家づくりはプランニングも楽しみたいもの。注文住宅なら将来まで満足できるマイホームを建てたいですよね。
今回は、ノスタルジックな大正ロマンのインテリアに流行のインダストリアル・テイストをプラスしたHさん宅におじゃましました。設計・施工を手掛けたキクザワさんの親身なアドバイスや提案がとても役立ったと新婚のお2人は話します。
目次
木をたっぷり使った温かみあるデザインに高性能をプラスし安心を
赤い三角屋根に、1階部分の外壁からポーチまで道南杉の板張りを巡らせたHさん邸。どこか懐かしい外観ですが、断熱性能・UA値が0.23Wと国の省エネ基準の2倍も高性能で、屋根には6.2kWの太陽光パネルも搭載。家で使うエネルギーの4分の3以上を屋根に乗った太陽光発電でまかなえるというNearlyZEH(ニアリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。
また、性能、耐久性、維持管理性などを国が評価する長期優良住宅の認定も取得。特に耐震性能は耐震等級3と3段階で最高ランクの耐震性能。耐震等級3の住宅は、熊本の大地震でも倒壊せず住み続けられることが実証されているため、万が一の事態にも安心です。
室内は調湿機能がある塗り壁をメインに1階は足ざわりの程よいナラ材の無垢フローリング、巾木は堅牢で木目が美しい道産タモ材を採用。
暖房は、エコジョーズの温水セントラルヒーティング。換気は室内から採熱して新鮮な外気を暖めて採り入れる第一種熱交換換気システム。おふたりは「部屋の空気がきれいだと感じますね」。奥さまのアレルギーも緩和されたと喜んでいます。
玄関に入ってすぐの位置にあるリビングルーム。ホールの裏側にあたる壁は、道産材原料の塗り壁をコテ塗りにし、柔らかな間接照明が豊かな表情を照らし出します。隣のたたみコーナーの壁は、一部を羽目板張りにしてアクセントとしました。窓側には掘りごたつのように足を下ろせるカウンターを造作。足元の床にもパイピングして床暖房としているので暖かです。
天井にはスピーカーを内蔵したダウンライトを設置。場所を取らずに臨場感のある心地よい音楽が流れます。ちょっとしたPC作業や書き物にも便利で、お2人のお気に入りスペースになっています。
ムーディーで意匠性のある階段の手すり。Hさん邸は木をたっぷりと使いながら、間接照明を効かせているのもポイントです。キクザワさんによるデザイン提案。「とても気に入りました。ちょっと凝った家にしたいという私の思いを担当の金谷常務と佐久間さんのお二人がカタチにしてくれました」
造作したキッチンカウンターの絶妙な高さと奥行きがお気に入り
奥さま「友人が遊びに来たときなど、私は台所に立ちながらおしゃべりするのですが、デザインしてもらったダイニングとの境になるカウンター収納の高さがちょうどいいんですよ。テーブルからの目隠しになるし、水も飛び散らないし、天板はお皿を受け渡しするのにぴったり」
キッチンの後部収納は、吊り戸や引き出しの高さを使いやすいように設計しています。食品庫は、買い物から帰ってすぐ置けるように、勝手口のわきに設置しています。
水回りに続いているキッチン横のドア。ユーティリティーからは、階段や玄関ホールにもつながる回遊動線で使いやすいと気に入っています。
竹久夢二デザインをモチーフにした壁紙とタイル、造作で大正ロマン風に
インテリア性の高い洗面化粧台は、水に強くお手入れしやすいメラミンカウンターに収納や鏡、タイルをデザインして合わせました。人形をモチーフにしたかわいらしい照明は、お二人が選ばれたお気に入りの一品です。
アクセントクロスは、リリカラから出ている竹久夢二シリーズを多く使いました。こちらは1階のトイレ。
洗面ボウルと造作棚も絵になります。
ユーティリティーにも、夢二のクロスをあしらっています。「実は、クロス選びではわたしと夫の好みがまったく違っていたんですね。キクザワさんからいろいろと提案してもらっていましたが、最終的に『これがいいんじゃない?』とさり気なく言われた竹久夢二のクロスで、やっと意見が一致しました」。
クロスに合わせて室内の造作にもさりげなく和を採り入れ、大正ロマン風に落ち着いたよう。「お客さまの希望を採り入れつつ、統一感を持たせる作業は、大変でしたがやりがいがありました」と佐久間さんは話します。
土地探しもキクザワのアドバイスで解決
結婚と同時にマイホームに住もうと決めたHさんご夫妻。いえズームの記事などから、キクザワに興味を持ったそうです。建材から造作家具まで木をたくさん使った住宅の雰囲気がお2人の好みだったこともありますが、他社と比べて“家づくりの確かさ”も大きな決め手になりました。
