
「平屋住宅」を選択される方、明らかに増えています。総2階のほうが、土地の大きさも、屋根面積も変えずに、延床面積を大きくできるので、これまでは2階建ての住宅がスタンダードだったと思います。しかし、

核族化、少子化が進んでいて同居の人数が減っているので、そもそも家の大きさも部屋数も以前ほど必要ないから平屋で十分。
大きな家、立派な家で見栄を張るより、コストを抑えて無理のない家計にしたい。客間に客を泊めることも実質ほぼない。平屋の小さい家のほうが掃除もメンテも楽。
近い将来、階段を上り下りするのがつらくなる。子供が独立したら、妻と夫だけ。2階はさほど必要ない。
子どもが2階の子供部屋に引きこもる可能性を考えたら平屋のほうが親子のコミュニケ―ションが深まる。
障がいがあっても自立生活で暮らしを豊かにしたい。
など、いえズームでも平屋住宅の取材が増え、その事情も上記のように、以前より多彩になっているのを感じます。
そこで今回は、平屋住宅を建てたオーナーの家づくりを伺いました。
平屋施工事例(江別市) カバードポーチが印象的なアメリカンハウスの平屋 江別市S邸/イゼッチハウス北海道

「まず希望したのは、ビルトインガレージ。アメ車が大好きなので大事な車をしまえて、友人たちが遊びにきた時のために椅子も置けるような広いガレージです。
そしてアメリカンハウスならではのカバードポーチのある外観デザイン。最初は2階建てを考えていたのですが『アメリカンハウスならデザイン的に平屋のほうがいいのかな』なんて話をイゼッチハウスさんに相談すると、平屋と2階建ての2パターンを提案してくれて。平屋は割高なイメージがあったのですが、価格を聞くと思っていたほどではなかったので平屋にすることに決めました」とご主人。
ロフトを設置したためリビングはダイナミックなほど開放感のある天井高を実現しました。
平屋施工例(帯広市) 生涯を通じて自由に使える面積が広い平屋を希望 帯広市M邸/クリプトン

今回伺ったのは、西帯広で福祉関係の会社を経営するMさんの事務所併設住宅です。
ご主人 仕事で高齢の方の家に伺うと「二階は使っていない」という方も多いので、生涯を通じて自由に使える面積が広い平屋を希望していました。動線に無駄がなく家族の距離の近い家になったと思います。

「何年も前から家を建てたいと思っていた」というご主人。間取りや室内デザインは自ら案を練りました。
こちらの勾配天井に沿った形の窓も、ご主人のデザインをそのまま実現したものです。ロフト付きとはいえ平屋のM邸ですが、LDKの天井は高さ4mと吹き抜けのような開放感があります。
平屋施工事例(札幌市) セカンドライフを楽しむバリアフリー平屋住宅 札幌市H邸/瀧本ホーム
風除室の付いた玄関は、正面階段の付いた道路側と駐車スペースからアクセスしやすいスロープ専用の2か所を設けています。

LDKと寝室、水回りの動線は、車イスやシルバーカーで移動できる回遊式の間取りになっています①。トイレ横の書斎を寝室として利用するなど、部屋の用途が変えられるうえ、水回りの扉を開け放てば車イスでも直線移動しやすい設計です②。
「車イスで暮らす家に必要な要素を、すべて設計に反映しました」と瀧本社長が話すように、回遊動線のほかにも、最大で約130㎝とった開口部、2方向からアクセスできるトイレ・洗面所、玄関や水回りの手すりといった設計に、将来を考えた工夫が見られます。
平屋施工事例(札幌市) 緑豊かな環境を活かした平屋でストレスフリーな家 札幌市Y邸/拓友建設

