Column いえズーム コラム

「家で運動できる」住宅づくりまとめ14


一戸建てを建てる動機が、「アパートやマンションでは子供が走ったり飛び跳ねたりすると、階下の人に迷惑がかからないか心配だったから」という人は多いのではないでしょうか。特に冬の間、室内で過ごす時間が長い北海道では、大人も子供も運動不足になりがちです。

「家の中に居ても親子で身体を動かして遊びたい」「体力づくりができる工夫が欲しい」。そうした希望を実現できるのが注文住宅の魅力でもあります。今回は、木の梁を利用したブランコやクライミングウォール壁のある家など、運動が楽しめる住宅をご紹介!薪割りなど、作業を通じて体を動かすことを楽しむ暮らしの実例もご覧ください。

本格的なクライミングウォール 札幌市北区川村邸/アウラ建築設計事務所



アウトドアが趣味のご主人。ロッククライミングも楽しんでいるそうで、自宅にはクライミングウォールを希望しました。

とびとくんが見守る中、ボルダリングのスクールに通って特訓中のかずきくんとなみきちゃんがスイスイとホールドに手足を掛けて登っていきます。

クライミングウォールのデザインは全てご主人によるものです。上部になると3面に渡り、様々な登り方が楽しめるようになっています。



採光を重視した奥さまの希望で階段壁は設けず、代わりに素朴な角柱をあしらいました。ロープやハーネスを掛けたり、子どもたちがジャングルジムのようにぶら下がったりと、この家にぴったりな間仕切りになっています。
家族みんなが快適で自然に介護ができる家 札幌市北区/川村さん

リビング続きに10帖の卓球専用部屋を実現 函館市H邸



リビングの左にはなんと・・・10帖の卓球専用部屋がありました。「息子が卓球したいと言えば相手しますし、私が不在の時は嫁が参加します。息子は毎日2時間くらい卓球をしているかも。私は卓球経験もありますが、この家で1年、息子と卓球をしている嫁も、初心者レベルを脱し、かなり勝負強くなりました」とのこと。

家族3人が毎日卓球で盛り上がっているそうで「小1の息子が私に、指導者のように球の回転などの理論を教えてくるんですよw」と奥さま。家族が一緒に笑いの絶えない家にしたいというママの要望も叶っているようです。
光熱費削減&卓球部屋を実現。7年学んだ納得の家づくり 函館市H邸

バスケに縄跳び、筋トレも…大満足のトレーニング室 帯広市K邸



K邸最大のこだわりがこちらのトレーニングルームです。7帖の広さがあり、お子さんたちのバスケットボール練習をはじめ、縄跳びやストレッチ、ご主人のウェイトトレーニングなどに利用しています。

「誰にも気兼ねなく練習することができるし、床がコンクリートなので、ドリブルの感触も体育館の感覚に近い手応え。外と違ってボールも傷みません」とバスケ部の息子さんも大満足。LDKにも近い位置にあるため、将来的には寝室にすることも視野に入れているそうです。

まるで体育館のような感覚でバスケットボールの練習ができるコンクリートのトレーニング室。ステイホームの時間を充実させることを念頭に建てられたお家です。
記事はこちら おうち時間も充実!トレーニングルームのある家/帯広市K邸 クリプトン

気軽にアウトドアが楽しめる中庭 札幌市N邸



リビングから出入りできる中庭のある住宅なら、家に居ながら気軽にアウトドアを楽しむことができます。こんな風に家族だけで思い切りボール遊びができるミニパークにも変身!近くに公園が無い、まだ子供だけで遊びに行かせるのは心配といった小さなお子さんでも、ママの視線が届くから安心です。



こんな風に「お母さん、ジュース!」という時にも、リビングからすぐやり取りできるのも便利です。



「うちの中庭が、本当に大活躍しています」と、うれしそうに話す奥さま。「夏は、子どもたちをビニールプールで遊ばせたりしています。1階はリビング、和室、ユーティリティーと三つの方向に出入り口があるので、プールからすぐバスルームに直行してシャワーも浴びられるんですよ」。

ボール遊びに、水遊び、バーベキューなど、中庭があることで家に居ながら気軽にアウトドアを楽しめる家。中庭から洋室までの動線なども参考にしたいですね。
リヴスタイル 中庭のあるおうちが手の届く価格で~札幌市南区Nさん/リヴスタイル

