Story 取材記事

コンパクトでも広く見せるデザインとプラン 札幌市・Hさん/サンケイ建匠株式会社

マイホームづくりで誰もが直面するスペースと予算の壁。「そこで無理をすると住みにくい家になってしまうと思います」と語るHさんは限られた空間をムダなく大きく使い、スタイリッシュな鉄骨階段がよく似合うオシャレで開放感のある住まいを実現しました。

踏み板の薄い直線の透かし階段。採光を妨げない軽快なデザイン
踏み板の薄い直線の透かし階段。採光を妨げない軽快なデザイン
白を基調としたリビングダイニング。左奥のダイニングテーブルはHさんがペイント
白を基調としたリビングダイニング。左奥のダイニングテーブルはHさんがペイント
正面の幅1間もある超ワイドな引き戸の向こうが玄関。右の収納ドアは天井までの高さにしたことで見事に調和している
正面の幅1間もある超ワイドな引き戸の向こうが玄関。右の収納ドアは天井までの高さにしたことで見事に調和している
2階フリースペースから吹き抜けを通してダイニングが見える
2階フリースペースから吹き抜けを通してダイニングが見える
勉強と就寝ができるロフトが2つ並ぶ2階フリースペース。大きな開口部の外はバルコニー
勉強と就寝ができるロフトが2つ並ぶ2階フリースペース。大きな開口部の外はバルコニー
寝室の化粧台。生活感が滲み出ないよう収納のないデザインに。鏡の後ろは間接照明
寝室の化粧台。生活感が滲み出ないよう収納のないデザインに。鏡の後ろは間接照明
取材当日、カメラマンを見るとデジカメを取りだして無邪気に撮影ごっこを始めたお子さまたち
取材当日、カメラマンを見るとデジカメを取りだして無邪気に撮影ごっこを始めたお子さまたち
直線的なデザインながらソフトな印象のH邸外観
直線的なデザインながらソフトな印象のH邸外観

吹き抜けのあるシンプルなリビング

下のお子さんの小学校入学を間近に控えた今年始め、Hさんの待望のマイホームが完成しました。スリムな鉄の直線階段のあるシンプルなリビングダイニング。

吹き抜けの窓から入る午後の日差しが何とも心地よく、ついつい長居してしまいそう。11畳ほどのスペースですが、もっと広く感じます。全体の広さも延床面積で約27坪(90m2)とコンパクトです。

「サンケイ建匠さんで建てた先輩のお宅のような吹き抜けのある開放的な家にしたかった」というHさん。担当の入山俊也さんとも先輩の家づくりがきっかけで親しくなったそうです。

「家を建てると打ち明けてから完成するまで、土地のことも含めて相談に乗っていただきました。良く知っている人だから安心感があるし、不具合が起きた時も頼みやすい」。

ハウスメーカーにも見積もりを依頼しましたが、Hさんの要望に対して柔軟な対応が取れず、家の面積が広くなって予算を軽々オーバーするようなプランを提示されたのだとか。

それに対してサンケイ建匠さんはプラン対応が柔軟でした。
さらに、「玄関とリビングの間に目隠しとして幅1間、高さは天井まである巨大な引き戸の造作をお願いしました。入山さんもここまで大きなものは造ったことがなかったみたいですがやり遂げてくれました。ハウスメーカーさんなら『出来ません』とかんたんに断られたんじゃないかな」。

個室よりもフリースペース重視

Hさんが最も頭を悩ませたのが「約40坪の敷地と総予算の枠の中でいかにして広がりを生み出すか」という点。

「2世帯住宅で建物も吹き抜けも窓も大きい先輩の家をソックリ真似ることは出来ません。洗練された雰囲気と開放感はそのままに、もっとコンパクトにアレンジしないと。まず『ムダをなくして下さい』と入山さんにお願いしました」。

はじめに叩き台となる図面を作ってもらった後、Hさんは頭の中のイメージを図面に描いて要望として入山さんに渡しました。「ほぼその通りに造っていただきました」。

最大のポイントは2階のプラン。最初の図面では子供部屋が2つありましたが、リビングと吹き抜けでつながったオープンなフリースペースにしました。おかげで開放感がアップ。「そのうちプライバシーを確保できる程度の仕切りが必要になると思いますが、子供たちも今はまだ広い場所でのびのび遊ぶ方が面白いようです」。

フリースペースには収納と本棚の付いたロフトベッドを2つ造作。下のスペースに勉強机があります。小学1年生になった下のお子さんは「新しい家は机が2つ置ける」と大喜びです。

4年生のお姉ちゃんも「アパートでは騒いだら叱られたけど、今は走り回っても平気」。アイドルグループのライブを真似て友達と歌って踊るのが楽しいそうです。言われてみると、吹き抜けに面したこのフリースペース、ステージのようにも見えます。

踏み板の薄さにこだわった階段廻り

Hさんご夫妻お気に入りの階段は当初のプランではL字型でしたが、踊り場がデッドスペースになるため直線に。素材も厚みのある木ではなく、踏み板が薄く圧迫感のない鉄骨階段にしました。「木なら重い感じになったかも。妻の意見を聞いて今の形にして正解です」。

奥様が希望していた対面式キッチンは、周りに通路スペースを確保する必要から部屋が狭くなるので断念しましたが、どこにいても子供の声が聞こえるから安心していられるといいます。

性能面では、熱ロスを少なくするため吹き抜け以外の開口部(窓)は小さめにしました。設備はオール電化。特に暖房は、ご主人が気に入ったという経済的なエアコンを1階、2階に1台ずつ設置。「真冬に入居しましたが、本当に暖かかった。吹き抜けから日が入るので気持ちがいいですよ」。

念願の作業場「仕上げは自分の手で」

玄関脇のガラス扉の向こうはHさんの日曜大工のための作業場兼物置。内部は未完成です。「まだ片付いていませんが、落ち着いたら子供の自転車を上から吊ろうと思っています。奥には棚を造って...」。これからの計画を語るHさんの横顔は本当に楽しそう。
「実は中古住宅を購入して自分でリフォームすることも考えました」とHさん。入山さんとの世間話の中で「家を建てるならスケルトン(軸組)だけでいい。仕上げは自分でしたい」と口にしたこともあったとか。
「新築したいと言ったら『スケルトンタイプですか?』と笑われました。仕事柄、そんな時間がとれないことはわかっていますが、作業場だけは自分の手で完成させたい。フリースペースの仕切りも自分で造るつもりです」。お子さんたちが大人になる頃にはパパの作品が増えていそう。

記者の目

リビングと玄関の境にある幅広の引き戸を造作することに決めた時、入山さんが「全体のバランスを考えてほかの建具も全て天井までの高さ、同じ色で統一させて下さい!」と強く押し切る場面があったとか。デザイン性の高いオリジナルの建具を使った機能的で美しい空間構成に定評のあるビルダーさんならではのこだわりが感じられます。
 

2012年07月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社SANKEI(サンケイ建匠)の取材記事