今回紹介するY邸は、緑豊かな自然環境が広がる閑静な住宅地に建てられた平屋の住まいです。
■Y邸のポイント
(1)豊かな緑に囲まれた住環境に建つコンパクトな平屋
(2)ストレスなく生活できる開放感にあふれた間取り
(3)木を活かしたシンプルでナチュラルな住空間
キッチン側から見たリビング・ダイニング。奥は寝室で、間仕切り壁の上部を開けています。
「無駄なエネルギーを使わずに心地良い暮らしをしたいというご夫妻の意向がありましたので、夏の熱気を抜く高窓を設置したり、冬の暖気を回しやすくしています」とN建築設計室の一級建築士 野際礼子さん。
また、「周辺環境を活かすため、窓を各方向の緑を楽しめる配置に。コンパクトな家ですが、狭さを感じないよう、見通しがきいて引き戸で開けたまま暮らせる設計にしました」。
回遊動線で快適 平屋のモダンハウス 鹿追町O邸/カントリーヴィレッジ

インテリアは「生活感なくすっきりと」を徹底。ロフトつきの平屋であるO邸。ロフト部分の床見切りには薄手のものを使用するなど細かな工夫がされています。動きたい盛りの子どもたちが走り回れるよう、また来客時にもスムーズに生活できるようにと回遊動線を採用しています。
「家づくりに後悔はひとつもない」というご夫妻。
「選んだ決め手は、とにかくプランの良さです。カントリーヴィレッジさんは予算ありきのプランではなく、まずはやりたいことを凝縮したプランを作り、そこから一緒に取捨選択していくスタイル。とても納得感がありました。
全部で8パターンの図面を提案いただいたのですが、こちらの要望に対して絶対にNOとはいわず、できる範囲でこういう方法があると提案してくれるので、最終的には私達の想像以上のプランになっていました」。
景色や暮らしを切り取る木枠が美しい平屋の家 大樹町K邸/とかち工房

多角形の塔屋とアクセントに使用したレンガが印象的な外観。自然に馴染むアースカラーでまとめました。設計・施工は帯広市のとかち工房、担当は営業部長の武藤さんです。ダイニングを塔屋にするという提案はとかち工房から。さまざまな角度の窓から、どの時間帯も光がたっぷりと注ぎます。
「プランを見た時は『こんな風に作ってもらえるなんて』という驚きと喜びで思わず叫んでしまいました。天井も高くて本当に気持ちがいいんです」と、ご夫婦ともにお気に入りの空間です。
スノーボードの収納室がある平屋のガレージハウス 比布町H邸/昭和木材

Hさんのお宅は片流れ屋根にガレージを組み込んだ平屋建て。チャコール・メタリックの金属サイディングでスタイリッシュな印象の外観です。玄関の土間続きには、本格的にスノーボードを楽しむご主人の趣味スペースがあります。2台分の車が収まるビルトインガレージの奥にはご主人のロードバイクも収納しています。その先には庭先にストックしている薪を取りに行きやすいよう、勝手口もつけました。
Hさん「車2台が入る、コンクリート床のガレージや、ガレージから出入りしやすい場所に、スノーボードなどのメンテナンスと収納のためのスペースも希望していました。スノーボードを楽しむために冬山に入る際の必須装備であるスノーシューや、万が一、雪崩に遭遇した場合の捜索に必要なアバランチギアなど、たくさんの道具類をスッキリ収納でき、ワクシング台を置いてもゆとりの広さで、板のメンテナンスもしやすく、とても満足しています」。
平屋施工事例(札幌市)平屋だから家族をそばに感じられる 今と将来を見すえた家 リビングワーク/札幌市T邸

閑静な住宅地に建つT邸は、三角屋根で塗り壁の白が映える、かわいい平屋建て。共働きのご夫婦、保育園に通う息子さんと娘さんの4人暮らしです。健康的な暮らしができる家、かつ平屋を希望していました。
奥さま アパート時代、子ども達とワンフロアで過ごせた間取りがお気に入りだったので、主人に平屋の良さをプレゼンして説得しました(笑)。
子ども達が小さい間と、将来巣立った後の夫婦二人の生活は1階が中心になります。すると、2階を使うのは意外に短いなと考えて、将来に渡って住みやすい家にしたいと平屋に決めました。
平屋施工事例(札幌市) 森を望む自宅と店舗を兼ねた平屋 札幌市南区T邸/丸三ホクシン建設

