Story 取材記事

納得の断熱性能と薪ストーブで冬も楽しむ農家住宅/十勝・Aさん


無垢材やレンガなど本物の自然素材を使い、流行に左右されないクラシカルなデザインを大切にするとかち工房の家づくり。十勝に建つAさまの住まいも、とかち工房らしいデザインで、雄大な景観に大変似合っていました。



「薪ストーブ一台で家中が暖かいんです。パネルヒーターを使う機会がないくらい」

高窓から陽の注ぐリビングでそう話してくれたのは、畑作農家の三代目であるAさんご夫妻です。広大な畑に面した新居は吹き抜けのあるゆったりとした造り「昼間は窓から入る日差しだけで暖かい」といいます。

これまで暮らしてきた家は築52年。ご主人が生まれ育ち、子どもたちも育てた思い入れ深い家ですが、冬は寒く、真冬は屋根の断熱性が低いことで屋根にたまった水が屋根内部に浸透する「すが漏り」にも悩まされてきたそう。「木をふんだんに使った暖かい家」を希望し、音更町のとかち工房に家造りを依頼しました。

年月を経ても安心の断熱性能



美しい田園風景が望めるリビングの窓はスウェーデン製トリプルガラス。ほかアメリカ製アンダーセン・ペア、low-eアルゴンガス入りを使用しています。すべて断熱性能の高い木製サッシです。

「窓際もあたたかで、結露も全くありません」というご主人に「木製サッシは劣化の心配も少なく、メンテナンス性も高いんです」と微笑むのは担当の武藤ふみえさん。

「断熱材は入れ方がとても重要。手入れと機械入れがありますが、私たちは機械を使用してコンセント裏などもびっしりと隙間なく断熱材を入れています。窓周りには隙間なくウレタンを充填しているのもポイントですね。建ててから十年以上経っても暖かいと言っていただける家です」



薪ストーブはHETA(ヒタ)という国産のブランドを選びました。炉内が大きく見え、ソープストーンの蓄熱効果もあり、インテリアとしても高級感のあるオーブンつきのモデルです。

電気代やガス代が高騰する中、A邸では「建て替えた旧家の柱なども含め、薪がある程度ストックできているので、当分は燃料費もかけずに使えそうです」とご主人。シフォンケーキを焼いたり料理を温めたりと、オーブン機能も楽しみながら使っています。




キッチン・ダイニングはリビングと空間を分け、落ち着いた雰囲気に。キッチンには造作の作業台兼カウンターを設け、作業性のよいコの字型にしました。



台形に張り出した3面窓のある明るいダイニング。床は部屋の雰囲気にマッチしたタイル調のテラストーン(TOLI)で、意匠とお手入れのしやすさを兼ねた仕上がりとなりました。

美しい木のラインが作る「飽きのこない家」




デザインは「性能とお客様のニーズに合った暮らしやすさとのバランスを考えて設計します」と武藤さん。「長く住んでも飽きのこない、いつでも少し新鮮さを感じられるようなデザインを心がけています」。全ての設計は一級建築士の後藤社長が担っています。



優美な曲線が洋館のような雰囲気を醸し出す階段と 2階ホール 。ベテラン大工の技が光ります。



A邸の家具はほとんどが造作です。洗面台もサイズや収納する物について相談しながら現場で作られました。




LDKにある小上がりの和室は、仏壇がぴったり収まるように作られて、普段はロールスクリーンで閉じられています。



奥様が「感動した」というのがこちらの廻り縁。和室の雰囲気に合わせ焼き杉と竹で作られています。「本当に細かな部分までこだわっていただいたことが分かりました」

農家住宅の施工経験が豊富。プロならではの提案に脱帽

家づくりについてのお話を伺いました。



とかち工房との出会いは。

家づくりを考え始めた頃、農家の家をたくさん回っている人に「とかち工房の家はいいよ」と教えてもらったんです。最初に住宅見学をした時は、木をふんだんに使って丁寧に仕上げてあるのを見て「高額なのでは」と思ったんですが、見積もりをとったら予算の範囲内で、こんな素敵な家に住めるなんてという感じですね。

間取りやインテリアは「ほぼお任せ」ということでしたね。

お任せして正解でした。私達の暮らしや好みをふまえたうえで「ゆったりとした家なのでそれを引き立てるインテリアに」などプロならではの提案をしてくれましたし、農家の住宅をたくさん手掛けているので、参考になる事例もたくさん見せてもらえました。



農家住宅ならではの造りとは?

この家には玄関と勝手口があり、勝手口には作業着がすぐ洗えるよう洗濯機を置いています。お風呂のお湯をそのまま使えるような造りにしてもらったんですよ。買い物は週末にまとめて買い出しするのでストック品が入る大きな収納も必須です。

キッチンとリビングの間を仕切ったのも、とかち工房からの提案。食後、片付ける時間がまとまってとれなくてもお客さんの目に触れないようになっています。



住み心地はいかがですか。

木の感触も暖かさも本当に心地いいですね。特に籠りがちになる冬は毎年気が重かったのですが、ストーブについているオーブンでこんな料理を作ってみたいとか、お客さんに振る舞えるようになりたいなどと思えるようになり、生活がガラリと変わりました。



写真 Commercial Photo / Movie  SWITCH

建築概要


1階床面積 118.25平方メートル(35.7坪)
2階床面積 66.28平方メートル(20.0坪)
延床面積 184.53平方メートル(55.8坪)
構造・工法 木造枠組壁工法(2×6)
断熱(壁) BIB工法140ミリ
断熱(天井) ブローイング500ミリ
床下 BIB工法235ミリ
換気 第3種換気システム(スウェーデン製)
暖房 灯油セントラル 薪ストーブ

2023年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

株式会社とかち工房の取材記事