太陽光発電補助金第一号!自然エネルギーの活用を黎明期から実践
太陽光発電システムや、地中熱を利用した冷暖房、地下水を活用した融雪槽など、近年はエコで省エネな家づくりをする住宅会社が増えていますが、ブレイン札幌の佐藤 昭博社長は、2000年台後半の黎明期から、こうした取り組みをいち早く実践してきました。太陽光発電の補助金取得にいたっては、札幌市で第一号となる住宅を建てた実績もあるほどです。
写真はその住宅ですが、パネルの設置方法も独特です。よく見かける、無落雪屋根の上に架台を組んで設置した5kw相当の太陽光パネルに加え、佐藤社長は、まるで軒のように張り出すような形で、さらに5kw相当の太陽光パネルも設置しています。
佐藤社長 こうするとパネルに積もった雪がキレイに滑り落ち、冬も安定した発電ができます。2009年施工ですが、今でもちゃんと発電を続けていますよ。売電期間は20年ですから、十分に元が取れる計算です。
壁面に太陽光パネルを貼っています!最近でこそ見かけるようになりましたが、約10年前に既にやっているとは流石です。「何でも早すぎるんだよね」と苦笑する佐藤社長。
地中熱を使った冷暖房・融雪システムも
地中熱を活用した冷暖房システムにも早くから取り組んでいます。地中熱冷暖房は、足元にある11度前後の地中から熱エネルギーを取り出し、冬は暖房、夏は冷房と1年を通して活躍します。
冷暖房システムとセットで提案しているのが、同じように地中熱を活用した融雪システム。地下水は、冬でも9℃前後あるため、雪を融かすことができます。
このように自然エネルギーを活用することで、「電気代などのランニングコストが大幅に削減できている」という、オーナーの喜びの声を取材時にもたくさん聞いています。
ここからは佐藤社長に、これからの家づくりについてお話をうかがいます。
佐藤社長にお聞きします
住宅の高断熱・高気密化が加速していますね
佐藤社長 断熱材はどんどん高性能になりましたが、どんなに良い断熱材を使っても、気密工事がしっかりしていなければ隙間風が入り、高性能な断熱材にふさわしい快適性は実現できません。
精度の高い気密工事には、現場管理をする人間の知識や経験、そして技術力の高い大工や職人の存在が欠かせません。
また、断熱等性能等級(断熱等級)を表す主な数値あるUA値は、断熱材や窓などのスペックによって算出される計算上の数値です。それに対し、気密性を評価するC値は、実際に気密測定器を使って測定ができます。
断熱等級が高いのは良いことですが、それ以上に気を付けたいのは、「気密工事をしっかりしているかどうか」だと思いますね。
新築時に気を付けたいことは何でしょう?
佐藤社長 マイホームは高い買い物です。予算に余裕のある方は別ですが、高額なローンを組んで、何十年も返済に追われるのでは、豊かな暮らしとは言えません。
新築では、何に比重を置くかを見極めて、コストバランスをとっていくことが大事です。例えば、太陽光発電や融雪槽などはイニシャルコストがかかりますが、その後のランニングコストが抑えられる安心感があります。
予算に限りがある中で、何を優先することが、お客さまの幸せな暮らしにつながるのか、プロの立場からアドバイスさせていただくことも多いですね。
リフォーム・リノベーションについてはいかがですか?
程よい中古住宅を断熱リノベーションするという選択肢も一つです。この場合には、実家を引継ぐというパターンと、中古住宅を購入するというパターンの2種類が考えられます。
ご実家の場合は、税金対策も必要です。例えば親名義のままリフォームをしてしまうと、工事費110万円以上から親への贈与と見なされ、贈与税がかかる場合があります。
相続する住宅のリフォームは、工事のタイミングによって税額が変わってくるので、相続に関する知識や、計画性も必要になってきますね。
記者の目
佐藤社長は、せっかくマイホームを取得したのに、大きな経済的負担を抱えることは、幸せな暮らしにつながらないと語ります。まだ一般的でなかった時代に、ランニングコストのかからない省エネ住宅に取り組んだのも、そうした思いからでした。
現代は、中古住宅がとても増えています。適正な改修を行うことで、家族でなくても、誰かが古家を住み継いでいく事は、SDGsの観点からも、健全な仕組みです。
新築・リノベ共に補助金を賢く活用することも、やりたいことを実現する方法のひとつです。今回、記事中の施工事例写真には詳しい記事のリンクを貼っています。ぜひ家づくりの参考にしてほしいと思います。
iezoom 編集部 松下綾
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