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性能訴求&デザイン志向のバランス型工務店

 晃和住宅は、昭和58年に、大工でも建築士でもない「素人だった」という小川敏夫氏が住宅会社の社長に就任することから開始。以来25年間で、約300棟の実績、社員10名、さらにモデルハウス展開なども行う地場中堅ビルダーに成長した。

社長になった経緯が変わっていますね

kowa01_img01.jpg小川 1980年頃。勤めていた札幌市内の住宅会社で、私は運搬などの仕事をしていました。社長不在になり、借金も残され、残った大工さんや取引先の方々も、もちろん私も途方に暮れていたのですが、何故か当時32歳の私に対し皆さんから「お前が社長をやれ」と言われ、資金援助や仕事をくれる人まで現れて、83年に晃和住宅株式会社を設立したのです。それまではハウスメーカーの下請工事中心でしたが、自ら一戸建て住宅の受注をする方針を定め、私と大工さん3人、営業担当1人、設計は外注というスタートでした。
<写真:小川敏夫社長>

kowa01_img02.jpg 32歳、すでに住宅を建ててローンもありました。建築士でも大工でもなく、経営者としての経験もありませんでした。つい数日前まで大工さんに指示されて仕事をしていた人間が、社長になったのです。以来ずっと心がけてきたのは、住宅業界の先輩方の知識・経験を学び、素直に聞くということがまず第1でした。住宅業界の様々な会に参加し技術を学びました。私はほぼ毎日現場で働いていますが、他社の現場を覗いて「口だけの高断熱高気密」を見ると、我々晃和住宅はよく頑張っているな、と思ったりします。社員はいまでは私の他に現場管理3名、設計3名、営業2名、経理1名、大工5名の会社になりました。これまで札幌圏で300棟以上の実績があります。年間25棟程度の新築工事をさせていただいています。
<写真:施工例1>

晃和住宅の特徴は?

kowa01_img03.jpg小川 工法の面では、新在来工法や2×4、ログハウスなど。シンプルモダン系やナチュラル系、輸入住宅系など、当社はあくまでオーダーメイドの家づくりですので、様々なタイプの家づくりができます。ゲタ箱、収納棚、クローゼット、キッチン、テーブルなどを当社の大工が、メーカー品よりも安く、希望通りにオーダーで制作することもできます。インテリアや造作の提案も当社の得意分野です。主に札幌圏を施工エリアにしていますので小樽や余市、苫小牧、恵庭などへも出張できます。新築だけではなくリフォームも行い、土地の紹介もできます。社屋は事務所と作業場を併設しています。社屋2階の応接室は広く、建材などのサンプルもありますので打ち合わせもしやすい環境です。モデルハウスや雑誌広告などで皆さんに知っていただける機会も増えました。地元工務店8社で結成した「リベラル事業協同組合」では住宅性能のレベルアップのための技術交流や、建材の共同仕入れなどを行っており、この場で得たものも当社の商品力向上に役立っています。
<写真:施工例2>

小川社長の家づくりに対する考え方は?

kowa01_img04.jpg小川 私は今でも現場で仕事をしています。社内の設計者がお客様とプランを打ち合わせしていると、建築家はお客様の理想を叶えたいと思ったり、デザインに凝りたい気持ちが強いので、窓を大きくしたり、斬新なデザインを提案しようとします。一方私は、大工側の目線で、できるだけ長寿命で頑丈、狂いやクレームが発生しない、しかもデザインがシンプルで断熱性能が高くなりやすいデザインが好きです。水周りは一カ所に集めたり、外観が凸凹していない方がコストも安くなるという意識が強い。全室暖房と全室換気、断熱性能が高い家に住んでいただきたいと思っております。両方の意見に一理ありますから、お客様ご自身が何を重視するのか、両方のメリット・デメリットをしっかり検討していただける材料を提供できます。 <写真:晃和住宅株式会社社屋>

記者の一言

晃和住宅がこれまで札幌圏で成長してきたのは、小川社長の朗らかな人柄も貢献していると思われる。「素人目線」を持ちながら、住宅業界の先輩方の知識や経験を素直に聞く姿勢を持っている。「どんな工法でもデザインもできる、って言うと特徴が出ないからだめだぞと同業者に言われたんです。何か特徴を打ち出すべきですか?」と記者も逆に質問されました。

2009年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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