Column いえズーム コラム

【十勝・帯広】で高断熱・高気密住宅を建てた10事例

十勝の寒さに対抗できる家づくり

厳冬期はマイナス20℃を下回ることさえある北海道内でも特に寒さが厳しい十勝・帯広エリア。これだけ厳しい自然環境だと、断熱・気密性能の低い住宅で暮らしていると大変な目に遭います。例えば  

1 暖かい部屋が居間だけ。寒い部屋は使えない  
2 寝ている時に湯たんぽが欠かせない  
3 脱衣所が寒くヒートショックで命の危険  
4 年間光熱費が30万円を超えてしまう  
5 窓や壁の結露、カビに悩まされる

といった住まいの性能の低さが日常生活を直撃してしまうわけです。


【十勝・帯広】で高断熱・高気密住宅を建てた8事例

そこで、十勝・帯広地区では、地元工務店・ハウスメーカーも、住宅の断熱・気密のスキル向上のために、住宅団体、企業、そして現場の大工・職人単位で、高断熱・高気密の家づくりを進めてきました。そのため、全国的に見ても住宅性能面で優秀な住宅会社が多いのが十勝・帯広の特徴でもあります。とはいえどの住宅会社でも大丈夫、ということではありません。

高断熱・高気密で快適&省エネ&エコ

高断熱・高気密で省エネ性能、住環境の良い家なら、家の中に寒い空間がない、光熱費が劇的に安くなる、結露やカビなどの悩みがない、ヒートショックなどの危険も減り、住宅の寿命も延びる、化石エネルギーの消費やCO2の排出削減が可能になるなどさまざまなメリットが生じて、冬の暮らしが快適になります。    

今回は、住宅の寒さ、光熱費負担問題を解決できたご家族の体験談と、その住宅会社の取組をご紹介します。

音更の工務店・猪子建設とは?

事例1 窓の断熱と日射取得をコントロール。ハイブリッド給湯・暖房システムで経済性も強化/音更町・N邸

ご主人「住宅の高気密・高断熱、そして光熱費の削減は家づくりのポイントの一つでした。窓はトリプルガラスを採用し断熱性能を強化。その一方で、日射取得が期待できる南面窓はペアガラスにすることで、日射取得も重視しました。リビングには、冬でも暖かい日差しが入り、家族が心地良く寛いでいます」


子どもを大切に見守る、省エネ&平屋の注文住宅 /音更町・N邸 株式会社石井建設

取材記事 子どもを大切に見守る、省エネ&平屋の注文住宅 /音更町・N邸 株式会社石井建設

ガルバリウムだけど手作業の優しい風合い Nさまファミリーが音更町内の住宅街に新居を完成し、引っ越ししたのは2017...

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暖房はパネルヒーターをメインに、キッチンは床暖房、そして冷房用としてリビングにエアコンも設置しました。熱源は、ハイブリッド給湯・暖房システムを採用。空気の熱を利用する「ヒートポンプ」と、熱効率が高く、ガスを節約できる「エコジョーズ」の両方の機能を持ち、エコを実現するだけでなく、ガスと電気を自動で最適運転する経済性も高い暖房・給湯器です。

帯広の工務店・石井建設とは?

石井靖久社長は元大工。デザインや生活動線、採用する建材など、家づくりのほぼ全てを施主と丁寧に打合せを行い、心を込めて、施主の要望に向かい合う住まいづくりが特長。モダンタイプやナチュラル系など、施工事例を見ても、タイプはさまざま。丁寧な打ち合わせを元に行うプランづくりや、性能を重視した住宅施工が欠かせないため、年間3棟が理想と石井社長は考えています。十勝2×4協会会員 ▶石井建設

事例2 結露とカビが新築の動機 高断熱高気密住宅で悩み解決/帯広市・T邸

奥さま 夫婦どちらも実家は戸建て住宅だったので、戸建て住宅の方が好きでした。でも実際に家族で住んでいたのはマンションでした。さほど古い建物でも無かったのですが、結露とカビの問題に悩まされていました。また、家の中で子どもが飛び跳ねたりすると階下の人にご迷惑をかけるなど、集合住宅は何かと気も使うので、いつか家を建てようとマイホーム貯金も頑張りました。


インダストリアル×性能×動線重視の注文住宅 帯広市・T邸/カントリーヴィレッジ

取材記事 インダストリアル×性能×動線重視の注文住宅 帯広市・T邸/カントリーヴィレッジ

十勝・芽室町の住宅会社、株式会社カントリーヴィレッジは、カントリーのほかインダストリアルな住宅デザインにも積極的...

