今回、取材をお願いしたのは入居して3年目のお宅です。コロナ禍で増えたおうち時間をどのように工夫していたのでしょう。ステイホーム期間中のライフスタイルを教えていただこうと訪ねると、テレワークに活用されていたのは意外な場所でした。驚きの空間活用術を紹介しましょう。
敷地の高低差を生かした設計
家が建っているのは、道路から裏側のお庭に向かって上り坂になっている高低差のある敷地です。
正面はビルトインガレージのすっきりしたフォルムですが、横から見ると道路側のコンクリートの基礎が高くなっているのがわかります。
玄関を開けたら2WAYの階段
玄関を開けてまずびっくり。
いきなり二方向に階段があります。
どちらを上がればいいか迷いましたが、そのタネ明かしは後ほど。
階段を上ったらリビングへ
実はどちらの階段もLDKにつながっています。
リビングは吹き抜けで、窓は南向き、開放感のある気持ちのいい空間です。
よく見ると、壁掛けテレビ左横の開口や、インターホンを取り付けた壁のニッチ、階段側の飾り棚などが、すべて三角屋根のおうち型。同じモチーフがリンクして統一感のあるデザインになっています
ダイニングはインナーテラス風
リビングの床は厚さ15ミリのナラの無垢材。ダイニングキッチンの床はヘキサゴンタイルです。
「ダイニングをインナーテラスみたいにしたかったんです。海外インテリアの画像を参考にしたんですが、日本では正六角形の本物のタイルが入手しにくいので、塩ビ樹脂のフロアタイルにしました」と奥様。
フローリングからフロアタイルに変わる境目が幾何学的な組み合わせになっており、グレーの濃淡と白を配置したデザインもステキです。
ボルダリングができる子ども部屋
2階には子ども部屋と寝室、お風呂、洗面室があります。
子ども部屋は車庫上のスペースを活用したスキップフロアで、ベッドを造りつけ、壁にはボルダリングのホールドを設置した遊び心のある内装です。
ディスプレイを楽しめる場所がいっぱい
設計はアシストホームのチーフプランナー村田繁治さん。壁掛けテレビを額装するように造作したり、キッチンのオープンシェルフに間接照明を仕込んだり、細かなところに技が効いています。
それにしても玄関やキッチンのディスプレイ、センスが良すぎませんか。まるでインテリアコーディネーターが手掛けたモデルハウスのスタイリングみたいです。
それもそのはず、奥様はアクセサリーを手づくりしている作家さん。10年ほど前からハンドメイドした作品を「nami iro」のブランド名で委託販売しています。
2.5畳の工房でアクセサリーづくり
「トイレくらいの大きさでいいから、工房がほしい」と頼んでつくってもらったアトリエは、1階リビングのテレビボードの奥にあります。
「ちょうど作業中で片付いていませんが」と、中をのぞかせてくれましたが、2.5帖の工房には、天然石やビーズ、金具など、小さなパーツがぎっしり。
いまは札幌ドームで開催されるイベント「さっぽろモノビレッジ」で販売予定の作品を制作中なのだとか。
アクセサリーのほかにも庭で育てたラベンダーと天然石を組み合わせたオブジェなど、小さくてかわいい作品をひとつひとつ丁寧につくりためています。
玄関から右の階段は、工房を経由してリビングに続く動線なのでした。
びっくり!床下を隠し部屋にDIY
奥様が工房で作業する間、ご主人はどこでテレワークをしているのでしょう。
「最初は子どもが登校した後に、子ども部屋を使っていたんですが、ずっと占領するわけにもいかないし、今は下でやっています」とご主人。
下? 下って? 首をかしげていると、「見ます?」と、床下の隠し部屋へ案内してくれました。
玄関クロークの奥に、リビングの床下へと通じる小さな戸がありました。
「敷地に高低差があってコンクリートの基礎が高く、床下にかなりのスペースができるので、物置きにしていたんですが、ここで仕事もできるかな、と自分用に改装してしまいました」とご主人。
DIYでデスクと本棚をつくり、パソコンを持ち込んで、座り心地のいいチェアを置いたら、落ち着くプライベート空間になりました。
夏は涼しく、冬はポカポカ。まさか床下の物置きがこんなふうに使われているなんて、びっくりです。
庭も夫婦二人で手づくり
ご主人も奥様もふたり揃って手づくり派。
庭のフェンスもご主人が自分でつくり、芝は種から育てるなど、庭づくりを少しずつ楽しんでいます。
家にいる時間が多かった今年は、家庭菜園でじゃがいもや枝豆など、いろいろな野菜も収穫したそうです。
ステイホームの期間中にペットも飼い始めました。小学生のお子さんも新しく家族に加わった愛犬が大好き。外で友達と会えないぶん、愛犬と一緒に遊んでいたといいます。
家が快適なのでおだやかなステイホームに
お子さんが小学校・中学校に通学しやすい土地を探して、1年半かけて見つけたのがいまの場所。
以前住んでいた家はオール電化で、広いけれど寒かったため、ご主人が希望したのは「とにかくあったかい家」。要望通り、新しい家は家全体が暖かく、光熱費もとても経済的。
アシストホームで建てたのは、ご主人が仕事関係で紹介され、モデルハウスを見てLDKのデザインが気に入ったのがきっかけ。住み始めて丸3年になりますが、「こうすればよかった」というような後悔や不満はひとつもないそうです。
見学したモデルハウスはこちら。
「今年は外出自粛の時期が長く続きましたが、家が快適なので、出かけたいという気持ちにもなりませんでした」と奥様。夫婦がそれぞれ自分の世界に没頭できる工房と隠し部屋のある家で、ストレスフルなステイホームの期間中も平和に穏やかに暮らせたようです。
工房(右)を経由する廊下に、リビングから光がさしていました
2022年01月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。