Story 取材記事

木のもつ優しさ・・・無垢材に包まれる暮らし 札幌市・Yさん

一級建築士事務所「あ~すくらふつ 住・空間研究室」の奥島憲晶さんと、(株)丸三ホクシン建設のコラボレーションで誕生した「星置の家」。オーナーさんの「住まいの夢」が実現した、使い勝手のよいこだわりのキッチンと、塗り壁と無垢の素材を生かした家になりました。

南庭側の外観 小さな庭に少しづつ手入れを・・・
南庭側の外観 小さな庭に少しづつ手入れを・・・
幹線通りに面する外観
幹線通りに面する外観
1階は20畳のワンフロアー 中央は吹き抜けで2階ホールと視覚的につながる
1階は20畳のワンフロアー 中央は吹き抜けで2階ホールと視覚的につながる
長さ2.4m、無垢材のダイニングテーブル キッチン側は、収納スペース
長さ2.4m、無垢材のダイニングテーブル キッチン側は、収納スペース
壁付けのステンレスカウンターキッチン
壁付けのステンレスカウンターキッチン
玄関左手は、収納充実の内玄関→キッチンへつながる
玄関左手は、収納充実の内玄関→キッチンへつながる
2階 子供たちのスペース 動かせる収納箱で互いに仕切ってある。ハシゴの上はロフト:ベッドルーム
2階 子供たちのスペース 動かせる収納箱で互いに仕切ってある。ハシゴの上はロフト:ベッドルーム
100年もののアンティークレース
100年もののアンティークレース
鍋敷 大工さん力作、3種の無垢材で手造り
鍋敷 大工さん力作、3種の無垢材で手造り

希望をかなえるため、リフォームから新築に

Yさんは、もともと同じ場所で中古の家にお住まいでした。築20年の家にYさん自身は10年間住んでおり、冬の寒さや、収納の少なさ、そして居間の狭さなどが、徐々に気になりだしてきたため、昨年の冬頃から「リフォーム」を真剣に考え始め行動を開始しました。

住宅会社を探すにあたっては、ハウスメーカーのモデルハウスやオープンハウスを多数見に行き、実際に4社ほど、企画プランと見積を検討していました。そんな中、Yさんの友人が「丸三ホクシン建設」さんのウェブサイトを見つけ薦めてくれました。興味を抱いたYさんは、ちょうど開催中のオープンハウスを見に行き、そこで建築家の奥島さんにも出会いました。その後、奥島+丸三ホクシン建設のコラボ住宅を数軒見学する機会を重ねていくうちに、自然素材の塗り壁や無垢の素材を生かした家づくりが自分の好みと一致し、「この家のここの部分を取り入れたい」と、理想が徐々に明確に具体的になっていきました。価格面などでも他の数社と比較して熟考し、より低コストで希望をかなえられると確信、丸三ホクシン建設に依頼することに決まりました。

Yさんは、「奥島さんと丸三ホクシン建設の首藤社長と打合せを重ねていく中で現在住んでいる家のリフォームでは空間設計上の制約も多く、新築で開放感のある空間をつくりたいという思いが強くなったこと。解体工事費用も含めると、リフォームと新築では思ったほど金額の差がないことがわかりました。今後長く住み暮らすことを考え、思い切って新築へと踏み切ることにしました」と新築を選んだ経緯を話してくれました。

無垢材の質感を合わせた統一感のある家

外観は塗り壁の温かい色合いと緩勾配のシンプルな三角屋根。通り側は、濃茶色に塗られた木板壁の落ち着いた風合いが印象的です。玄関から右手に入ると、1階は20畳のワンフロアー、左手にキッチン・ダイニング、右手にリビングが左右に大きく広がっています。視線は、真ん中の吹き抜けから2階ホールへも広がり明るさも開放感も抜群です。また、玄関左手には、内玄関もあり靴箱、収納そして保冷庫スペースが続き、キッチンにつながっています。