自宅と店舗を兼ねた平屋の建物は、すぐ後ろに森が望める立地にあります。外壁は森の雰囲気に合うように、奥さまが何度も色見本を見てお気に入りの色を選びました。
平屋住宅事例(江別市) 憧れの平屋建てガレージハウスで愛車を堪能 江別市A邸/イゼッチハウス北海道

ご主人が大のクルマ好きという江別市のAさん。愛車やタイヤの保管・車のメンテナンスができる、しかも駐車場の除雪負担を削減できるビルトインガレージ、そして「室内から車を眺めて暮らしたい」という夢を叶えるため新築を決意。
車2台が横並びに収容できる大型のビルトインガレージと車1台分の駐車スペースがある平屋建ての家です。
平屋住宅事例(千歳市) 家づくりのプロが建てた開放的な平屋の家 千歳市H邸/生杉建設

千歳市ののどかな川沿いに位置するH邸。暮らしているのは、ご夫婦と、中学生と就学前の2人のお子さんです。
H邸は平屋ですが、勾配がついた天井は最頂部で5.5mととても高く、屋根のたる木を見せ、構造が現しになったおおらかな空間となっています。
梁や柱を板状の断熱材「スタイロフォーム」で覆うSHS外張断熱工法を採用した断熱気密の高い住宅なので、このような思い切ったデザインでも室内は年中快適な温度を保ちます。
平屋住宅事例(札幌市) 増築&リフォームで叶えた心地いい平屋 M邸/三五工務店

以前は賃貸マンションに住んでいたMさんご家族。手狭になったのと、お嬢さんが通う小学校が遠かったので、同じ学区内で通学しやすい場所に家を建てようと決意。毎日ネットで不動産情報をチェック、やっと巡り合ったのが、小学校に近くて140坪の南東角地の土地でした。
「築13年の22坪2LDKの平屋が建っていましたが、小さすぎるので壊して新築の家を建てるか、既存の家を生かして増築するか、2通り考えました。三五工務店さんに古い住宅を見てもらったら、建物がしっかりしているということがわかり、増築でいこうと決めました」。
増築を2階建てではなく平屋にしたのは、土地に余裕があり、将来負担になる階段の上り下りを考慮したため。増築とリフォームを担当したのは35リフォーム主任の山本玲さんです。
平屋住宅事例(音更町)小さいからこそ豊かな暮らし―道産カラマツの家 Y邸 水野建設

こちらのY邸は水野建設の提案する「ミニマムスタイルの家」を元に建てられた、延床面積26坪というコンパクトな住居。土地には余裕があり、もっと大きな家を建てることも可能でしたが、あえて小さな住居を選びました。
「大きいものを建てるのが嫌だったんです。実家の家は大きいぶん暖めるのが大変で、電気代も燃料代もかかる。掃除をする時間もかかる。無駄を減らしてその時間やお金を他のことに使いたいと思いました」
繁忙期は昼夜を問わないのが農家のお仕事。だからこそ、家で過ごす時間は家族とのコミュニケーションや趣味に使いたかったのだといいます。希望したのは「小さくて造りのしっかりとした家」。木の雰囲気が気に入ったという水野建設で「ミニマムスタイルの家」に出会い、求めていたものを感じたのだそうです。
小さな家だからこそ大切にしたかったのが開放感。仕切りのない玄関や壁のほぼ一面に広がる窓からの景色もあり、LDKは面積以上の広がりを感じられる空間になりました。
平屋住宅事例(北広島市)高断熱・高気密・耐震重視の平屋住宅/リビングワーク

JR駅から徒歩圏、緑地帯沿いにある日当たりの良い角地にYさん邸はあります。洋風瓦の無落雪屋根で、玄関から続く縁側のような少しなつかしい軒下空間。見上げると、軒の裏部分に当たる「軒天(のきてん)」までナチュラルな木目調に統一。なるべく凹凸のない平屋建てというYさんご夫妻の希望に、リビングワークさんがこたえた形です。
凸凹の少ない家は、それだけ断熱・気密性能が高められる、建材などの無駄なコストがかからないというメリットがあります。そして、平屋建ての家は、このところ人気が高まっていて中古物件でも買い手が付きやすくなっています。Yさんが平屋の家を選んだのも、ご実家や職場のOBの方から、「子どもが成長して家を出ると、階段を上るのもおっくうだし、2階は使っていない」という、リアルな声を聞いたからでした。
平屋住宅事例(札幌市中央区)道南杉を外壁全面に。道総研の最新技術も/江田建設

