緑豊かなロケーションを生かした大空間のリビングが見どころのK邸。採光に不利な北東側にはライトコート(光庭)を設け、延床面積約86坪のゆったりしたスペースの隅々まで日差しが届く伸びやかな住まいを実現しました。防音対策万全のピアノ室など「ゆとりの空間」も充実。Kさんにお話を聞きました。
日当たりも眺めも抜群のリビングダイニング
ご夫婦と6歳の長男、1歳の次男の4人家族が暮らすK邸は大きな公園に面した2区画分の広さの角地に建つ総タイル貼りの家。凹凸のあるアシンメトリーな建物ですが、通りから見える開口部と玄関、ガレージ入り口の上端を揃えて横のラインを作り、調和のとれた端正なデザインに仕上げています。ガラス張りの造作建具で仕切られた風除室とホール。目の前には15mはありそうな長~い廊下があります。
左に進むと階段を中心とした回遊動線上にリビング・ダイニング・水廻り・書斎・主寝室を配置したオープンスペースが。お子様が独立して夫婦2人の生活になった時のことを考えた1階で完結する間取りです。
公園を望む南東面に大きな開口部を設けたリビングは天井高約3.5m。突き抜けるような開放感が魅力です。南西面にも窓があり、日中を通して日が入ります。
前の家は窮屈でくつろげなかったと振り返るご主人。「仕事の都合で4人揃って旅行にも行けないので家族一緒の時間を過ごすリビングを居心地良くしたいと考えていました」。
お子様たちも日当たりが良く広々とした室内でのびのび。2階に子供部屋がありますが、まだ小さいので遊びも勉強もこのリビングで。来客時は引き戸を閉めてダイニングへ。
内装は一部を除いて調湿機能と臭いを吸着する効果がある塗り壁。専用の熱交換換気システムと床下に敷き詰めた調湿剤により温度・湿度と空気質をコントロールして快適な住空間を創る「ファース工法」を採用しています。奥様によると、湿度が年中安定していて乾燥する冬でも喉が痛くならなかったそうです。
「ファースの家の見学会でサンケイ建匠さんを知りました。スタイリッシュなデザインに惹かれましたが、それ以上に構造や性能など目に見えない部分を丁寧に造る姿勢に共感し、施工をお願いしました(ご主人)」。暖房はエコジョーズ+エアコン。ガスと電気のハイブリッド暖房でトータルの暖房費を低減します。
読書の習慣が身につく環境を
キッチンはリビングとダイニング全体が見渡せる位置に。「好き嫌いしないよう子供たちに料理を作っているところを見せたい」という奥様の要望で油飛びを防ぐガラスの仕切り板が付いた対面式を選択しました。オリジナルのキッチン収納は引き出しの少し上を軽く押すと作業台が出てくる仕掛けです。
リビングのすぐ近くに書斎スペースがあります。「本に親しめる環境を整えてあげたかったので」と奥様。天井まである造作書棚にはご主人の蔵書と一緒に児童図書が並びます。出勤前に書斎で仕事をするのが日課のご主人。その姿を見てお兄ちゃんも朝のうちに勉強を済ませるようになりました。
「光庭」により採光面の弱点を克服
K邸のような大きな建物は総2階の四角い家にすると日が全く入らない薄暗い部分が出来てしまいがち。そこで玄関ホールの向かい辺りに真ん中に木を植えた光庭(ライトコート)を造り、北東面の日当たりの悪さを解消しました。緑をピンポイントに使ったお洒落な採光計画です。光庭に面して大きなFix窓を設けたおかげで家の中心部を通る廊下が縁側的な空間に。背の高い目隠しがあるので通りからの視線も気になりません。
廊下沿いのモダンな和室は光庭のある南西面に円形の窓を設置。ライトアップした庭から漏れるほのかな灯りに包まれて過ごす秋の夜長も素敵です。
趣味を楽しむスペースも。2階には音響専門の会社に防音や音響効果をきちんと計算してもらったピアノ室があります。釣り竿やスキーの手入れと保管に使うご主人専用のクラフトルームも出来ました。
「我が家だけが特別なのかと思うほど親切に対応して頂きました。前の家は冬になると足下が冷えて辛かったのですが、今年は快適。部屋が暖かいと朝の仕事が効率良く進みます。ビールも美味しく感じらますね(ご主人)」
記者の目
K邸では換気システムのメンテナンスがしやすいよう2階・納戸の小屋裏に大人が立って歩ける空間を造り、その中に本体を設置。縁の下の力持ち的な工夫がこの家の快適さを支えています。多趣味なKさんのライフスタイルが反映されたプランも印象に残りました。
また、災害時などの停電に備えてガスで自家発電できる「エネファーム」も搭載(写真は、発電状況を示す液晶モニター)。地震だけでなく、台風や猛吹雪など、災害被害はいつ身に降りかかるかわかりませんので、心強いですね。普段は発電と発電時の余熱でお湯も作っており、光熱費の低減に役立っているそうです。
2016年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。