Story 取材記事

構造見学会&完成見学会で「なるほど」がいっぱい!

年も押し迫った12月のある日曜日、サンケイ建匠さんの完成現場見学会に行ってきました。
札幌良い住宅.jp編集部から「同じ家で見学会を2度やる住宅会社があるよ」と紹介されたときは「どうして2度もやるのかしら?勧誘の作戦かな……」と少し身構えがちになったわたし。
ですが、「百聞は一見にしかず」。訪ねてみればちゃんとした意味があったのです。

冬の晴れ間に開かれた完成見学会
冬の晴れ間に開かれた完成見学会
構造見学会での外観。見学者に危険がないよう、近隣の家が養生ネットで暗くならないよう外壁を先に仕上げた。きめ細かな心配り
構造見学会での外観。見学者に危険がないよう、近隣の家が養生ネットで暗くならないよう外壁を先に仕上げた。きめ細かな心配り
広々とした事務所スペースは玄関から直接右奥のドアを開けて入ることができ、トイレにも別ドアでつながっていて居住スペースと区切られている
広々とした事務所スペースは玄関から直接右奥のドアを開けて入ることができ、トイレにも別ドアでつながっていて居住スペースと区切られている
2階を上がったところのパソコンスペースは吹き抜けの空間をうまく活用している。独特でスタイリッシュな形状はこの家のアクセントにもなっている
2階を上がったところのパソコンスペースは吹き抜けの空間をうまく活用している。独特でスタイリッシュな形状はこの家のアクセントにもなっている
むき出しの内部に一瞬戸惑うが、歩き回って危なそうなところはないので安心だ。階段もカバーするなどきちんと配慮がされていた
むき出しの内部に一瞬戸惑うが、歩き回って危なそうなところはないので安心だ。階段もカバーするなどきちんと配慮がされていた
まったくすき間がないように断熱材が吹き付けられている。断熱性能を長年にわたって保持できるため、年間の光熱費は年数を経ても変わらないという
まったくすき間がないように断熱材が吹き付けられている。断熱性能を長年にわたって保持できるため、年間の光熱費は年数を経ても変わらないという
照明のついた壁あたりが構造見学会で断熱材を見たり触ったりしたところ。完成見学会では当然見えなくなっていたが、内部を知ることで安心感が増す
照明のついた壁あたりが構造見学会で断熱材を見たり触ったりしたところ。完成見学会では当然見えなくなっていたが、内部を知ることで安心感が増す
暖かい空気が上昇して熱交換式換気扇からの新鮮な空気と混ざり合い、サイクルファンから床下まで送られる。完成見学会でも新築独特の臭いはまったく感じなかった
暖かい空気が上昇して熱交換式換気扇からの新鮮な空気と混ざり合い、サイクルファンから床下まで送られる。完成見学会でも新築独特の臭いはまったく感じなかった

次々と現れるドアの秘密は?

エコカラットのタイルが素敵な、全体的にオフホワイトカラーを基調とした外観の家。割とスタンダードな印象です。玄関に入って目に入ったのは、フローリングのリビングに対面式のキッチン、それに2階への吹き抜け。特に変わった様子はありません。しかし、よく見ると玄関の小上がりにはもう1つのドアが......

こちらを開けてみてびっくり!部屋っぽくないフロアが縦長に広がっていたのです。「奥さんがお仕事をされているので、そのオフィスになるんですよ」。教えてくれたのは、サンケイ建匠・部長の入山さん。フロアの奥にはドアがあり、開けてみるとトイレや洗面所があります。その左にまたドアが。

「あれ?」そこを開けると、最初に見えたリビングの対面式キッチンにつながっていました。つまり、1階全体がグルッとまわる回遊式の動線になっていたわけです。これなら事務所に来たお客様は気兼ねなくトイレを使うこともできるし、奥さんはキッチンでお茶を沸かしてすぐに出すこともできますね。機能的だなぁと感心してしまいました。

サンケイ建匠が契約前に出す「条件」

2階へ上っていくと、すぐ脇にはおしゃれなカウンタースペースがありました。半円形のように区切られていて、ちょっとしたワンルームの広さといってもいいほど。「こちらはご主人のパソコンスペースです」と入山さん。オーナーさんが希望したこの空間を確保するため、少し吹き抜けに張り出すような形に工夫をしたそうです。吹き抜けの窓から差し込む日差しが明るく、居心地も良さそう......

このように細部まで考えられた間取りやデザインは、サンケイ建匠さんとコラボレートしている建築家の塚本高正氏がオーナーさんときっちり細かいところまで打ち合わせし、納得してもらったうえで着工したのだそうです。

そのためにも、サンケイ建匠さんが契約を考えているお客さんに必ずお願いしていることがあります。それは、実際に建てられた家の「構造現場見学会」と「完成現場見学会」を見てもらうこと。同じ家で2度見学会を行うというのは、このことだったのですね。

家づくりの過程を見て安心・納得

実を言えば、わたしにとって完成見学会は2度目の訪問でした。まだ雪降る前の11月にも「住宅構造見学会」を見に行っていたのです。
その時は「構造見学会」という言葉さえよく分からなかったわたし、ブルーシートに覆われた工事中の家におじゃまするのかな、汚れてもいい服で行くのかなと思っていたのですが、訪ねてみると既にサイディングを施された完成後のような外観。内部は木材などがむき出しになっているものの、整然と片づけられていて歩き回るのに危険や不自由は感じません。

まず家の中では、壁材を張る前の白く泡立ったような断熱材を見せてもらいました。手触りはモコモコ。専門業者による吹き付けで、木材のところまですき間なく詰まっています。
断熱材の中には、年を経るとすき間ができるものもあるとか。そうなると、気密や断熱の性能維持が難しくなるそうです。さらに結露によって木材の腐食につながる可能性もあるとか。怖いですね......

また、2階で天井上にある熱交換式の換気扇やダクト、サイクルファンを見上げながら、換気の説明もしてもらいました。
外からの空気を天井のサイクルファンで取り込み家の中で循環させます。汚れた空気は排出しても空気の持つ熱は逃さず、外から取り入れた空気に受け渡すエコロジーなシステムになっています。
このシステムと、先ほどわたしも目で確認したしっかりとした断熱・気密で、家のどこにいても遠赤外線を受けているような暖かさを感じられるのだとか。

これらは、完成見学会ではまったく見えなくなっていた部分。でも、何気ない壁や天井の裏には工夫されたシステムがあって、住宅の暖かさやクリーンな空気を支えてくれているんだなあ。そんなふうに思うと、家へのさらなる安心感や愛着が得られる気がします。

構造見学会ではその高い性能に感心していたものの、どんな間取りや部屋になるのかは分からないままでした。ところが完成見学会に来てみて、ここまでオリジナリティの高い家になっていたことに、わたし自身かなりの驚きを感じました。「オーナーさんの希望を採り入れることについては、うちは割と安くできると思いますよ」と湯浅社長。完成見学会と構造見学会、両方来てみなければわからないものだと実感しました。

記者の目

モデルハウスなどではつい見た目に気を取られがちですが、家の中身を知ることができた構造見学会の後には、自分でも住宅に対する選択基準がさらに加わって絞り込みの役に立つように感じました。加えて完成見学会では、より家を持つときのイメージをつかみやすいと思います。住宅会社の姿勢を知ることができるという意味でも、機会があればいろんな構造見学会を訪ね歩いてみたくなりました。

2010年01月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社SANKEI(サンケイ建匠)の取材記事