建て主のМさんは北海道の一次産業に関わる仕事をしていて、自宅の新築にあたっても道産木材の活用を江田建設に要望しました。江田建設といえば、高断熱高気密、パッシブ換気システムなど、北海道の産官学が進めてきた住宅の先進技術を積極的に学び実践するほか、建築家との連携でデザイン力も鍛えてきた札幌圏の住宅業界でも一目置かれる工務店。
М邸は札幌市中央区の高台にあります。見晴らしの良さを生かすことも家づくりのポイントでした。
大きな窓から景色を採り込むリビング・ダイニング。天井高は通常よりも高い2550mmと、ゆとりある設計です。
3人家族で、老後も暮らしやすいコンパクトで合理的な間取りを希望しました。
小さくても広さは感じたかったため、居間と隣接する寝室をオープンな空間にして、間口を高くしてもらっています。大きな窓から山々を眺め、自然の移ろいを感じられるこの家が気に入っています。
平屋住宅事例(石狩市)収納量に合わせてモノを減らす選択も/サンケイ建匠

主人の仕事で扱う商品や道具類を置くための倉庫代わりになる広いガレージが必要でした。以前の暮らしを考えると、上り下りが億劫になる2階は必要ないと考え、平屋を希望しました」と奥さま。倉庫代わりの車庫には商品や段ボールを入れる大型ゴミ箱など大きい荷物がびっしり。ゆうに20畳を超える広さです。道具がしまえる収納棚や手洗い、ハンガーパイプなども設置してご主人も快適に使われているそう。
リビングはダイニングと兼用です。広いビルトイン・ガレージを確保するためにはどこかを削らなくてはならず、夫婦二人が寛げる必要最低限のスペースで良いと割り切ったそうです。ゆったりとしたソファーにガス圧昇降式のテーブルの機能的な組み合わせは大正解。ご主人は居心地が良くて食事後に寝てしまうこともあるそうです。
平屋住宅事例(北広島市)停電しても医療機器が止まらない創エネ住宅/イゼッチハウス
障がいを持つお子さんのために、非常時の電源を確保できるマイホームを希望した北広島市のTさん夫妻。太陽光発電パネルと蓄電池を搭載した、イゼッチハウス北海道の「ブラックゼッチの家【B・ZEH】」で、大きな安心が得られたといいます。

Tさんの家は、延床面積34坪の平屋建て。フラット屋根の部分に6.42kWの太陽光発電パネルを搭載、蓄電池も6.5kWと容量を多めにして、災害などによる大規模停電でも一定の電力を確保できる住まいです。息子さんが障がいでたん吸引などが必要なために、非常時でも電力を確保することが不可欠なのです。
イゼッチハウスの家は、高断熱高気密が標準仕様。断熱性、気密性にこだわった住宅を選んだおかげで「夏はとても涼しかったですよ」と話します。
平屋建てのTさん邸は床下からの暖気を床のガラリから放出するだけでなく、天井からも流れてくるように通風口を設けているそう。
赤ちゃんがいると、土間蓄熱暖房を採用した「床ホットシステム」の柔らかな温もりがとても安心だとか。
平屋住宅事例(恵庭市)2階建てを1階にリノベーション/キクザワ
家族構成が変化し、思った以上に広く感じられる住み慣れたわが家。2階を使っていると、階段の上り下りが億劫だし、トイレは1階なので行くのが大変で、つい1階の客間を主寝室に使ってしまいがち…。冬の寒さも身に染みて、思い切って平屋に減築し、高断熱・高気密住宅へとリノベーションしてみたい・・・

