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「カラマツ宣言」とは、当たり前のことを当たり前にやる、そこに立ち返ること 三五工務店

カラマツ宣言。ふと目にしただけで「なんだろう?」と興味を引かれるワード。札幌市にある三五工務店さんのホームページで見つけました。カラマツ道産材などを使ったモデルハウス〈T r i c o r o -トリコロ-〉がゴールデンウイークに三五工務店さんの近くに完成、さっそくお邪魔してきました。

カラマツ宣言の真意

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カラマツ宣言とは何ですか?

「地域を豊かにすることに少しでも貢献することが地場工務店としての使命と考えています。その一環として三五工務店では、カラマツなど道産の建築材料、製品を積極的に取り入れた家づくりに取り組んできました。北欧などの輸入材に比べ割高だったものが、多くのメーカーさんや関連業者様のご協力のもと、あまり差がなくご提供できるようになりました。そこで大げさですが"カラマツ宣言"しました。もっとも、道産材以外使わないという意味ではありません」

 

つまり道産の建築材料を使用した住宅を手軽に建てられるようになりましたよ、ということ。北海道の住宅の多くが道産ではなく、北欧などの輸入材から作られているということ自体、少し驚いてしまうかもしれません。

 

「そうですよね(笑)、食べ物や衣服は品質、価格が同じなら道外のものより地元のものがいいという方が多いのではないでしょうか。家についても、同じことが言えると思います」

モデルハウス「トリコロ」

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大きな縦窓が特徴の外観

トリコロとは何ですか?

 

トリコロは、オススメの住設機器やプランニングを採用することで打ち合わせの回数や材料のムダを削減し、価格を抑えて注文住宅並みの高品質でバランスの良い家を提供しようという、三五工務店ならではの発想で"企画住宅"として計画されました。実際にモデルハウスを見ると、シンプルな木の内装のそこここにカラマツ独特の雰囲気がある梁が浮き出し、骨太な北海道的風合いを醸し出しています。

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「カラマツを使用した家は注文住宅でいくつも実績があったので、それをもとにどういうふうに使うかなどを熟考しました。階段の踏板や大きな窓の窓枠にはカラマツの三層パネルを、柱や梁にはカラマツ集成材、天井にはカラマツ合板を使用しています。このほか一部輸入材もありますが、トドマツ、タモ材、ナラ材などの無垢材も使用しています。

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カラマツは北欧の木材とは微妙に匂いが違いますし、色も全体的に赤みがかっているんですね。少し色味の濃いインテリアとも相性が良さそうです。また道産ということで、安心感や愛着を感じていただけるのではないかと思います」

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トリコロのこだわりは、カラマツを採用したこと以外にもいろいろあります。間取りは、お子様の数が増えても個室が与えられるように工夫しました。2階の子ども部屋は将来2つに仕切って使えるよう、入口のドアが2つあります。さらに2階ホールも個室として仕切れるため、5LDKとして使うことができます。

 

また、年頃の娘さんのことを想定して脱衣室と洗面・家事室が分かれているのも珍しい設計です。2階のバルコニーなど、これらは前回のモデルハウスに寄せられた要望などを元に、今回新たに提案したそうです。

 

カラマツってどんな木?

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ちなみにカラマツは日本の固有種で、伐採まで30~40年と比較的成長の早い木。もともと炭鉱の坑道が崩れないように丸太の骨組みを作るなどの目的で植林しました。

「建築の材料としては、節があり乾燥によるねじれや割れが起きやすい材料で、変形しやすいんですね。そこで薄い板を縦横縦方向に3枚重ねて圧着した変形しづらい3層パネルが開発されました。それが近年量産されるようになり、金額も安くなりました」

「木は乾燥すると変形しやすくなるんですね。特に窓際は日が当たるので変形しやすいところですが、ひと冬越えれば落ち着くのではないかと。モデルハウスとして公開する間は当社で経過を観察します。実際にカラマツ材を使用した家を建てられる方にも現状を見ていただき、『こういう状態だけれども納得してお買い求めください』という話ができるので、実験的な意味も込めて採用しています」

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また、柱や梁に使用しているカラマツ集成材は、完成までにかなりの時間がかかります。木を切ったあと、まずは留辺蘂などのラミナー工場へ運び、厚さ2~3cmほどに製材、節や割れなどを取り除いて板にします。その後は別の工場に運び、乾燥させて貼り合わせる。さらに苫小牧のプレカット工場へ持って行き、柱の長さを合わせたり、組み合わせる部分を加工します。

フル作業しても、1日で10棟分くらいしか作れないのだとか。金額が高かったわけは、この手間にもあったのです。でも、だからこそ"人の手で家をつくる"という実感が湧いてきます。

「本来の家づくりとはそういうことなんでしょうけどね。自力で家を建てていた時代は地元の材料しか手に入らなかったわけですし。今は"安く早く"が普通になっていますが、人の手でトンカントンカンやるからこそ、地のものを使う意味があるんです。"カラマツ宣言"は当たり前のことを当たり前にやる、そこに立ち返ること、とも言えますね」

1本の柱にこめられた、たくさんの人々の情熱やロマン。そんな壮大なイメージが浮かびました。

2014年06月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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