我が家を建てるために、中古住宅を売ったり、土地を買ったりといった不動産取引が必要になるケースは多いと思います。希望に叶う土地に良い家が建ってこそ「良い住宅」が実現できる。サンケイ建匠の湯浅社長に話を伺いました。
良い土地、良い工務店に巡り合えない?
湯浅 我が家を建てるために納得して土地・建物を売買する、しっかり返済できるように十分に検討して住宅ローンを組む、技術力の高い工務店を探す、自分たちのライフスタイルや希望のデザインを実現できる建築家・インテリアコーディネーターを見つける...。 このように理想の住宅を取得するためにオーナーがやらなければならないことはたくさんあります。全てをハウスメーカーなどの一社にお任せするという方法もありますが、問題は全ての面でしっかりとした提案と仕事をしてもらえる状況になるかどうかです。 土地探しに何年も費やしたのに理想の住宅には不向きな土地だったり、住宅会社選びに失敗して住んだあとに不満が出てくるというケースは少なくありません。サンケイ建匠の場合は?
湯浅 当社は昭和62年、新築戸建て住宅、住宅リフォームを業務とするサンケイ建匠として設立しました。ただし不動産取引を中心としたサンケイグループとしては30年の実績を有しています。土地探しをされているお客様に希望に合った土地をご紹介させていただくことに始まり、当社がファース工法で施工する住宅の構造現場見学会・完成現場見学会で共感いただいたお客様に、施工もお任せいただくというケースがほとんどです。土地と住宅ローンなどは社内の宅地建物取引主任者、ファイナンシャルプランナーがご相談に応じ、設計・デザインは建築家の塚本高正氏と当社の一級建築士というように、それぞれの専門家がお客様の要望を伺いながら力を発揮していきます。
根幹とも言える良い家を建てる技術力に関しては、全棟気密測定を実施し、相当隙間面積(C値)が平均0.3という成績です。ファース工法による断熱性能の高さを示すため、契約前に住宅性能調査算出書をお客様に提示し、年間暖房費の目安を知っていただくなど、住宅性能の高さを明示しながらの住まいづくりを行っています。
会社をどのように発展させてきた?
湯浅 もともと不動産会社ですから、土地の紹介は専門です。しかし住まいの満足はそこにいい家が建ってこそ。設計・施工部門を新設し、基礎や躯体の段階での社内検査を徹底する一方で、現場の大工さんの熟練度に左右されないファース工法を導入しました。 施工現場をお客様に公開し、見ていただくことで新たな受注をいただくというスタイルを確立し、オーナー様とはしっかりとした打ち合わせを行い、現場写真などをメールでお送りする、完成保証制度をつけるなどの取り組みで信頼を得てきました。 受注棟数は年間12棟限定、施工範囲は会社から半径30㎞限定にこだわっていること、アフターメンテナンスに専属社員を配置しているのも、コミュニケーションを大切にしながら1軒1軒をしっかり建築し、お引き渡し後のアフターメンテナンスも着実にさせていただくためです。人材教育も重視しており、社員全員が資格者かつ現場経験者です。技術がわかる設計、技術がわかる営業、技術が分かるアフターメンテナンスのスタッフを育てているのです。デザインセンスだけでは後悔も生まれる?
湯浅 建築家とのコラボは、より顧客満足度の高い住宅を提案したいと考えたからです。数年前ですがデザイン志向型住宅会社と競合し、負けたことがありました。何年か経ってオーナー様に当社の敗因を伺ったところ「住宅の品質や価格、対応力では良かったがデザインで他社を選んだ。でも数年経った今、冬場の光熱費や使い勝手の悪さで後悔している」という話を聞いたのです。しっかりとした住宅性能を提供できるのに、お客様に後悔させるようではだめだ、と考え声をかけた建築家が塚本高正氏。彼は住宅だけでなく、スィーツもデザイン。パティシエ土井大輔氏と一緒にカフェ「ル・ヴァンタィユ」をオープンさせるなど新進気鋭のデザイナーです。ライフスタイルとニーズを踏まえた土地、デザイン、住宅ローン、こういった良い住宅を毎年一定のお客様に限定して建てさせていただき、きちんとアフターフォローする。そういう会社であり続けるために日々取り組んでいるのです。
記者の一言
昭和48年生まれの30代工務店社長というだけでも珍しいが、2代目でもなく、社員として経験を積んで、役員を経て平成19年に社長になったとのこと。日頃は現場の点検、お客様対応とエネルギッシュに奔走している社長に、住まいに関するいろいろな相談をしてみることをお勧めします。
2009年10月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。