの間にある収納は、帰宅時に子どもたちが、かばんや上着を片付けるスペースになっています。マイBOXに自分の物をしまう仕組みなので、片付けの習慣も身に付きそうです。出し入れしやすいように、ロールスクリーンを採用しました。



リビング奥には、ロールスクリーンで仕切れば客室になる予備室をつくりました。吊り収納が限られた空間を広く見せると同時に、限られたスペースでも収納下を活用して布団を敷けるようにしています。



工事担当:高野さん 吊り収納の右下にある明かり取りの木枠などは、旭川工場で、細く薄く加工しています。窓を囲む木の厚みを薄くするほどスッキリと軽やかなデザインに見えますが、その反面、薄い木を使うと木材が反る心配があるため、見えない土台に厚みを残し、見える部分だけ薄くしています。

隠れた部分に施された丁寧な仕事に、老舗総合木材会社である昭和木材の誇りが感じられます。



壁の角はアール仕上げに。接触による傷みが少なく、やさしい印象です。インターフォンやコントロールパネルなどもニッチの中にキレイにおさまっています。



こちらは昭和木材で造作したオリジナルのダイニングテーブル。天板にはタモ材を選びました。「カンディハウス」製のソファや「大雪木工」製のテレビボードなど、旭川家具との相性も抜群です。

【記者の目】



引っ越してから約5カ月経っても家が驚くほど片付いているのは、収納量はもちろん、子どもたちが自然に片付けできる動線の工夫によるもの。家族5人の新生活を、片付けやすい住まいがしっかりと支えてくれています。

カメラ 村川写真事務所
記事 布施さおり


2023年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

昭和木材株式会社 住宅事業部の取材記事