リノベーションにより、2階建てから平屋建てになったSさん邸。高さ4mを超える吹き抜けのあるLDKを中心に、明るく開放的な住空間が広がっています。リノベーションの際のコンセプトや提案内容などについて担当の金谷さんにうかがいます。
金谷さん「1階だけで完結できる住まいは、私自身が暮らしやすさを実感しており、ご提案しました。ご高齢になるにつれて階段での上り下りは大変ですし、掃除などメンテナンスの面でも平屋は効率が良くおすすめです。
また日差しを取り込むためにLDKには三面採光の吹き抜け天井を提案しました。この吹き抜けがあることで、伸びやかな空間が生まれています。
平屋住宅事例(池田町)大停電にも備える!暖かく快適な平屋住宅 S邸/赤坂建設

今回は2020年9月に、十勝の池田町内で完成した平屋住宅をご紹介します。建て主のSさんには
省エネで暖かい
暮らしやすい平屋
料理がしやすいキッチン
室内からの見晴らしのよさ
好みの内装、インテリアを実現できる
などの要望がありました。
建て替える前のS邸は1972年に新築。その後リフォーム、増改築なども行いました。でも、特に北側の部屋の寒さが厳しく、建物の老朽化もいろいろ気になっていました。そして2階の寝室から階段を下りて1階のトイレまでの移動という負担も大きかったのです。
家族内でもいつか平屋住宅で暖かい家に建て替えようか、という話はありました。お父様が亡くなり、2人暮らしの割に家が大きいこともあって、平屋への建て替えを決意しました。
平屋住宅事例(芽室町)無駄を排して小さく造る/水野建設

ミニマリスト向けの合理的で上質な家があってもいいのでは?
十勝・音更町にある(有)水野建設はそう考えました。
「ミニマムスタイル」は、同社が考えたミニマリスト向けの新しい住宅です。
Kさんご家族は昨年12月、帯広郊外に水野建設で念願のマイホームを完成させました。
日々の生活に本当に必要な広さや設備を吟味し、無駄を排して小さく造ることで実現できる、上質で豊かな空間。
2LDKの平屋建てで建物面積は約24坪。玄関前には住宅と一体になった物置兼カーポートがあり、実際はもっと大きく見えます。
帯広市内でアパート暮らしをしていたKさんご夫妻。奥さまの妊娠をきっかけに、赤ちゃんの泣き声などで周囲に気兼ねなく子育てができる環境を求め、戸建住宅の建築を決意しました。
個室は子ども部屋1つと夫婦の寝室、合計2部屋。奥さまは、「子ども部屋が必要なのは、小学校から高校ぐらいまでの10年ほど。子ども部屋を広く造ってその後持て余した話をいくつも聞いているので、無駄に広く造る必要はなく、2人で6畳もあれば十分だと思っています」と話します。老後のことを考えて、室内ドアは開けやすい引戸にしました。
平屋住宅事例(北見市)性能&プランを思い通りに/光栄建設

平屋建てなのでLDKや水回り、子ども部屋や寝室など全てが一階にありますが、それでもリビングの大きさを確保することが要望の一つでした。
Оさんファミリーは、以前は北見市内の賃貸アパートに住んでいました。賃貸住宅は、十分な断熱・気密性能がない物件も多く、家の寒さ、そして何よりも結露が大きな悩み。共働きで、夕方帰宅すると、室内が芯まで冷えているような状況でした。
お子さんが誕生するのをきっかけに、暖かく省エネで、結露の心配がなく、快適に過ごせる家ということで戸建て住宅に住むという選択肢が浮上しました。
最初は、話題になっている「リノベーション」に興味を持ちました。中古住宅を探し、立地や建物の状態と価格など条件面も含め物件探しを約2年行いました。しかしこれという物件に出会えず、新築の平屋に方針を変更。板状の断熱材「スタイロフォーム」でスッポリ覆ってしまう断熱工法・SHS工法を採用し断熱気密の課題をクリアするとともに、収納・インテリアなどの快適性を追求しました。
平屋住宅事例(ニセコ移住)ロフト付き平屋/アウラ建築設計事務所