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奥さま マンションに暮らしていた頃に結露とカビに悩まされたので、その点は朝日さんにもたくさん質問、相談しました。この家は寒さも結露の問題もありませんでした。  

朝日 この住宅は外壁が高性能グラスウール140ミリですし、北側の窓はトリプルサッシを採用、気密性能も十勝2×4協会の会員として、日頃からしっかり取り組んでいるので、住宅の省エネ性能や寒さという意味では十分満足いただけると思います。

芽室の工務店・カントリーヴィレッジとは?

カントリー系、インダストリアル系の住宅が得意。十勝2×4協会会員として住宅の断熱・気密性能などにも熱心。朝日良昌社長は、20代は地場大手ハウスメーカーで住宅の購買を担当し、住設機器や建材の知識・建材価格などを習得、30代はデザイン力の高い住宅会社で設計・提案・現場管理などの経験を積み、2017年に芽室町で株式会社カントリーヴィレッジを起業しています。▶カントリーヴィレッジ

事例3 壁の断熱厚は18センチ。トリプルガラス入り木製サッシも。陽射しが暖かく居心地の良い家/音更町・O邸

O邸の断熱仕様は、ツーバイシックス(2×6)工法に付加断熱を併用し、壁の断熱厚が通常の住宅よりも1.5倍以上厚く18センチもあります。とかち工房では最近増えてきている仕様で、十勝の厳しい冬でも暖かく暮らせます。さらに、標準採用している断熱性の高いトリプルガラス入り木製サッシも快適な暮らしに役立っています。


プランもデザインも望み通りの農家住宅で新婚生活 十勝・音更町O邸/とかち工房

取材記事 プランもデザインも望み通りの農家住宅で新婚生活 十勝・音更町O邸/とかち工房

Oさん夫婦は、十勝・音更町に住む新婚のカップル。結婚と同時に新居を完成させ、幸せな日々を送っています。酪農を営む父...

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  「実家に住んでいた時は、外を通る自動車のエンジン音や、家が高台にあるため風が通り抜ける音がよく聞こえたのですが、新居に移ってからはこのトリプルガラスのせいか、遮音性が良くてほとんどわからなくなりました。静かすぎるんじゃないかと思うぐらいです」とOさん。  
また、冬はリビングの大きな窓を通じて陽が奥まで差し込み、それで暖かいのだろうと言います。ひと冬過ごしてみて、全く結露したことがないそうです。

暖房は、灯油ボイラーによるパネル式セントラルヒーティング。灯油タンクに毎月タンクローリーが配送に来ますが、毎回半分も補充しなくて良いので、「予想以上に暖房費が安い」と喜んでいます。  

気になるのは建築費が予算内に収まったのかということですが、「予想以上にお安い価格で建てられました。木をたっぷり使っていてデザインも良いのですごく高い家だと思っていましたが意外でした」とのこと。

音更町のとかち工房とは?

とかち工房は、後藤薫社長が長年の設計経験を生かし、2000年に設立した工務店。目先の流行を追わず、いつまでも飽きのこないデザイン、天然素材の積極的な採用や造作家具、凝った建具の加工など手作りを重視した質感の高いインテリア、十勝の気候条件を生かした断熱・気密性能が特徴です。▶とかち工房

事例4 断熱性能は国の省エネ基準の2倍近い値0.25Wで家じゅう暖か/芽室町・T邸

住宅の性能面では、140mm厚の断熱材が入る2×6工法をベースに、付加断熱としてニューハウスボード(アキレス(株))を使うことで、外壁はグラスウール200mm相当の断熱性能。冬も晴れることの多い十勝なので、日の当たる南向きの窓は日射を効率的に採り入れるためにペアガラス入りサッシの「エルスターS」((株)LIXIL)を採用。北面など太陽が当たりにくいところは、特に断熱性能の高いトリプルガラス入りサッシの「エルスターX」(同)を採用。こうした工夫により、断熱性能はUA値0.25Wを実現。これは国の省エネ基準の2倍近い断熱性能です。              


市販の収納カゴがぴったり!造作家具で悩み解決した家 十勝・芽室町 Tさん/プラスワイド

取材記事 市販の収納カゴがぴったり!造作家具で悩み解決した家 十勝・芽室町 Tさん/プラスワイド

子どもが産まれたのがきっかけ Tさんは本州、奥さまは道内出身で、1歳2ヵ月の息子さん、柴犬と暮らしています。   ...