2階共有ホールでミニバレー開催/帯広市M邸 cubeチセ

階段を上りきった場所はフリースペース兼書斎になっています。オープンな方が色々な用途に使える、とあえて壁などで区切らず家具も置いていません。「大人数が泊まりに来た時にはこの場所に泊まってもらってもいいかも」と奥様。使い方を考えるのも楽しそうです。フリースペースは普段何に使っているのかという質問に「ミニバレー」とご夫婦。天井は3mと高さもあり、本気で対戦してもしっかり動き回れる広さです!「外出が難しい時も家の中で運動ができるのでいいですよ」と、家族のコミュニケーションタイムを楽しんでいます。



奥様が家づくりのヒントにした「シルバニアファミリーの家」は、家族が明るく、笑顔で暮らせる家の象徴。込められた想いのとおり、M邸にはお気に入りのデザインやインテリア、木の温もりに包まれた、あたたかな家族の時間が流れていました。
家族みんなで料理&ミニバレーもできるカントリーの家/帯広市M邸 cubeチセ

2階ロフトやブランコのある住宅 札幌市S邸

札幌市Sさんのお宅は親子3人で暮らすコンパクトな住まい。2階リビングのには片流れの勾配を利用したロフトを実現しました。間仕切りの無いLDK全体を見下ろせるロフトスペースは息子さんの遊び場になっているそう。家族の気配が感じられる距離感もうれしいですね。ロフトに吊り下げたブランコに揺られ満足そうな息子さん。梯子の上り下りも良い運動になっているようです。



リビングにロフトがあると、梯子の上り下りだけでも良い運動になりそうです。ブランコもあれば、子供は大喜びですね。
丸三ホクシン建設 理想の家は「小さな家」。重要なのは工務店との意思疎通

吹抜に本格クライミングウォールがある家 札幌市H邸



札幌市Hさんは、勾配屋根のリビング壁面にインドアクライミングをしていた上の娘さんのために本格クライミングウォールを希望しました。指や足を掛けるホールドにもさまざまな樹種の木材が使われています。リズミカルな印象の壁面はおしゃれなパッチワークソファーとも好相性です。天井には命綱を取り付ける金具が付いています。お母さんと一緒におうちを案内してくれた妹のIちゃんは「大きくなったら1番上まで登ってみる」そう。姉妹で登る姿を想像すると圧巻です。

クライミングは体幹が鍛えられ、筋力や集中力UPにも効果があると言われています。そんな運動が日常的に出来ることは子供の成長にも良さそうですね。
シノザキ建築事務所 迫力のクライミングウォール!3世代が暮らす木のぬくもりあふれるZEH 札幌市/Hさん

リビングが遊び場。ハンモッグのある家 札幌市S邸



札幌市Sさんは、DIYでクライミングウォールやブランコを作りました。楽しいスペースのアイディアを出したのは、イゼッチハウス北海道社長の鏡原さん。この空間を見上げて「こんなこともできるけど、作ってみたら?」と提案したそうです。イゼッチハウス北海道では、補強のため、ホールドと呼ばれる突起物を固定するための壁下地の強化と、ブランコも吊るすための化粧梁を設けました。「ずっと自分たちが住む一戸建てだから、家でこうしたい!と思ったことが自由にできる。楽しいですよね」とSさん。

DIYで遊具を作るのも、運動ができる住空間をつくる手段の1つです。その際に、施工会社から補強などのサポートが得られるかどうかも家づくりでは大切なポイントになりそうです。
イゼッチハウス北海道 自宅でクライミングウォールやブランコ!/イゼッチハウス北海道・超省エネ大賞3位Sさん

3階にプレイスペースとアクティブな子供部屋 小樽市S邸



Sさんのお宅は、白田建築事務所の白田社長が工夫を凝らし、34坪の土地に41坪の延べ床面積を確保した3階建てです。3階のホールは子供たちがのびのびと遊べるプレイスペースにしました。3階ホールの両脇には子ども部屋が1室ずつあります。お兄ちゃんの部屋にはクライミングウォール&ロフトを設けました。3階は天井も高いため、開放感もあって、お兄ちゃんはここが大のお気に入り。ロフトに上がるにはクライミングウォールを登らなくてはならないので、日々手足が鍛えられる運動になっているようです。

