Story 取材記事

道南から十勝へ移住。セカンドライフのためのソーラー発電住宅/幕別町Yさん


「一生に一度の買い物」と言われることもあるマイホームですが、近年はライフスタイルの変化による住み替えを選ぶケースも珍しくはありません。
今回お話を伺ったYさんご夫妻も、定年後により住み心地の良い環境を求めて十勝に移住した一組。オリジナル・デザインの高性能な平屋住宅でセカンドライフを楽しんでいます。

設計・施工は帯広市のイゼンホーム。同社施工の住宅で暮らすお子さんからの紹介でした。家づくりや住み心地、そして十勝での移住生活について、お話を伺いました。

子どもや孫が遊びに来てもゆったりと過ごせるLDK



こちらはカーポート設置前に撮影した外観写真。設計は中村千代美さんです。外壁には黒のサイディングと木目調のパネルを使用し、縦格子がつくるラインと合わせたモダンな印象になっています。



屋根付きのデッキは、椅子を出してコーヒーを飲んだりBBQをしたりと、使い方を考えるのも楽しいスペースです。



玄関と家族玄関でもあるシューズクロークの間には引き戸があり、いつもスッキリと来客を迎えられる造りになっています。



屋根なりを生かした高天井で開放的なLDK。お子さんやお孫さんが遊びに来てもゆったりとくつろげる広さです。



LDKに隣接する洋室は、来客時には引き戸を閉め、客間としても使える空間です。



ご主人 和室にしようかとも考えたのですが、普段の生活を考えると洋室の方が使いやすいと思い、フローリングを選びました。リビングの一部という感じで継ぎ目を感じずに使えるのがいいですね。

キッチンは団らんの中心。タッチレス機器で調理に集中



お料理好きの奥さまが、こだわったのがキッチンです。ダイニングと横並びにしたことで、配膳や片付けがしやすいだけでなく、キッチンを中心に家族が団らんできる理想の空間になりました。



奥さま 水栓は、手をかざすと自動で水が流れるタッチレスタイプを選びました。調理中に汚れた手で触れることがないので、清潔でいいですね。作業中に手元が見やすいよう、照明はスポットライトもつけてもらいました。大きな食洗機をつけたので、子どもや孫が遊びに来たときに片付けが楽なのもうれしいです。



写真左/Panasonicのエコナビ搭載フラット形レンジフードは、クッキングヒーターを使うと自動でスイッチが入り換気するという優れもの。調理中に触れる必要がなく汚れづらいのもお気に入りのポイントです。

写真右/パントリーには食材のほか、調理器具もすっきり収納。

日々の生活にゆとりを生む「設備」にも注目



寝室はグレージュやグリーンの淡い色合いに木目柄を合わせて柔らかな雰囲気に。ベッドボードには読書灯のスイッチがあり、就寝前の時間も気ままに過ごせそうです。



ご主人の部屋はオリーブグリーンの壁紙に同系色のロールカーテン、床は突き板張りを選び、ナチュラルなインテリアに仕上げました。サイクリングが趣味というご主人は、冬場は自転車をローラー台に乗せて室内でトレーニングをするそう。



写真左/寝室はLDKのほか、クローゼットを挟んで洗面室ともつながっています。「2階建ての以前の家と比べると、回遊式の平屋住宅なのでどこへ行くにもスムーズで助かっています」(奥さま)。

写真右/玄関からご主人の部屋までは数歩の距離。自転車の出し入れもしやすい動線です。



洗面台は、タカラスタンダードを選びました。カウンターとボウルが一体になっており、掃除がしやすい形です。



写真左/脱衣所にはPanasonicの物干しユニット「ホシ姫サマ」を設置。ボタン一つで好きな高さに昇降するため、負担なく洗濯物を干すことができます。

写真右/ユニットバス(タカラスタンダード)の鏡や小物入れはすべて取り外しが自由なマグネットタイプに。「好きな時に外して壁が洗えるので、清潔に保ちやすいのがうれしいです」(奥さま)。



写真左/トイレはPanasonicのタンクレストイレ「アラウーノ」。流すたびに泡で洗浄されるため、ブラシで洗う必要はほとんどなくなったそうです。天井には同じくPanasonicの埋込形ナノイー発生機「エアイー」を設置。菌やにおいを抑制するため、芳香剤要らずなのだとか。

写真右/トイレの前には手洗い台をつくりました。奥に見える収納の扉はロボット掃除機が出入りできる形に。家中のほぼすべての部屋の掃き掃除・拭き掃除が自動で完了します。

「家で過ごすことが多くなる定年後は、住み心地が大切だと思ったんです」

家づくりについてお話を伺いました。



Q 胆振地方からの移住と伺いました。十勝の暑さや寒さは不安ではありませんでしたか?

 気候の穏やかなエリアで暮らしてきましたが、これまで住んでいた築28年の家は室内に温度差があり、家の北側や玄関、第3種換気の給気口付近は冷えていました。一方で十勝は気候が厳しいといわれていますが、子どもがイゼンホームの家に住んでいるので、室内の快適さはよく知っていたんです。豊かな自然や食文化もあり、セカンドライフを楽しめる場所だと思いました。



Q 実際に十勝の真夏や初冬を過ごしてみた感想は?

 夏はエアコンを一台つけただけでも家中がひんやりとして気持ちが良く、驚きました。最近は本格的に寒くなってきましたが、家に入った瞬間からほっとする暖かさで、帰宅するたびに喜びを感じています。

パッシブ換気システムを利用した暖房は、空気の流れが柔らかく、各部屋の温度も均一で心地良いんです。室内にパネルヒーターを置く必要がないので、壁面を自由に利用できるところも気に入っています。

パッシブ換気システム
空気が暖められると上昇するという性質を利用した、機械を使わない換気法。冬には床下で暖めた空気が各部屋を循環して自然に排気される。
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Q オール電化とのことですが光熱費はいかがですか?

 ソーラーパネル(6kwh)と蓄電池(6.5kwh)をつけたこともあり、8月の電気代は3,000円ほどで済みました。暖房費が上がってくる11月も13,000円、売電した分を差し引けば約9,000円です。やはりオール電化だった以前の家では夏場に3万円、冬場は10万円もかかっていたことを考えると信じられない金額です。
ソーラーの活用や2階建てから平屋住宅に移り、無駄が減ったこともありますが、何より家自体の断熱・気密性能の高さを感じます。



Q お話を伺っていて、暮らしに満足されているのが伝わってきました

 定年後は家で過ごす時間が長くなるので、家の住み心地がQOLに大きく影響します。この家では、リビングでコーヒーを飲んだり、キッチンで何か作ったりといった何気ない生活の一コマも楽しくて。おいしいお店を探したり自転車で遠出をしたりと、十勝暮らしも満喫しています。徒歩で買い物に行ける立地も最高ですね。土地探しからインテリアの相談まで、私たちの要望に寄り添っていただいた担当の中村さんには感謝でいっぱいです。

【建築概要】



1階床面積 106.10平方メートル(32.03坪)
延床面積 106.10平方メートル(32.03坪)
構造・工法 木造枠組壁工法(2×6)
断熱(壁) 高密度吹込グラスウール140㎜+フェノールフォーム1種50㎜
断熱(天井) 吹込用グラスウール18K相当500㎜
断熱(基礎) 押出法ポリスチレンフォーム3種 外側75㎜打込+内側30㎜打込
断熱(窓) YKK ap APW430
換気 第4種換気システム(パッシブ換気)
暖房 床下ヒーター(ヒートポンプボイラー)

2025年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

イゼンホーム 株式会社伊善建設住宅部の取材記事