Column いえズーム コラム

住まいの予算配分・住宅会社選びのポイント-女性座談会その2

 
座談会の会場をお借りしたのは自然素材の家具やインテリア雑貨のショールーム「ノースファクトリー」 
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イネスホーム斎藤さんがプロデュースしたモデルハウス「Rire+(リールプラス)」
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アシストホームではОBの方や住宅購入希望者の方を対象に暮らしに関する勉強会を開催している
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池田さんは、愛犬家住宅を学ぶうちに、家族のコミュニケーションが広がる住まい、掃除のしやすい住まいづくりなども実現できるようになったといいます
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シノザキ建築事務所では、ダイニングで使いたいアイロンやオーディオ、子どもの書類などは、高さや幅などを工夫した家事カウンターに配置することも提案
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コンフィのリフォーム事例。雪処理問題を兼ねて2階にバルコニーとセカンドリビングを設置。「2階からの眺めがこんなにいいとは30年間知らなかった」と大好評でした
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三五工務店コーラルハウス事業部の作品例
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住宅業界の第1線で活躍されている女性にお集まりいただき、快適な住まいづくりのために何ができるか話し合う女性座談会の第2回です。第1回はこちら

住宅のハード面とソフト面、予算配分に配慮を

司会 建築業界とは少し違うところにいる岩波さんから見て、「もっとこうすれば快適な住まいがつくれる」と思うところはありますか。

岩波 家を建てる時に当店へ来られるお客さまも、最初はキッチンなどへの夢があります。でも、いざ決める時になると予算がなく、結局あきらめてしまうということをよく聞きます。最初からインテリアコーディネーターの方が入っていれば、ハードだけ固めるのではなくソフト面でもどんな家にするか予算の配分をしていけると思うのですが。

伊藤 一般的に、新築の場合は坪50万、70万と決めて家を建てるんです。そうなるとキッチンのメーカーや仕様も決められていてそれ以外の物を望めば「すみません、追加料金となります」と。

蝶野 私もそれが嫌なので、最初から最後まで全ての工程に関わるようにしています。お客様の夢のお家ですが、お客さまの家を創ることが私の夢にもなっているんです。お客様の望む住宅が創りたい。

 しかし、もし予算がオーバーする場合には、例えば無垢のドアを付けたいなら、私は設計もやっているので「こちらの棚を安価にしたり等」と提案することで、総合の金額を考えながらその分を捻出できると思います。

斎藤 うちでは最初のお客さまとの打ち合わせで営業と設計、コーディネーターが入って要望を早い段階から詳しく確認させていただくことで予算の配分も希望に沿ったものにできます。
 でも、半面そうすることで私がお客様との窓口になり、多くの物件で私が関わる部分が増えてしまいます。棟数が少なければいいんですが、何軒もあればこなしきれなくなる、それが悩みですね。いつまでたっても手離れしないジレンマがあります。

篠崎 お客さまの方が敏感なんです。「この人には私の話が伝わる」と思ったらその人に相談したいのだと思います。奥さまがこだわりたいのは細かな部分が多いから、女性スタッフの方が気持ちを理解して対応してくれるのではないか...と感じるのかもしれませんね。

斎藤 会社として「工事が始まったら現場監督さんに連絡してください」と伝えればいいけれど、主導権を持っているのは奥様の場合が多いので、女性同士の方が何かと話しやすいのでしょうね。

時間を確保するために

司会 皆さんのお話を聞いていると、やはりかなりのご多忙と感じられますが、ご自分の時間を確保するために何らかの仕事術をお持ちでしょうか。

柳 自分の仕事をどれだけスタッフに振り分けられるかと常に考えています。とにかく次へ次へと進んでいくために、自分のところに仕事を留めておけませんから。

司会 特に女性は、育児や介護など家庭の事情も出てきますよね。そんな時に休みを取ることは可能でしょうか。

柳 参観日や子どもの行事などであれば、職場内で調整して休みをとれるように気配りしています。

蝶野 私は設計なので割と自由裁量で休めるのですが、現実には取れていません。今年は特に忙しくて代休がたまりまして会社からも消化を促されましたが、結局は消化できませんでした。

