札幌市西区八軒に拠点を構える(株)SANKEI(サンケイ・湯浅岳雄社長)は、不動産部門と建築部門をもっており、土地探しから設計・施工、引き渡し後のアフターメンテナンスまで、安心して任せられる数少ない会社のひとつ。
ワンストップで顧客に寄り添う体制と、暮らしやすいプランやファース工法による快適な温熱環境の家づくりに定評があります。
今回は住宅部門・サンケイ建匠の家づくりについて、施工現場から住宅完成までを追い、ご紹介します。
建築中の現場でファース工法の様子を見学
2024年9月下旬ごろ、構造現場見学会があると聞き、編集部がお邪魔しました。現場は札幌市内の都市部に建つ3階建ての住宅です。
今回は3度目となる建築家・堀部太(ほりべふとし)さん(堀部太建築設計事務所)とのコラボレート。堀部さんが設計を担当し、ファース工法を採用したいというオーナーの希望で、SANKEIに施工依頼がありました。さっそく中を拝見していきます。
広いシューズクローゼットを備えた玄関を抜けると、吹き抜けの明るい階段室があります。限られた敷地に建つ住宅の内部は、建物前面が連続した採光窓になっており、窓に沿って1階から3階までスケルトン階段が配されていました。
2階にLDKをプラン。窓からの採光で明るい空間です。その中心に立つのは18cm角の構造柱。間仕切りのないオープンな空間を支えています。「大黒柱」にふさわしい存在感で、なかなかお目に掛かれない太さです。
「ファースの家」の特徴について入山さんに伺います
「ファースの家」は専用断熱材を採用したダブル断熱で、高い断熱性・気密性を誇ります。また、天井裏で換気して温度調整をし、床下で調湿・清浄したきれいな空気を家全体に循環させるので、過乾燥や多湿になりにくいという特性を備えています。ここからはファース工法について、入山さんに詳しい説明をお聞きします。
詳しくは「ファースの家」公式動画もご参照ください▶「ファースの家」空気の流れ/冷暖房の仕組み
Q 「ファースの家」の断熱はどのようになっているのですか?
入山さん 「ファースの家」は内外ダブル断熱で、外側には専用のウレタン系板状断熱材「ファースボードK」を採用。内側にはウレタン樹脂系ノンフロン断熱材「エアクララ」を、屋根から壁、基礎まで、家全体を覆うように吹き付け施工していきます。現場発泡スプレー方式の「エアクララ」は、さまざまな形状に対応でき、難燃性も高い素材です。
Q キレイな空気の流れや、暖冷房について教えてください
入山さん 室内壁と断熱層の間に通気層を設け、暖気や冷気が家全体に回るようになっています。冬は通気層を通る暖気が家全体をじんわりと暖めことで、構造体の結露防止にもなり、中にいる人はやさしく心地良い暖かさが得られます。
入山さん 冷暖房は、天井裏に設置したエアコンで行います。このお宅は3階に収納場所をつくりました。ここにはエアコンの他に、新鮮な空気を室内に循環させる「AIキット」も収まっています。
AIキットで床下に集められた空気は、調湿空気清浄剤「ファースシリカ」で湿度をコントロール。調湿されたサラサラな空気が、天井・壁内部、床下まで常に循環するので、人の健康と家の構造体を守る「耐久性」「調湿機能」ともに優れた工法です。
この日は「ファースの家」の一番気になる「断熱構造」について確認することができました。どんな風に仕上がるのか、完成が楽しみです。
11月上旬、完成住宅見学会を再訪問
前回は工法・構造部分についてじっくり見学させていただきました。今回はプランやデザインについて拝見します。
足元から暖かい!1階主寝室
1階ホールの右手にはスケルトン階段が、つき当りには主寝室があります。ホワイトで統一された主寝室には、ゆったりサイズのウォークインクローゼットや収納棚を完備。足元からポカポカと暖かく、空気もきれいで、この時点から心地よさを実感できます。放熱器が無いことで、広々とした空間が得られるのも魅力です。
コンパクトな中に暮らしやすさを凝縮した2階LDK
オープンな2階LDK。アイランドキッチンと大容量の背面収納はキッチンハウスに発注したオリジナルです。
モルタル調の面材がスタイリッシュなキッチン。
ダイニングに造作した収納はスッキリ見える扉付き。向かって左の棚にはコンセントが仕込まれており、上に置いて使う予定のプロジェクターにつなげられるよう、天板に配線口をつくっています。
階段室の奥に位置する洗面室とトイレ。シンプルで洗練された空間です。
洗面室からまっすぐつながるユーティリティー。ダイニングの壁向こうに位置します。ガス式衣類乾燥機「乾太くん」専用のスライド天板付きの台も設置しています。上部には引き出して使えるタオルストックも。
このほか、最上階の3階には、居室が2つ用意されていました。
施工面での工夫やエピソードを教えてください
美しく仕上げるためのさりげない配慮
入山さん 通常は換気ガラリを取り付けるのですが、こちらのお宅では、空気の出入口を目立たなくするため、床と天井に近い壁部分にそれぞれ15mmの隙間を設けて、空気の通り口にしています。大工さんにとってはひと手間ですが、美しく仕上げるためのこだわりです。
入山さん 連続窓は往来からの視線を遮り、光を拡散しながら採り込む不透明タイプ。1階から3階まで続く階段室の美しさがこの家の特徴の一つですが、納め方の細かい部分まで配慮しました。
建築家との仕事について教えてください
入山さん 建築家案件では、図面通りにつくることは勿論ですが、特にきれいな納まり(仕上げ)に配慮しています。堀部さんはファース工法への理解が深く、スムーズに現場が進行しています。「ファースの家」の施工業者としての実績も含め、信頼して任せていただけるので、やり甲斐もあります。
現場でファース工法の解説をいただいた上でお邪魔した完成見学会は、「空気がきれい」「暖かさが1階から3階まで変わらない」など、1つひとつの体感に「なるほど!」と納得の連続でした。
「ファースの家」の快適性とともにサンケイ建匠の丁寧な施工技術を再確認した取材となりました。
2024年11月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。