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暖房は灯油FFストーブとエコジョーズを使った土間床暖房。トイレなどは、補助的にパネルヒーターも使っているので、家中どこも暖かです。「当社ではこのような断熱仕様にしてから、お客さまからたいへん好評です」と清水社長。長く住む家だからこそ、後で手を入れにくい住宅の基本性能はなるべく高くしました。

帯広のプラスワイドとは?

プラスワイドの清水英貴社長は元大工。「自分で設計した家を建てたい」と、2016年にプラスワイドを設立。2級建築士やBIS-Mの資格を生かした設計・施工力と断熱性能が特徴。外構や庭、物置、カーポートなども含めたトータルデザインを提案。女性インテリアコーディネーターによるデザイン力の高い住宅づくりが顧客から評価されている。2×6+付加断熱工法が標準でUA値平均0.27W。C値0.5cm2以下を保証。十勝2×4協会に所属。▶プラスワイドとは?

事例5 200ミリ断熱のQ1.0住宅。断熱性能アップしつつも「ミニマムスタイル」で予算内の家づくり/芽室町・K邸

十勝・音更町にある(有)水野建設は標準仕様を従来の120mm断熱から200mm断熱に変え、トリプルガラス入りサッシの採用などで光熱費を大幅に低減。道産カラマツなど天然素材をたっぷり使う代わりに、ほんとうに必要な部屋の広さ、使い勝手をプロの目で見極めた企画住宅「プロトタイプ」を考え、家の面積を最小限に抑えました。性能面では、Q1.0住宅として光熱費を大幅に低減。住宅の性能や質が大幅に向上しながら、建築費用は従来の住宅並みに抑えることに成功しました。


薪ストーブに200mm断熱、地産地消の平屋 芽室町Kさん/水野建設

取材記事 薪ストーブに200mm断熱、地産地消の平屋 芽室町Kさん/水野建設

ミニマリストに向けた家を提案 「ミニマリスト」とは、最小限の上質で必要なモノだけを持ち、お手入れをしながら大切に使...

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昨年末に引っ越して約1ヵ月。「アパート暮らしの時は寒かったけど、この家はどこにいても暖かい」と言います。断熱の重要性は、水野建設のオープンハウスに行ったときにじっくり説明してもらって納得したとか。200mm断熱を採用して大正解だったようです。

南側の大きな窓からは、冬でも暖かい日射しが差し込みます。
「晴れた日は暖房がいらないと思うぐらいで、暖房費も思ったよりかからないし、ほんとうによかった」とKさん。

音更町の水野建設とは?

水野建設はカラマツ材など十勝の自然素材を活かしつつ、無駄をそぎ落としたシンプルな空間。そして在来工法ならではのダイナミックが構造現し仕上げが特徴。ミニマリスト向けの企画住宅「ミニマムスタイル」も提案中。▶水野建設

事例6 家族の健康・安全を守る家 新得町・S邸/赤坂建設(池田町・帯広市)

高断熱高気密住宅は、玄関や収納、お風呂など家じゅうの全ての部屋が均一な暖かさに保たれます。そのため涼しい場所が冷蔵庫の中だけしかなく、野菜や保存食、飲み物などを保管しやすい場所がありません。そこで、外気を直接取り入れて温度を下げることができる食品庫(パントリー)をキッチンの近くに設置すると大変便利です。十勝ワインも入っていました。食品庫内に温度センサーがついているので、適度に外気を取り入れて食品保存に適した温度を維持できます。保存食などをストックしやすいので、もし自然災害などが発生した場合も、あわてて買い出しに行く必要がなくなります。

住宅の性能、デザイン、大きさ、価格など、全てにおいて建て主と話し合って決めていく自由設計の注文住宅なので、S邸でも断熱・気密性能も含め、建て主と相談して決めました。

S邸が完成したのは2019年12月。Sさんは「真冬に引越したので、最初の2日間は家全体がまだ冷えていて寒い感じがしましたが、それ以降、一度も家の中で寒さを感じたことはありません。暖房は自動運転で22℃前後に維持されています」と話してくれました。


家族の健康・安全を守る家 新得町・S邸/赤坂建設(池田町・帯広市)

取材記事 家族の健康・安全を守る家 新得町・S邸/赤坂建設(池田町・帯広市)

小学生の頃から通っていた馴染みの赤坂建設 十勝・池田町の小学校に通う「誠ちゃん」は、通学路沿いにあった工務店「赤坂...