プレイスペースから両隣の子供部屋への動線など、子供たちが自由に行き来できる間取りはぜひ選考にしたい事例です。
晃和住宅 海の街・小樽に似合う白壁の3階建て住宅 晃和住宅

ロードバイク収納+トレーニング場がある家 札幌市T邸



Tさん夫婦は結婚が決まってからどこに住むか、どのように住むかを話し合い、ふたりの出会いとなった自転車を楽しむ暮らしを実現するため、新築と並行して中古住宅を購入してリノベーションすることも候補の一つにしたそう。そして実現したのが自転車と暮らすリノベーション住宅です。広く確保した玄関土間の一角には、壁面を使ったロードバイク・スタンドと、トレーニング用のローラーのスペースを確保しました。家に帰ってドアを開けるとそこには大好きな愛車が目の前に。整備はもちろん、ローラーも出来る、理想の我が家になりました。

ご夫婦共通の趣味であるロードバイクを楽しむ家。冬の間、外で走らせることが出来なくても、専用の器具でトレーニングができるなんて嬉しいですね。
リビングワーク 中古戸建をリノベして、大好きな自転車と暮らす/札幌市Tさん/リビングワーク

リビングに滑り台のあるプレイスペース 余市町K邸



パリのアパルトマン風なインテリアを楽しむKさんのお宅は、オープンなリビングの一角に子供のプレイスペースを設けました。ママがキッチンに立っていても目が届き、ソファに座ってテレビを観ていても振り返れば様子を確認することができます。滑り台やハンモッグを使って、お子さんが家の中でもアクティブに遊ぶことができるようになりました。

小さなお子さんの場合、プレイスペースはママの視線が届く範囲が理想ですね。成長とともに家族共有のワークスペースにするなど、様々な使い方が出来そうです。
イネスホーム イメージはパリの古いアパルトマン/余市町・Kさん

ボルダリングができる子供部屋 札幌市



2階には子ども部屋と寝室、お風呂、洗面室があります。
子ども部屋は車庫上のスペースを活用したスキップフロアで、ベッドを造りつけ、壁にはボルダリングのホールドを設置した遊び心のある内装です。
記事はこちら テレワークも快適!工房と隠し部屋のある家 札幌市/アシストホーム

クローゼット入口に懸垂棒がある家 札幌市N邸



札幌市Nさんのお宅はご夫婦と3人のお子さんの5人家族。子供のプレイスペースとして使っているリビング横の部屋は、奥さまがプリザーブドフラワーの教室にも使う予定で、用途に合わせて部屋を使い分けられるフレキシブルな造りです。ご主人は、主寝室に書斎コーナーと「懸垂棒」を希望。懸垂棒は空間をうまく活用し、ウォークインクローゼットの間口に設置しました。

間口に懸垂棒を設置するというアイデアは、省スペースでインテリアも損なわず、参考にしたいものです。腹筋や背筋なども加えると、寝室でも本格的なトレーニングが出来そうです。
アシストホーム プリザーブドフラワー教室に変身するプレイルーム/北区Nさん

中庭やフリースペース・家族で遊べる家 札幌市S邸



札幌市のSさんのお宅には、建物にコの字に囲まれ、ルーバーで目隠しをしたプライベートな中庭があります。室内からも見渡せるこの庭は、まだお友達と公園まで遊びに行くことが難しい就学前の子供の遊び場として、家族でバーバーキューを楽しむアウトドア空間として重宝しそうです。2階のフリースペースは、第2のリビングとして子供と目いっぱい遊べる空間です。夕食後のひと時をこちらで過ごすことも多いそう。

家族みんなで体を動かして遊ぶことができるフリースペース。こうした広々とした空間の確保は、設計段階での綿密な収納計画があったからこそのことでした。
拓友建設 建築家ととことん話し合ってつくった収納豊富&中庭がある札幌・手稲のコートハウス/拓友建設