「高断熱・高気密とアピールするだけじゃなくて、施工後には全棟気密検査もきちんと行っている。それに下請けじゃなくて自社大工だし、最初から最後まで1人の方が責任を持って担当してくれることにも信頼が持てました」(ご主人)
難航したのが土地探しでした。最初は札幌市内でJR駅から徒歩約10分程度という条件も、なかなか見つからないため札幌市外まで範囲を広げました。「気持ちがだんだんと焦ってきて、もう妥協しようかとも思いました」と、奥さま。
その心情を伝えたときに、金谷常務からのアドバイスが響いたといいます。「土地にも縁はあるもの。ピタッとくる物件に出合えるまで待ちましょう。絶対お二人の希望に合う土地がありますよ」。
「あの言葉がなければ、建てるのに不利な土地や予算オーバーの土地でも無理をして買っていたかも」と話すHさんご夫妻。
「ここは最寄り駅から徒歩で10分ほどだし、いろんなお店も近くて買い物も便利。ほかにも、自分たちにふさわしい家の大きさや間取りなど、予算との兼ね合いも含めてお二人に聞いてアドバイスをもらいました。自分たちで考えたら、相当広い家になってしまって。『将来は夫婦2人に戻りますよ』と言われて、ハッと気づきました。今住んでみても、ちょうど良いサイズだと思います」。
収納は多めに、使いやすい場所・量を確保
玄関には、ご自身もマイホームづくりを経験した佐久間さんが、ご自宅で重宝しているというシューズクローゼットを設けました。造作棚に靴やバッグ類をしまえるほか、上着がかけられるハンガーパイプ、帽子などを引っ掛けるフックも設け、使い勝手が良さそうです。
ユーティリティーのすき間を活用した収納棚。
2階ベッドルーム。壁紙はアクセントとして、瀬戸内デニムのカーテンに合わせて深いブルーをチョイス。落ち着きのあるリラックス空間に仕上がっています。
寝室にはウォークインクローゼットの他に、書斎スペースも設けています。将来はご主人の趣味のスペースとして活用できそうです。
2階ホールには、階段側の壁に本棚を設けており、フリースペースとしても使えそうです。
バルコニーは不要と考えていましたが、検討した末に復活させました。「プランが決定するまでに8パターンも図面をつくってもらいました。そのぶん、すべてを自分たちが納得して決められたことはすごく良かったと思っています」
施工中の現場にも、毎週足を運んだお二人。「大工さんに質問すると丁寧に説明してくれました。キッチンやソファーの位置も現場で相談しながら決めましたし、リビングの羽目板をつける場所や壁の両面時計をつける位置なども、棟梁の藤崎さんにアドバイスしてもらいました」。
「それに、佐久間さんが進行状況をよくLINEで報告してくれたんです。作業中の画像も送ってくれるので、我が家ができていく過程が見られて本当に面白かったですね」。
「佐久間さんから自宅での太陽光発電の良さを聞いて、うちも載せたいと思いました」と話すご主人。実感のこもったアドバイスは、Hさんご夫妻にとっても参考になったそう。(佐久間さんが2年前に建てたZEHマイホームの記事はこちら⇒「最新鋭ZEHと自然素材が絶妙コラボ!北広島市・佐久間さん/キクザワ」)
取材した11月上旬の午後3時過ぎ。薄曇りでしたがしっかり発電し、売電もできていました。「先月は売電収入が14,000円ありました」とご主人。売電価格が有利な10年間が終了したら、災害時の停電や悪天候時に発電した電力を貯めて自家消費できる蓄電池を買う予定です。
消費電力量がリアルタイムで分かるモニターを見て、節電意識も芽生えたという奥さま。「ポットでお湯を沸かしたり、ドライヤーを使ったりすると一気に2kWぐらいまで跳ね上がるので、最低限に使うように心掛けています」
奥さまはインスタグラムにマイホームづくりの工程をアップしています。7月公開のオープンハウスでは「インスタを見て来ました」という見学者も多かったとか。その後、現在キクザワさんと商談が進んでいるご家族もいるそうです。
「暮らして3ヵ月あまりですが、どこも居心地がよくて想像以上の家になったと思います」とご主人。奥さまは「担当のお二人との家づくりはとても楽しかったし、すごく頼りになりました。他のスタッフさんや大工さんも含めて、皆さん良い方たちに我が家をつくってもらったと思っています」。来年は素敵なお庭をつくり、バルコニーでバーベキューをしたいと話してくださいました。
記者の目
奥さまのインスタグラムでは、木製シェードを使ったライトなどの素敵な画像が紹介されていますが、家づくりの文章も読みごたえがあります。大工さんが断熱材をピタッとはめ込む様子に惚れぼれするなど、オーナーさんの具体的な生の声の発信は、これから家づくりを検討する人にとっても貴重だと思いました。
2019年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。