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池田町・帯広市の赤坂建設とは?

赤坂建設は1912年に十勝・池田町で創業。3代目の赤坂芳雄社長は、1976年に寒さ厳しい十勝で、断熱・気密・耐震性能などに優れるツーバイフォー住宅を十勝で初めて建設。1979年には十勝の志ある11社の工務店と一緒に十勝ツーバイフォー協会を設立し初代会長に就任し十勝の住宅性能向上をけん引してきました。

現在は6代目、赤坂正社長のもと、住宅性能の向上に加え、住まいのデザイン、住み心地、防災力などの強化、十勝への移住促進、そして地元工務店として地域貢献にも積極的に取り組んでいます。▶赤坂建設

事例7 外が-28度でも暖かい!帯広市М邸 イゼンホーム

約8年前、同じ敷地内に息子さんが家を新築した際に、イゼンホームを紹介したのは親のMさんご夫妻でした。「じつは、その5年ぐらい前から私たちは帯広の住宅会社めぐりをしていたんです」。ハウスメーカーや工務店と、いろいろ回った中で奥さまが気に入ったのがイゼンホームでした。

「古い家の寒さに参っていましたから、まず住宅性能が大事。それに、イゼンホームの家は、中村さんが設計した女性ならではの優しさ、柔らかさが感じられるようなデザインがとても気に入りました。水回りの使い勝手を優先した動線も好みでしたね」


外が-28度でも部屋は暖かい!パッシブ換気で快適に暮らす 帯広市 イゼンホーム

取材記事 外が-28度でも部屋は暖かい!パッシブ換気で快適に暮らす 帯広市 イゼンホーム

帯広の郊外で農業を営むMさんご夫妻。「この冬、いちばん寒い時はマイナス28度。それでも家の中は、全部暖かかったんです...

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「中村さんが提案した床下暖房+パッシブ換気は、ストーブのように火が見えないので大丈夫かな、という気持ちが最初はありました」と話すMさん。
「でも、住んでみるとしっかり暖かい。それに、ストーブと違ってどこに行っても温度が同じなんだよね」。

取材で訪問した日は、まだ雪がちらつく寒さでしたが、「朝から暖房を切っているんですよ」と奥さまに言われて驚きました。中村さんが説明します。「床下のコンクリートに暖房熱が蓄えられていて、しかも無駄な熱が外に出ていきません。ですから、今の時期なら1日ぐらい暖房を切っていても大丈夫でしょうね」。
Mさん邸は、断熱仕様を一般的な家の約2倍に強化。イゼンホームさんの家としては標準的な仕様だそうですが、UA値は0.26Wと国が求める省エネ基準の0.46Wの2倍近い数値です。また、倉庫にソーラーパネルを設置していて、数年後の売電期間が終了したら、自家消費主体に切り替えるそうです。

もし、停電になっても高断熱仕様+自家発電でとても安心ですね。

「床下暖房ははじめてだったので、温度調整の仕方に最初戸惑いました。温度調整を高くしすぎたりしていたけど、3ヶ月目でようやく慣れました。熱源は、ハイブリッド給湯暖房ボイラーを使っていますが、慣れてからはガス代は月1万円程度で済んでいます」Mさん邸は平屋でも50坪ほどあるので、冬の暖房費でこの金額はちょっと驚きです。

帯広のイゼンホーム(株式会社伊善建設住宅部)とは?

2018年は創業65年、会社設立50周年を迎えました。同社はこれまでさまざまな取り組みを行ってきました。たとえば、「火災保険が安くなる準耐火構造に対応しやすい」ところから始まったツーバイフォー工法の導入。最近は、「自然と共生し、十勝の気候に合った家づくり」を目的にパッシブ換気システムの採用も始めました。在来軸組工法にも対応し、多様なデザインニーズに対応する体制を整えています。

設計から、基礎工事、大工工事まで、自社スタッフで全て行えるのも自慢です。長く住む家だから、責任ある施工体制でアフターサービスも含めた長いお付き合いができます。▶イゼンホーム

事例8 60坪もある家なのに冬の灯油代は月2万円以下! 鹿追町外城邸/ソトシロ建設

外城常務が家づくりで一番大切にしているのは性能。十勝は、夏は最高気温が30度以上、冬は最低気温が氷点下30度近くに達することもある寒暖差の激しい地域。冬暖かい家はもちろんですが、暖房費がかさむ家は不満の大きな原因に。

「結露、すきま風などの問題が生じないよう、高断熱・高気密を特に意識しています」社長も常務も「お客様の満足があってこその家づくり」と考えており、そのためにも住宅性能は優先しています。


自然素材をふんだんに使った、十勝鹿追町の高気密高断熱住宅/ソトシロ建設

取材記事 自然素材をふんだんに使った、十勝鹿追町の高気密高断熱住宅/ソトシロ建設

十勝・清水町に本社があるソトシロ建設((有)外城建設)は、外城晶啓社長が1986年に創業したツーバイフォー工法を得意と...

