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アメリカンヴィンテージ家具が映える60年代調ナチュラルモダン 札幌市・Oさん 晃和住宅


キャンプと海釣りをこよなく愛するオーナーのこだわりを最大限に取り入れた、マリンリゾート的なカジュアル感が魅力の住まい。
シンプルな木のインテリアで統一したマイホームにDIYで手を加えながら自分流に住みこなす札幌市のOさんにお話を聞きました。

「海」を感じさせる西海岸カラーの外観



目の覚めるようなブルーの木製サイディング貼りの外壁と、真っ白な建具やバルコニーのコントラストが鮮やかなO邸。
「初めて来る人も『青い家』と言えばすぐにわかります」。ご主人の言う通り、まだ雪が残る街並みの中、ひときわ目を引くインパクトのある外観です。木の目隠しと外物置も外壁と同じブルーで統一。



木製サイディングの塗装は本来の質感を損なわないよう、木材に青色の染料を染み込ませる方法を用いています。原色に近い青を使っても人工的な感じがしない自然な仕上がりに木にこだわりのあるご主人も満足。
「子供の頃から図工が得意で今もDIYが趣味。その延長で木という素材が大好きです。新築する時も内外装に木を使ったデザインにしたいという希望が第一にありました」。

インターネットで木を生かした家を多く手がける会社を探し、候補に挙がった数社の中から晃和住宅に決定。
「要望を伝えると、すぐに図面を作って下さいました。対応が早く、デザインも好み。会社も同じ地域内なので即決しました」。

木の表情が楽しめるアウトドア的居住空間



アメリカンヴィンテージのソファが置かれた気どらない感じのリビング。木目がクッキリと浮き出た針葉樹合板表しの壁が印象的なウッディモダンの空間です。天井は白のクロス貼り。トイレを除く水廻り、2階にある主寝室と2つの個室も同じ組み合わせです。
無垢のフローリングの感触を楽しみながら、木が持つ味わい深さを堪能できるこのリビングはOさん夫妻にとって1番落ち着ける場所。

木の自然な形を生かした存在感のあるテーブルはご主人の作品です。長さ約2mの曲がり板2枚の間に色の違う木を挟み、繋ぎ合わせた手の込んだ一品。



テラス窓のそばには赤いハンモックが揺れています。家に居ながらアウトドア気分を味わえるくつろぎのスペース。上部の梁に建築段階からハンモックを取り付ける金具を設置しています。



ミルクガラスのランプシェイドがついたヴィンテージ調のペンダントライトがお洒落なダイニングスペース。木で造作したカウンターにはOさん夫妻が集めたファイヤーキングのマグカップが並んでいます。

木の内装の水廻り。棚の設置も自由自在



キッチンはハンモックと同じ赤。背面に扉のないシンプルな収納棚を造作しました。普段使う食器や小物などは棚に並んだおそろいのプラスチックケースに分けて収めています。カラフルなロールスクリーンが掛けられた部分は食品庫。



ヴィンテージのキャラクターグッズがディスプレイされた手作りの飾り棚。
「棚板の裏にドーナツ型のマグネットが付いていてステンレスの蓋のついたプラスチック製の容器をくっつけられるようになっています。落としても割れないから安心」と奥様も使いやすそう。



キッチンの隣にある洗面スペースには真っ白なカウンタートップに赤の収納扉を合わせたポップな洗面台を造作しました。
ここにも実際に住んでみて奥様が必要と思ったところに棚を設置。下地補強なしで自由に棚を造れるのも構造用合板表しのメリットです。釘の跡も目立ちません。



トイレはお掃除しやすさを優先し、ブルー系のタイル柄のクロスで仕上げました。ピンクの便器やペーパーホルダーと相性の良い色・柄が奥様のお気に入り。カウンターの下はトイレットペーパーなどを入れる収納になっています。

男前なアイテムが似合う土間空間



リビングと一体化したL字型の玄関ホール。アウトドア好きなご主人の「家の中にも靴のまま歩き回れるスペースが欲しい」という要望から生まれた土間の空間です。天井のアクセントクロスはネイビー。

「オープンな家にしたかったのでリビングとホールの間に壁を造らず、光を遮らない木の間仕切りで分けています。階段も開放的なデザインにしました」。

ホールを歩く時はスリッパがわりのビーチサンダルを履きますが、1、2階の居住空間だけでなく、土間部分にもガス熱源の床暖房が敷かれていて素足でも冷たくありません。



木の透かし階段には落下防止のため麻ひもで編んだネットを後付け。海の家のような雰囲気を演出するアクセサリーとしても素敵ですね。



インダストリアルなトグルスイッチ。レバーでオン・オフを切り替える方式のスイッチで船室や工場などによく使われていますが、コンクリート床のこの家のホールにもピッタリです。リビングも同じものを使用。



ホールと階段室には船舶用の照明を設置しました。レトロ調のお洒落なデザインもさることながら、耐久性が高く、長く使えるのも魅力的。



玄関を入ってすぐ左には海釣りに使うルアーの工房があります。

揮発性の塗料や接着剤を使用するため有害化学物質や臭いが充満しないよう換気用の窓のほかに個別換気扇を設置。グレーの壁は耐火性に優れた木毛板です。

大容量の本棚のある寝室とキュートな子供部屋



ウォークインクローゼット付きの2階・主寝室には「収納をなるべくたくさん」という奥様の希望で可動式の棚板のついた壁一面の棚を造り付けました。オーディオラックがわりの収納ボックスとテレビも収まります。



ガーリーなカフェカーテンが可愛い子供部屋。おもちゃ箱みたいなこのお部屋の主・Mちゃんが肌触りの良い無垢のフローリングの上を裸足で走り回っています。
「1階も2階も寒いところがなく快適。夜もぐっすり眠れます。床暖房だけでこんなに暖かいなんて」と奥様。暖房にかかるガス代は厳寒期でも月2万円強で済むそうです。

「程よい距離感に満足」。趣味のDIYも満喫



「今の家の形が固まるまで図面変更を何度かお願いしましたが、毎回、良いプランを作っていただきました。こちらの要望に対し『出来ない』と言われたことは一度もありません」。晃和住宅との出会いから引き渡しまでの約1年間を奥様はそう振り返ります。

新築の記念として外壁の塗装にはOさん夫妻、Mちゃんと一緒に、現場との橋渡し役を務めてきた営業担当の杉林純子さんも参加しました。
「広すぎず、狭すぎず、家族とちょうど良い距離が保てる家。DIYで思い通りにカスタマイズできる楽しさもあります。次はキッチンカウンターの下に置くワゴンを造る予定」と笑顔をのぞかせるご主人。奥様も出来上がりを心待ちにしています。

記者の目



「天井が構造材表し、壁がクロス貼りの家を希望する方はこれまでにもいらっしゃいましたが、その逆は造り手側から見ても新鮮」と取材に立ち会って下さった晃和住宅の杉林さん。どこにでも棚が造れるのもDIYが趣味の方にとって魅力的ですね。

記事 佐野 結花
写真 北海道住宅新聞社

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参照:モダン系住宅30選(札幌・旭川・帯広・函館)


2021年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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