伊藤 嫁や母親として、女性には育児や介護のしわ寄せが来ますし休みも必要だと思います。でも、こと家に関しては絶対に失敗が許されません。例えばリフォームでちょっと何かあっても、お客さまはすぐ来てほしいと思うのです。自分が10軒を担当していても、お客さまにとっては唯一の家ですから。それなのに育児や介護のため対応できないとなれば、それがクレームになってしまう。おそらくある程度の規模の会社では、チームでやっていると思いますが。

蝶野 お客様と私との間で一対一で進めている部分も少なくないので他の人に替わってもらうというのは、実際のところ難しい面もあります。

伊藤 うちは人数が少ないですけれども、もし明日私が倒れても大丈夫なように仕事の状況をみんなが把握しています。

司会 社内の皆さんが分かるように、実際にはどんなことをされていますか。

伊藤 単純に、その日にあったことや問題をそのまま口頭や図説で報告するんです。会議といっても時間は取られるし他にもいろいろなことがあるので。忘れやすいスタッフには必ずメモしてもらいます。伝えるツールとして、パースや図面を活かし、自分で抱え込みすぎないように職場で共有できれば自分にとってもお客様にとってもプラスだと思います。

住宅会社選びが難しい?

司会 伊藤さんは、忙しいなか、社外の団体で活動もしているそうですが。

伊藤 はい「リフォームを考える女性達の会」を3人で立ち上げました。年に4回ほど女性限定でセミナーをしていますが、いつも多数の方がいらっしゃいます。今はリフォームにしても、どこに何を相談に行ったらいいか分からない方が多いんですね。皆さん困っていて、こちらに来てくれた時には「ある会社に依頼したらこうなってしまった」と、もう手も付けられない状態になっている。

今日集まっている皆さんはしっかりお客様に気配りできていますが、そういう住宅会社をお客さまが見つけることは難しいようです。一般的には例えば大手ホームセンターの「リフォームセンター」に相談に行く事が安心・安全と思っていらっしゃいます。

司会 あるホームセンター前で国土交通省の職員がリフォームの話をするイベントがあった時、軽く100人以上のお客さんがいて、テントから人が溢れていたんです。それを見て、何となく信頼できそうで、セールスしないイベントなら、聞いてみたい人がこれだけいるんだなと思いました。

伊藤 お客さまは「絶対だまされたくない!」という思いがあります。しかし新聞などの「だまされた」という記事を読み、信頼できる企業を探していらっしゃるんです。

蝶野 テレビの影響もありますね。家造りでも「匠の技!」みたいな、何か素晴らしいものが出てこないかと要求されているような気がします(笑)。私も、"この家ならでは"のものを一生懸命考え、ご提案をしています。

岩波 お客さまはインターネットで情報過多になっているところもあります。例えば、欲しい物を探すにしても夜中までパソコンで調べている。うちの店にも、お客さまは小さなパーツ一つに自分の好きな形と色を求めて探しにいらっしゃいます。

蝶野 好きな物を全て集めてしまいますと統一感の無いお家になってしまうので、お客さまの要望は踏まえつつ別案も提案しながら取捨選択をしていただくようにしています。お客さまの夢を実現するために自分の提案力が問われていると感じます。

篠崎 昔は家づくりの希望を自分で決められないので住宅会社の担当者が案を提示することが多かったのですが、今ではインテリア一つにしても自分でとことん探してから決めたいというお客様が多くなりました。また50代ぐらいのお客さまは、諦めない方が多いですね。例えばモダン系の住まいでもアンティークな手すりは付けたい、諦められないということもあります。ハウスメーカーに依頼するお客様の方がこだわりは少ないかもしれませんが。

伊藤 確かに、ハウスメーカーに依頼して、無駄な時間を使わないでも全部建ててくれるというのは安心という方もいらっしゃいますよね。

司会 そうですね。商品を買うように、規格化された家を求めているお客様も大勢いますが、一方でそれを嫌だなと感じたところから本当の業者選びが始まるのかなと取材からも感じています。

続く
女性が活躍する住宅会社で住み心地の良い家の実現を-女性座談会その3

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