Story 取材記事

農繁期もゆったり。トレーニングルームのある農家住宅/更別村Fさん


十勝平野の中央に位置する更別村。迎えてくれたのは農家の4代目となるタイミングで新居を建てたFさんです。奥さまが建築士でもあるというFさんご夫婦が家づくりを依頼したのは、農家住宅の豊富な建築経験を持つ赤坂建設(本社:池田町)。機能的で暖かな一棟をご紹介します。

F邸の家づくりの特徴
・広々とした裏玄関とスムーズ動線で農繁期も快適 
・自宅がジム空間に変身。大満足のトレーニングルーム
・丁寧な打ち合わせで実現した理想の仕上がり

窓際のスケルトン階段がポイントの吹き抜けLDK



外壁は汚れや色褪せに強いというケイミュー社のサイディング「光セラ」。敷地内の実家や倉庫へのアクセスを考え、玄関の位置は何度も検討したそうです。



表玄関には、シューズボックスの他にコートなどを掛けられる扉付き収納を設けました。



大きな窓から光が降り注ぎ、冬でも晴れた日の日中は暖房要らずだという吹き抜けLDK。気になる夏も「2階のエアコンを1台つけるだけで涼しかった」と、断熱・気密性能のよさを実感している様子です。



空間のフォーカルポイントとなっているのは窓際のスケルトン階段(Panasonic)です。吹き抜けのLDKをより開放的な印象にしています。

ご主人 オープンなデザインを希望した時にプランニング担当の高山辰也さんが提案してくれたのがこの階段でした。踏み板を支える桁(けた)部分が木製で、アイアンと比べて価格が抑えられたのも良かったし、歩いても軋まないところも気に入っています。



LDKの続きには和室をつくりました。お昼寝するお子さんをキッチンやリビングから見守れる間取りです。引き戸を閉めれば客間としても利用できます。



ダイニングの一角には奥さまがミシンなどに使えるカウンターが。壁はメモやプリントを貼れる木目調のマグネットボードです。



ダイニング奥のドアからは洗面所・裏玄関へとアクセス可能。農繁期でもさっと食事をとって仕事に戻れるよう、冷蔵庫やレンジなどもあえて隠さず、ダイニングテーブルの近くに配置したそうです。



自然と買い置きが多くなる農村地帯では、たっぷりストックできるパントリーが安心。外気を利用した保冷庫は、指定した温度になるように排気・吸気を自動で制御してくれるという優れものです。野菜やお酒の保管に活躍しています。

「裏玄関は広くして正解。汚れ物をその場で洗って干せるのも便利です」



農家の住宅で重視されるのが裏玄関の使い勝手と動線です。土間はシューズボックスと作業着掛けに加え、泥汚れを予洗いできるスロップシンクと汚れ物用の洗濯機を置いても、まだ余裕の広さがあります。

奥さま 裏玄関を広くしたのは正解でした。外から収穫してきた泥付きの野菜を置いておいたり、収集日にごみを捨てに行くまで仮置きしたりできるのも便利です。



写真左/使う時だけ降ろせる室内用物干し竿「ホスクリーン昇降式」(川口技研)。洗った作業着は他の洗濯物とは別にその場で干すことができます。

写真右/農家住宅のトイレは作業中も使うので、裏玄関からトイレまでの動線も重視したそう。



作業着を脱いで洗濯機に入れた後は、まっすぐに洗面所・脱衣所・浴室へ。



くつろぎの空間であるLDKに入る前に、汚れや疲れをさっぱりと流すことができます。

自宅がジムに変身!集中しやすいトレーニングルーム



1階には、ご主人の要望でトレーニングルームもつくりました。バーベルを落としても抜けないよう、床はコンクリートの上にマットを敷いています。集中しやすい空間にするため、クロスは落ち着いた色味のものを選択。照明も明る過ぎないものを選びました。

ご主人 以前はジムに通っていましたが、更別から通うのは遠くて大変なので自宅でできたらと。高山さんのご自宅にもトレーニングルームがあるそうで、どんな仕様が必要かなど知識が豊富で助かりました。



2階ホールは約14帖。高窓からの景色も楽しむことができる空間は、デスクを置き書斎として、また後々はお子さんが友人を呼べるセカンドリビングとしてなど、様々な使い方ができそうです。



こちらは2階の子ども部屋。都市部から離れた農村地域では高校生になると家を出て下宿することが多いため、子ども部屋の広さや部屋数は「使うのは中学生まで」という前提で計画を立てた、無駄のない設計です。

暮らしやすさの秘訣は「暮らしと仕事の境界線」

ご夫婦とプランニング担当の高山さんに家づくりについてのお話を伺いました。



Q 住宅会社選びについて聞かせてください

お二人 主にWebを使って探しました。選んだポイントは「信頼できる住宅会社であること」ですね。赤坂建設は農家住宅を手掛けた事例がとても多く、安心して任せられると思ったのが契約の決め手です。



Q 高山さんは実際にご自身がプランニングされた住宅に住んでいる農家さんから住み心地を伺うこともあるとか。「理想の農家住宅」のビジョンをお持ちなのでは?

高山さん もちろんそれぞれのご家族のライフスタイルに寄り添うことが一番ですが、裏玄関の広さや使い勝手は農家さんの暮らしやすさに直結するようです。希望より少し広く確保しておくと使いやすいようですね。何より重要なのは動線。「暮らし」と「仕事」の境界線をしっかりと設けられる間取りをご提案しています。



Q 打ち合わせは帯広の事務所で行ったのでしょうか?

お二人 更別村の自宅まで来てもらっていました。夕方やお昼の時間など、仕事の合間に合わせて打ち合わせができたのはとても助かりましたね。家づくりの後半には建設中の現場を見ながら「ニッチはどの高さにしますか?」などと聞いてもらえて。図面を見て決めるのとは違い、完成後のイメージがしやすくて良かったです。



Q 住み心地について聞かせてください

お二人 とても快適です。開放感のあるLDKは日差しも床暖房も心地よく、冷え性なのを忘れる住み心地ですね。使いやすい裏玄関も気に入っていますし、動線にこだわったかいがあり、農繁期もゆとりをもって過ごせる家になりました。ライフスタイルを丁寧にヒアリングして、暮らしやすい家に導いてもらえたことに感謝です。

<建築概要>



1階床面積 120.16平方メートル(36.3坪)
2階床面積 72.31平方メートル(21.8坪)
延床面積 192.47平方メートル(58.2坪)
構造・工法 木造枠組み壁工法(2×6)
断熱(壁) 高性能グラスウール16K 140㎜
断熱(屋根) 吹込み用グラスウール32K 235㎜
断熱(基礎) 外:押出法ポリスチレンフォーム3種bA50㎜  
内:押出法ポリスチレンフォーム3種bA25㎜
断熱(窓) PVC樹脂サッシLOW-Eトリプル・ペア併用
換気方法 第3種換気システム
暖房方法 エコフィール
断熱性能 UA値0.32

2025年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社赤坂建設の取材記事