オーナーのYさんは、北海道のニセコに移住し、息子さん、猫たちと暮らしています。お料理をしながら、窓越しに四季が感じられるキッチン。北海道らしい樹木や、遠くにはニセコアンヌプリなどの山々も見えます。これだけの窓があって水仕事をしていても、キッチンスペースはまったく寒くないのだとか。
「イギリスでは、裏庭を見渡せるようなキッチンのつくりが普通だったんですよ」と話すYさん。主に、家づくりの打ち合わせはメールで行ったそうですが、この眺望を大事にするために、プラン時には山下さんとYさん親子3人が現地に集まって間取りの位置を決めていったそうです。ニセコでマイホームを建てるのに、「ハウスメーカーのつくる家は、どれもありきたりに思えて」と話すYさん。どこにお願いしようか、とインターネット検索をした中「ピン!」ときたのが、山下さんが手がけた家でした。さらに、シニアにやさしい家づくりもしていることから、「平屋でも眺望の良い家を」とお願いしたそうです。
平屋住宅事例(音更町)子どもを大切に見守る省エネの平屋住宅/石井建設

N邸は平屋建てですが、高さは地面から最大約6.3メートル。カーポートもあって大きな家という印象です。玄関を入ると正面には中庭。室内の日当たりや風通しを良くするには大きな窓を設けるという選択肢もありますが、それは同時に防犯上、そしてプライバシー確保という意味ではマイナスに作用することもあります。中庭なら、そういう面をあまり心配せず屋外の光や風を取り込むことができます。
天井が最大4メートルもの高さがある一階リビングです。開放感と見晴らしも魅力です。
平屋建てにしたのは、家族のコミュニケーションを重視したからです。「私も子どもの頃、学校から帰ったら2Fの子ども部屋にすぐ籠もることがあって・・・。家を建てるなら、わが子の様子を見守りやすい平屋の家が良いなと思っていました」と話してくれたのは奥様。ご主人も「敷地にゆとりがあるし、普段は庭仕事もあまりしないつもりなので、敷地を大きく活用したい」とのことで、プランは平屋を選択しました。
平屋住宅事例(札幌市西区)シンプルなプラン・デザインの平屋住宅/サンケイ建匠

札幌市西区にお住まいのAさんご一家は、70代のご夫婦と社会人の娘さん、息子さんの4人家族。もともとお住まいだったお宅は築40年以上の断熱材が十分に入っていない家でした。ストーブの回りしか暖かくならず、冬は個室にいたくないほど寒かったのです。
玄関ホールの引戸を開けるとそこはもうリビング。長い廊下はありません。日当たりの良いリビングは家の中心にあり、個室はここから最短距離で行くことができます。シンプルでムダのない動線を実現しました。
リビングは、平屋なのに開放感があっていい感じです。天井が高く見えます。サンケイ建匠の湯浅社長に聞くと、「通常よりも10cm高くしており、それに合わせて部屋の引戸も天井いっぱいまである建具を使っています」とのこと。縦のラインが強調され、より天井が高く見えるわけですね。
「施工業者の選択は、建てた後住んでみるまで正解だったかどうかわかりません。イチかバチかの宝くじを買うような気持ちでしたが、完成して住んでみると期待以上のできばえで、ケチを付けるとことがありません。また、入居後の6ヵ月点検では、こちらが気づかないような小さな不具合も見つけ出し、きちんと修正してくれました。形だけの点検ではなく、アフターでもきちんとした仕事をされるので、ますます信頼を深めました。サンケイ建匠さんはすべての要望をかなえてくれた恩人という感じで、大感謝です」とご主人。きめ細かな配慮にお客様の立場に立った提案と的確なアフターが満足度を上げているようです。
平屋住宅事例(江別市)障がいがあっても自立生活できる住まい/拓友建設
江別市にお住まいのNさんは年齢50代の女性です。生後10ヵ月でポリオウイルスに感染して小児麻痺となり、それ以来両方の下肢に麻痺があります。しかし杖も使わずに、なんとか仕事や日常生活をこなしてきました。
40代後半に差しかかった頃から、筋力の低下や体力の衰えを感じるようになりました。年齢を重ねれば多少ならずとも筋力、体力は低下していくものですが、Nさんの場合はポリオウイルスが感染した神経細胞や筋肉が老化する「ポストポリオ症候群」が原因でした。
なるべくなら杖や車いすに頼ることなく生活したいNさんでしたが、生活の不便だけでなく、足の力が入らなくなることで転倒してしまうことに大きな不安を感じるようになりました。ご両親が亡くなったことを契機に、それまで家族で同居していた住まいを安全で、障がいがあっても自立生活できる住まいに建て替えました。
「キッチンなどは介護を前提にした商品がほとんどで、障がい者の自立生活を前提にしたものは皆無に近かった」とNさん。
キッチンは(株)樋口(本社札幌市)の車いすでも使いやすいユニバーサルキッチンをL字型にアレンジしました。また、ダイニングテーブルをはじめとする家具類は、ソファなども含めNさんが使いやすいようオーダーしています。