薪割・畑仕事がもたらす適度な運動 当別町I邸



元々は札幌の都心に居を構えていたIさんは、自然豊かな田舎への移住を実現しました。春から秋にかけては、広大な敷地を使って、種まきから水やり、草むしりなどの畑仕事を楽しんでいます。「夏は畑を耕して無農薬で野菜を育てて食べる。薪を割って乾燥させて、冬に備える。大変だけど好きだから、全然苦にならないんだよね」とIさん。冬に使う薪は、全てIさん夫妻が自分たちで薪割りをして乾燥させたもの。地域の農家の人たちが、伐採した木があると声をかけてくれると、奥さまと一緒に愛車の軽トラックで向かい、切ってトラックに載せて自宅まで運び、薪割り機で細かくし、それを乾燥させて小屋に積み込むという重労働です。

このように、畑仕事や薪ライフを通じて自然と体を動かす暮らしも参考にしたいものですね。
辻野建設工業 辻野建設の施工例(当別)薪も食べ物も自分で作る!薪ストーブの家

ペットの運動不足解消もできる住宅 札幌市K邸・S邸




札幌市Kさんご夫婦のリクエストの1つは、「5匹のネコが快適に暮らせる家」。2階リビングにはキャットウォーク、そして何と「ネコ用バルコニー」も。各所にくぐり戸やステップを設けて、ネコちゃんたちは家じゅうを自由に動き回ることができます。「ネコたちは、すごく楽しそうに毎日暮らしていますね。本当に建てて良かったなあと思います」とKさん。

また、札幌市Sさんは玄関からリビングの横に続く細長い廊下のような土間スペースを希望しました。リビングの仕切り壁後ろにあるケージまで、玄関から愛犬と行き来するためです。散歩から戻っても、土間部分には蓄熱式の床暖房を入れているので冬でも暖かく、愛犬も快適に暮らしているようです。

家を建てる時には、家族の一員であるペットの快適な暮らしにも配慮したいものですね。こんな風に本格的な運動動線があったら、ペットたちも幸せですね。
サンケイ健匠 ペットと暮らす、アウトドアを楽しむ~サンケイ建匠施工例まとめ(1)

自転車・スノボなどを整備できるガレージ 旭川S邸



日本ではガレージは、車やバイクを収納する車庫、という定義かもしれませんが、ガレージライフの本場アメリカでは、車をしまうだけではなく、車を整備したり、日曜大工の工具を置いて作業する作業場、さらには趣味を心置きなく楽しむ秘密基地的な意味あいもあり、旭川のSさんは、自転車やスノーボード、釣りなどアウトドアの道具を整備する基地としてガレージを作りました。

カルフォルニア系デザインのガレージが欲しかったご主人。アーケンの藤原社長に相談し、旭川の積雪荷重にも耐える、しかもデザインの良いガレージを購入しました。ガレージ内部に、木造で小屋も作りました。好きなスポーツのグッズなども並ぶお気に入りの空間です。
アーケン 後編 楽しいガレージライフ&インテリア水槽 元断熱職人のこだわりご自宅ご紹介/旭川・アーケン

家を建てるためにみんなで木を伐採? 旭川・S邸



これは、家で運動するというより、家を建てるために身体を動かすという話で、若干脱線ですが・・・
家を建てるために、地元の木材を使いたい→きこりの指導を受けながら、山主の了解ももらって仲間と近所の山から白樺を伐採するために大勢の仲間の協力を得る→木を人の力で運ぶ→家具職人や大工さんの協力を得てカウンターテーブルに加工するというお話です。

旭川の住宅会社、アーケンは、建て主のライフスタイル、趣味、実現したいことを家づくりに反映させる思いもよらないアイデアを持っています。
アーケン 住宅の木材は近所の山から?白樺プロジェクトin江丹別(旭川)その1

今回はクライミングウォールやブランコ、うんていや懸垂棒、ロードバイクなど、運動ができるアイテムを採り入れた住宅のほか、中庭やファミリースペースといった+αの空間のある住宅、畑仕事や薪割など作業を通じた運動を楽しむ住宅、ペットの運動不足解消を配慮した住宅などをご紹介してきました。今年のように新型コロナウィルスによる休校や休業で、自宅待機を余儀なくされるような事態では、こうした工夫が暮らしの質を高めてくれることも期待できそうです。ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。


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