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外城常務の家は、外城建設がお勧めする住宅性能の見本として建てています。たとえば外壁の断熱は、ツーバイシックスの140mmの柱の間にロックウール断熱材を吹き込み、さらに柱の外側に繊維系断熱材の2倍近い断熱性能を持つフェノールフォーム断熱板を50mm張っています。
 
窓は、冬の日照時間が短い北側と西側には熱が逃げにくいトリプルガラス入りサッシを採用。逆に冬でも十分に日があたって太陽熱を室内に取りこみやすい南側と東側はペアガラスサッシを採用。夜はカーテンやブラインドを閉めることで熱が逃げにくくなります。

断熱性能を表すUA値は0.28W。国の省エネ基準0.46Wより大幅に断熱性能が高くなりました。ここまで性能を高めることで、冬の暖房費を大幅に減らすことができます。また、住宅のすき間面積C値は0.3cm2/m2。このすき間面積が大きいとせっかくの断熱性能が生きません。一般的なツーバイフォー工法の住宅では1cm2以下であれば十分と言われますが、その3倍以上の気密性能です。

事務所部分を入れると、約60坪もあり、LDKの天井高は最大4.4mもある大きな建物ですが、真冬でも灯油代は月2万円以下。電気代も月1万円台半ばで収まっているそうです。「大きな窓から日光が入るため、真冬でもウソのように暖かいんですよ」と奥さま。それまで住んでいたアパートとのあまりの違いにびっくりしたそうです。

十勝・清水町のソトシロ建設とは?

十勝・清水町の有限会社ソトシロ建設は1986年の創業以来、冬暖かく夏涼しい高断熱・高気密の家づくりにこだわり、ツーバイフォー工法を採用しています。さらに、使い勝手の良い間取りやお客様が希望するデザインへの対応、造作家具や自然素材の積極的な採用など、注文住宅の良さを生かした家づくりを進めています。また、地域に密着した工務店として、「作り手の顔が見える」ことを大切にし、ご契約時から一生のお付き合いが始まったと言う心構えで、アフターメンテナンスにも力を入れています。最近は清水町の隣、鹿追町に支店を開設し、西十勝のみなさまに頼りにしていただけるよう地道に活動を進めていきます。▶ソトシロ建設

事例9 デザイン・住宅性能の要望を丁寧に実現。友人も絶賛する工務店とは? 帯広市・H邸/Cryptn(クリプトン)

帯広市のHさんは、友人2人がマイホームを建て、体験談として「間違いのない提案をしてくれる」「おしゃれな家ができる」と絶賛していたCryptn(クリプトン)という住宅会社で2020年春に新居を建てました。


デザイン・住宅性能の要望を丁寧に実現。友人も絶賛する工務店とは? 帯広市・H邸/Cryptn(クリプトン)

取材記事 デザイン・住宅性能の要望を丁寧に実現。友人も絶賛する工務店とは? 帯広市・H邸/Cryptn(クリプトン)

帯広市のHさんは、友人2人がマイホームを建て、体験談として「間違いのない提案をしてくれる」「おしゃれな家ができる...

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Hさん 実際住んでみると暖かくて快適です。朝からずっと陽射しが入っているのもあると思いますが、夕方に薪ストーブを一度焚くだけで、朝も寒くないので暖房が要らないと感じます。外がマイナス20℃近い日でも窓際も全くひんやりしませんし家の中がどこも暖かいのが嬉しいですね。

H邸は、壁の断熱は2×6の壁内に140ミリのグラスウール+ネオマフォーム45ミリの付加断熱、日射取得重視の南面を除く3方向はトリプルサッシ。

暖房は薪ストーブを主暖房、セントラルヒーティングを補助暖房に採用。給湯はエコジョーズ。

なお、Cryptn(クリプトン)は十勝2×4協会の会員で「フレーミング検定」や「気密測定」などを通じて住宅性能向上にも取り組んでいます。

帯広市 Cryptn(クリプトン)とは?