平屋建ての住まいの全てのスペースに、車いすでアプローチすることができるよう室内の段差を完全に解消したのはもちろん、毎日お仕事に出かけるNさんがカーポートまでスムーズに移動できるよう、玄関から屋外にかけても完全にフラットにしています。
リビングの大きな窓からは陽が差し込み、庭が一望できます。リビングと庭の間にも段差が無いため、自由に行き来できます。一見雪が積もった時に影響が出ないか心配になりますが、窓のすぐ下側にロードヒーティングを敷設して対応してあります。雪が室内に入る心配を解消しただけでなく、災害時の非常口として機能します。
キッチンやカウンターなどは車いすの高さにあわせてあるだけでなく、車いすのままでも使いやすいよう様々な工夫がされています。
完成した住まいはNさんが想像していたより快適なようです。室内は杖での移動がメインになると想定したそうですが、車いすでどのスペースにもすんなり移動できるため、
「ここに住み始めてから、すっかり車いすばかり使っています」と笑っていました。
平屋住宅事例(帯広市)外が-28度でも部屋は暖かい/イゼンホーム
帯広の郊外で農業を営むMさんご夫妻。「この冬、いちばん寒い時はマイナス28度。それでも家の中は、全部暖かかったんですよ」。そう話すお二人は、昨年12月にイゼンホームで家を建て替えてから、「とても暮らしがラクになった」と口をそろえます。老後も考えた平屋の住まい、Mさんご夫妻に家づくりのお話を伺いました。

奥さまの要望のひとつは、丹精込めてつくっているお庭をリビングの窓から眺められることでした。「奥さんの庭は、素晴らしいんですよ!」とイゼンホームの中村さんも言います。「シーズンになると、芝生の向こうに花々がとてもきれいに並んで、まるで公園みたいなんです」。その花々が、ベストポジションで眺められるうように、中村さんは家の高さや窓の位置を慎重に調整して設計しました。キッチンの右側(写真奥の扉)からは、ユーティリティー、バスルームがつながって回遊式動線に。「お風呂からキッチン、洗濯物を干す部屋と一直線の動線で、家事がとてもラクなんです」と奥さま。
平屋住宅事例(旭川市)ミニマルで暮らしやすい平屋の家/昭和木材住宅事業部
30代後半のKさんはご夫婦の二人暮らし。周囲の友人達がマイホームを建てることが続き、自分たちも新築一戸建てを考えるようになったといいます。ご夫婦共に、2階建て住宅に暮らすご両親が上階を持て余している様子を見ていたこともあり、当初から平屋建てを希望していました。
それから、「木の温もりを感じられる家にしたかった」Kさん。昭和木材の住宅事業部に勤めるいとこの高野さんに相談し、完成現場を見て、とてもしっくりきたそうです。
家づくりに関する書籍やインターネットを使って、情報収集をしていたご主人。自分で間取り図をつくり、より具体的な希望を伝えました。「試行錯誤の末、当初の希望を反映しつつ、客間、寝室、クローゼット、寝室と、居室が縦に配置されたマンション・スタイルに落ち着きました」とご主人。
平屋住宅事例 レンガと薪ストーブのこだわりインテリアの平屋 十勝・芽室町/とかち工房
ご自分の実家でも2階を物置にしてしまっているのを見たことと、歳をとったら生活スペースを下に持って来る人が絶対的に多いと考えたご主人。平屋にすれば、奥さまも掃除や家事が楽になり、家族の顔も見えて使い勝手もいいのではと思ったそうです。平屋というのが第1条件でしたが、外壁のメンテナンス負担の少ないレンガ、木のぬくもりたっぷりの室内、家族の団らんにつながる薪ストーブ、断熱気密性能なども重視した住まいづくりです。
平屋住宅事例(札幌市)ゆとりの敷地を生かし、家事動線を大切に考えた平屋/リビングワーク

