Column いえズーム コラム

学区は大切、そもそも札幌のどこに暮らすか。連載:わが家の落ち着き先02

43坪弱、1,280万円の土地を前に「自分たち家族が住む家は本当にこれでいいのだろうか」と疑問が生まれてから、心のざわめきは、けっきょく収まりませんでした。インターネット検索ではそれまでのエリアとともに、山の裾野を探すようになりました。

忘れていた手稲の山裾に暮らす夢に向かう

物心ついたころ、ボクはスキー場の下に住むという夢がありました。そうしたら、思い立ったらいつでもスキーにいける。実に単純な理由でした。
その後、スキー熱は冷めて、山裾に暮らすという夢も忘れていたのですが、気がついたら関心は山裾に向かっていたのです。
ただ、それだけに集中して探したわけではありません。女房は山裾が嫌いではないものの、北区の現学区内が「絶対」の条件でしたし、最悪でもその周辺と公言していました。自分も学区は離れますが周辺の北区と東区で、美香保公園や北大農場など大きな公園に近いエリアもいいなと思っていたのです。
しかし当時はそのエリアの物件は皆無でした。あっても北向きで南に3階建て隣家という、ボクにとってはNGの条件。振り返れば、このエリアとは縁がなかったのでしょう。数年後にはいくつか物件を目にしました。


山裾の土地は、数はそれなりにありました。地域で言うと、手稲本町から藻岩下まで続く札幌の北西から南の背面山地。価格面でも意外なことにほぼ予算内。中でも100坪の土地と、64坪と狭いけれども眺望抜群、価格も安かった2つが気になりました。


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100坪は手稲で、ボクの夢に近い地域でした。ただ、小学校まで歩いて30分弱と遠く、土地価格は予算内だったものの擁壁が必要でその工事に200万円はかかると言われました。

64坪の土地は同じ手稲でも富丘でした。こちらは札幌の街を見下ろし、さらに日本海も望めました。本当に最高の見晴らし。ただ、国道5号線からそこに至る道路に対して女房から大きな不安の声がでました。また完全な北斜面で、冬はお昼過ぎに日陰になる(現地確認でわかった)のもどうかな、という点でしたし、64坪の土地では希望する家の大きさが確保できそうになかったことも問題でした。容積率と呼ばれる規制で、その土地は60%規制。64坪の土地なら建物は38坪の広さで車庫込みという条件でしか建ちそうになかったのです。

2物件は現地を見に行きました。このほかの土地も含め、冬場の山裾視察は、いちばん問題となる冬の雪と除雪の状況を確認する上でとても役にたちました。

ほかにもいい物件がありました。ただ、やはりいくつか問題があり、そのうち1つは常に決定的な問題でした。南区藻岩下のある物件は、小学校まで豊平川を渡って30分以上。中央区の宮の森や双子山の物件は、土地価格はいいものの、地区がいわゆるお金持ち地域で暮らしが窮屈そう。
なお、中央区エリアはその後地価が上昇しました。友人が中央区旭ヶ丘エリアの土地購入を検討したときに、周辺の土地価格を聞いてひっくり返りました!

女房が現学区にこだわった理由

090924_tunagari.jpgこのころ、女房はどう思っていたのでしょうか。
「絶対」の条件だった小学校区の土地がずっと気になっていたことは確かですが、山裾もいやではなかったようです。
そもそも彼女が強く現学区内を主張したのは、長女の小学校のこともありますが、結婚してはじめて札幌に引っ越し、ゼロからつくってきた地域とのつながりや友人が、当時住んでいた地域だったからです。
ボクはそのことを良く理解していたつもりでした。だから無理強いはできなかった。しかし、自分の気持ちは完全に山裾に行っていました。だからじっくりと時間をかけて気持ちが変わるのを待とうと思っていました。

結婚したばかりのころ、ドライブしていて山裾のある地域が気に入り、「このあたりに住めればいいわね」と話していましたから、可能性はあると見ていました。しかし、今回ばかりは自分の希望で独走することはできない、その思いも強かったのです。
(以前の小学校の発表会での一コマ)

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