自然素材の塗り壁と無垢の板壁、床はパイン材、柱はトドマツといった無垢材が、床、窓枠、梁、家具にも使われており、それぞれが持つ素材感を生かしつつも主張しすぎることなく、自然な風合いとともに家全体の統一感を生み出しています。住み始めて半年、「無垢材の色味、風合いが少しづつ深く変わってきました」とYさん。
「家を建てる前に、他社で設計・施工した家をいろいろ見学に行った時、部分を見れば素敵でも、お互いの調和がとれていなくてちぐはぐなものも見受けられました。それが嫌だったので、全体の質感・素材感を合わせたいなと思ってました」とYさんは言います。延床面積約32坪とコンパクトながら、素材の統一感と開放的な間取りのせいなのか家全体が広く見えます。

住まいかた、使いやすさをとことん話し合う

ゆったりとスペースをとったフルオーダーメイドのキッチン・ダイニング。ここが、最もYさんの理想をこめた場所です。壁付I型長さ3.15mのステンレスカウンター、引出しや収納の扉はすべて安価な構造材=無垢材を使った造作。通常は合板を張ることが多い食洗機の扉にも、無垢材を使っています。キッチンから料理を運ぶのにちょうどよい距離をとった、長さ2.4mのダイニングテーブルも無垢材の天板、大工さん渾身の手造りです。ここが家族みんなの最もお気に入りの場所です。食事をするだけでなく、2人の娘さんと一緒に料理をしたり、勉強をしたり、テレビを見るのもこのテーブルが定位置になっているそうです。

洗面所とバスルームの間にはドアがありません。これまでに奥島さんが設計したこれまでの家でも実践したもので、開放感をだすとともに、湿気がこもらないよう考慮した設計です。バスルームの壁には水に強い青森ヒバの羽目板、腰壁はタイルを使っています。洗面所はYさんと2人の娘さんが並んで身支度ができるようにと広めに、鏡も大きくとってあり、化粧品を入れる棚も十分に確保しています。トイレは階段下に設置し、他の空間を広く使うことを重視しました。

収納は確保しつつコストをおさえ・・・開放的な間取り

仕切りの少ない家ですが、収納スペースは適材適所にさりげなく確保しています。
1階の内玄関には大きな靴箱とクローク収納、冬場冷たく保つことができる保冷庫もあり容量は十二分に確保してます。広いキッチンにもゆったりとした大きさの引出し、そしてスライド式の見せる収納でお気に入りの調理器具を収めています。ダイニングテーブルにも大きめの引出しがついており、食器や調味料などが入れられていました。キッチンに最も思い入れのあるYさんなので、台所に置く物の量も多いですが、それらがしっかり収まるスペースがとられています。
2階は吹き抜けを挟んで娘さんの部屋とYさんの寝室に分かれています。2階にも間仕切りはなく、娘さんの部屋は何でも入れられる大きめの収納棚(可動)で2人の空間が分けられており、上部にはベッドスペースにしているロフトがついています。反対の寝室側にもロフトがあり、こちらは収納に使っています。2階の寝室の奥には、目隠しの壁を隔てて思い切った広さの収納スペースをとっています。階段下などのスペースも無駄にせず、収納に活用しています。

Yさんのお宅は交通量の多い幹線道路に面しているため、車の騒音が気になるところですが、窓の配置や2階の居室を奥側にとる間取りで、音が入りにくい設計になっています。
オール電化とヒートポンプ給湯を採用してます。外張り高断熱と隙間相当面積0.2平方cmの高い気密性能を確保、冬場の光熱費も月1万円程度に想定しています。

設計段階から、また建設中にも現場を見ながら綿密に打合せを重ねました。「奥島さんには図面や写真を利用しながら、細かいところまで話を聞いてもらい打合せをしてもらえたので、完成してからの違和感が全くありませんでした。特に一番こだわったキッチンは、動線がしっかりとられていて広さもあるので、調理中も置きたい場所に物が置けて、本当に使いやすいです」と満足そうに話してくれました。

暮らし始めて半年のお家には、100年もののアンティークレースや小物など、家の雰囲気に合った雑貨が飾られています。「家が完成してから、雑貨屋めぐりにはまってしまって。ついつい買い込んでしまうようになりました」と、新たな楽しみも増えたようです。

記者の目

床や柱だけでなく、テーブルやテレビ台に至るまで、質感を合わせて手作りしていることと、豊富な収納のおかげで、散らかりにくいのではないかと思いました。照明のこだわりと無垢の素材感で夜はまた違った雰囲気を見せてくれそうな素敵な家でした。

2011年11月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社丸三ホクシン建設の取材記事