帯広の株式会社Cryptn(クリプトン)はモダン系のデザインを得意とする自由設計の注文住宅会社。帯広を中心に十勝圏で年間18棟ほどの新築住宅を設計施工しており、年間10棟ほど完成住宅見学会も開催している。住宅新築だけでなく店舗、リフォーム・リノベーション・不動産などの事業も行っている。同社の竹市真已(たけいちまさみ)代表取締役は、2019年から十勝2×4(ツーバイフォー)協会会長として、十勝の地場工務店・住宅会社の住宅性能向上などのけん引役としても活躍している。打ち合わせに活用される国道38号線沿いのオフィスのデザインも好評。▶Cryptn(クリプトン)

事例10 サウナに泡風呂…極上の時間を過ごす高断熱パッシブ換気の家 帯広市・K邸/イゼンホーム

東京から実家のある帯広市にUターンしたKさん。「戻ってくるにあたり不安だったのがやはり冬の厳しさ」と語るKさんが選んだ住宅会社は帯広市のイゼンホーム。同社の得意とするパッシブ換気システムを採用した、高断熱高気密な平屋の家を希望しました。

天井は高さ3m、面積は約30畳という広さながら「年中均一な温度で快適」というLDK。窓は全部屋トリプルガラスを採用、天井には600mmものグラスウールを充填しています。断熱性能の目安とされるUA値は0.2と、十勝でも最高クラスです。


サウナに泡風呂…極上の時間を過ごす高断熱パッシブ換気の家/帯広市Kさん

取材記事 サウナに泡風呂…極上の時間を過ごす高断熱パッシブ換気の家/帯広市Kさん

今回伺ったのは、東京から実家のある帯広市にUターンしたKさんの自宅です。「戻ってくるにあたり不安だったのがやはり冬...

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Kさん とにかく暖かい家を希望して色々と調べる中で、パッシブ換気のシステムに惹かれてイゼンさんと出会いました。パッシブ換気は気密性能が高くないと成り立たないシステムなので、それを取り入れている住宅は断熱など住宅性能が高いはずだと思ったんです。換気に機械を使わないのでメンテナンスが楽だというのも魅力でした。イゼンさんは施工事例も素敵な家が多くて、代表の中村さんの人柄も素晴らしい。ぜひお願いしたいと思いました。

寒暖差が少なく本当に過ごしやすいです。夏もエアコンなしで室温は24度くらい、晩秋の今も帰宅するとふわっと暖かいです。


断熱(壁) 高性能グラスウール140ミリ
フェノールフォーム50ミリ
断熱(天井) 吹込グラスウール670ミリ
断熱(床) ポリスチレンフォーム100ミリ+同30ミリ
断熱(窓) トリプルサッシ

事例11 納得の断熱性能と薪ストーブで冬も楽しむ農家住宅 十勝・A邸/とかち工房

「薪ストーブ一台で家中が暖かいんです。パネルヒーターを使う機会がないくらい」

高窓から陽の注ぐリビングでそう話してくれたのは、畑作農家の三代目であるAさんご夫妻です。広大な畑に面した新居は吹き抜けのあるゆったりとした造り「昼間は窓から入る日差しだけで暖かい」といいます。


納得の断熱性能と薪ストーブで冬も楽しむ農家住宅/十勝・Aさん

取材記事 納得の断熱性能と薪ストーブで冬も楽しむ農家住宅/十勝・Aさん

無垢材やレンガなど本物の自然素材を使い、流行に左右されないクラシカルなデザインを大切にするとかち工房の家づくり。...

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「断熱材は入れ方がとても重要。手入れと機械入れがありますが、私たちは機械を使用してコンセント裏などもびっしりと隙間なく断熱材を入れています。窓周りには隙間なくウレタンを充填しているのもポイントですね。建ててから十年以上経っても暖かいと言っていただける家です」


断熱(壁) BIB工法140ミリ
断熱(天井) ブローイング500ミリ

最後に

断熱性能・省エネ性能は、断熱材の厚みや製品の仕様だけでなく断熱・気密施工の技術や丁寧さが性能に大きく影響します。住宅会社によって断熱性能向上に向けた勉強、努力を重ねているか、気密性能を測定しているか、そして太陽光発電やZEHの対応などへの理解度も異なります。

住宅会社のカタログやホームページに記載された断熱仕様・スペックだけで、省エネ性能の高い家を建てる住宅会社かどうかは、わからない面があります。住宅会社の実力を見極めて頂ければ、後悔のない家づくりが実現しやすいかと思います。


目次

2019年02月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。