K邸は三角屋根の平屋づくり。敷地は130坪を超える広さがあり、玄関のとなりに大型のビルトイン・ガレージを設けても、となりのおうちとの境界にはまだまだ余裕があるほどです。
南側には広い庭が確保できるようになっていて、ガレージは往来からの視線を遮り、プライベートガーデンとなっています。暖かい季節には庭や畑、バーベキューなども楽しむ予定です。
当初から上り下りの必要のない、平屋を希望していたKさん。そのまま寝そべるのにも丁度よい小上がりは、ゆくゆくは老後の暮らしにも役立ってくれそうです。
キッチン奥に配された約5畳大のウォークイン・クロゼットから、4畳大の洗面・洗濯室、脱衣室、浴室が一直線に並ぶ水回り・収納空間。平屋の暮らしをサポートする大きめの収納が水回りと隣接し、出勤時の動線に優れた間取りになっています。
平屋住宅事例(北海道・東川移住)敷地は400坪!趣味満喫の注文住宅|小岩組

兵庫県出身の花岡さんご夫妻は、北海道旅行中に東川町の魅力を知り、約400坪の土地を買い、最高の田園風景が目の前に広がる場所に、ゆとりあるキッチン、趣味に没頭できる部屋、断熱気密性能の良い家を建てて、大満足の北海道生活を満喫されています。
こちらの希望は、妻からはキッチンの使いやすさや収納力、お気に入りのステンドグラスの活用など。私は趣味の部屋と、その部屋に屋外から直接入れる勝手口的な玄関が欲しい、といった点です。
小岩社長の提案で平屋にしましたが、将来的には階段の上り下りが辛くなるかもしれないので、良い選択だったと思います。一緒に移住してきたセキセイインコは10歳を超えましたが、室内の温度環境が安定しているせいか、前より元気になったと思います。
平屋住宅事例(清水町)建て替えで介護も可能な三角屋根の平屋に/ソトシロ建設

奧さま「以前住んでいた家は、築32年くらい。主人の両親と住んでいましたが、二人とも他界しました。私の両親も同じ町に住んでいましたが、父が施設に入ることになり、母を一人にするのが心配で、主人に相談し、2世帯住宅に建て替えて同居することにしました。
当初は2階建てのプランで、お風呂や洗面・トイレもすべて別で、私たち夫婦のスペースは2階にありましたが、途中で母が施設に入ることになり、プランを大幅に変更してもらうことに。2階建てのプランを平屋のプランに直してもらったのですから、とてもご苦労をおかけしました」。
平屋施工事例(幌延町)憧れのウッドデッキも、ガルバリウムのモダンでかっこいい平屋/小山内建設

いずれ高齢になると階段の上り下りが負担になることを踏まえ、平屋を選びました。平屋にすることと、ウッドデッキを置きたかったこと、本をたくさん収納したいこともあって、比較的広い土地を選びました。
図面だけでは外観・外壁の印象などはなかなかわからなかったんですが、小山内建設さんが以前建てた家で、この外観に似た家を見せてもらい、ガルバリウムのメタリックな色合いが良いなと思い決めました。現物が見れると納得できます。平屋ですが屋根の高さが4メートルを超え、軒の出幅が厚いのも外観をかっこよくしていると思います。
平屋をやめて2階建てにする人も・・・
平屋住宅を希望されていた方が、住宅会社とコスト、部屋数、面積などいろいろ検討を重ねた結果、2階建ての家にたどりつく、というケースは実はかなりあります。そういう意味で、総2階の家にプラン変更するという選択肢の参考になるかと思いますので、参考までに
「総二階」の住宅12事例まとめ

記事はこちら→ 「総二階」の住宅12事例まとめ
モダン系住宅に関心のある方はこちらのコラムもおすすめです。
参照:モダン系住宅30選(札幌・旭川・帯広・函館)
目次
2022年04月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。