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傾斜地に建つオーバーハングの家 札幌市/SUDOホーム


今回はSUDOホームの施工管理スタッフとして活躍するYさんが自ら設計した自宅にお邪魔しました。難しい敷地の生かし方や挑戦的なプランニングなど、参考にできるアイデアが溢れていました。

Yさんは30代のご夫婦と小学生のお子さん2人の4人家族。上のお子さんが小学校に入学するタイミングで高台の住宅地にある現在の土地を取得し、マイホームを新築しました。

普段は工事を円滑に進めるための段取りや現場監督などを担当するYさんですが、自身の家づくりでは入社当時から興味があった設計にチャレンジ。「いつか自分の手で0から図面を描いてみたい」という夢を実現させました。

2022年10月に完成したY邸は2階が1階よりも張り出したオーバーハングの家。道路沿いの奥まったスペースに車2台分のカーポートを確保しています。



外装には道南杉無塗装を使用。枕木を等間隔に配置したアプローチの先に杉板張りの玄関ドアが見えます。



建物の裏に回ると、敷地西側の急斜面を利用した芝生の庭があります。庭の向こうは緑豊かな街並みを見下ろす高い崖になっていて眺めが最高です。

絶好のロケーションを生かすため、庭に向かってせり出すように大開口部のある2階にリビングを配置。1階は庭へ出入りできるテラスを設けています。

街並みを一望する広々としたLDK



眺望が開けた西側にある2階LDKから見ていきましょう。柔らかな印象のオフホワイトの壁は漆喰塗り壁、床は無垢のフローリングです。



大開口部のそばにはカーペット敷きのダウンリビングがあります。

ダウンフロアの段差を背もたれやベンチがわりにくつろぎながら、目の前に広がる四季折々の景色を堪能できます。

大画面テレビの正面には壁に沿ってキッチンのカップボードから一体で続く収納付きベンチを造作しました。

作業性にこだわったフルフラットキッチン



ダイニングテーブルとシンクが一続きになった造作のフルフラットキッチン。カウンタートップに段差がないので作業しやすく、お部屋も広く見えます。

LDKと子ども部屋が一体となった2階の中央に位置し、お子さんがどこに居ても様子が分かります。



ガスコンロは壁側に配置。背面の壁は大判の白いタイルでシンプルに仕上げています。目地も主張しない白を選びました。



冷蔵庫スペースは隣にある保冷庫と高さを揃え、室内をスッキリ見せています。冷蔵庫の上に物を置いても気にならないように目隠しのルーバーを取り付けました。保冷庫の扉は歪みが生じるのを防ぐ3点式の留め金を使用しています。

高い技術を持つ自社職人の手による高品質な造作建具を提供するSUDOホームらしいこだわりです。

LDKとつながったスタディーコーナー&子ども部屋



キッチンの隣にあるスタディーコーナー。背面の収納スペースにはマグネットが付く製作建具を使用しています。



スタディーコーナーの奥にはオープンな子ども部屋があります。お子さんが思春期を迎えたら2部屋に分けることも可能です。

1階は限られたスペースを効率よく

1階はエントランスと洗面・UT・浴室・トイレと主寝室があります。



木で造作したスケルトン階段と無機質なモルタル塗りの床を組み合わせたシンプルモダンなエントランス。



玄関を入って右側に天井までの高さのシューズクロークを設置しています。



ビルトイン洗濯機を導入し、省スペース化を図った造作洗面台。洗面スペースと脱衣スペースはカーテンで仕切られています。



1階の奥にあるテラスへの出入り口。その左側にオープンクローゼットを配置しています。床を1m下げ、天井を高くすることで収納力をアップさせました。右側には間仕切りのない主寝室があります。

Yさんご夫妻に聞いてみました

傾斜地ならではの難しさもあったのでは?



Yさん 急斜面から見渡す街の景色が気に入って今の土地を選びましたが、平らな部分が約25坪しかなく、車2台分の駐車スペースをどう確保するかが問題でした。最終的に1階の床面積を最小限に抑え、オーバーハングした2階に眺めの良いリビングを造ることで解決しました。(1階12.6坪+2階17.0坪=延床29.6坪)

奥さまからのリクエストは?

奥さま 「間仕切りのない家にして欲しい」とだけ伝えました。この土地を初めて見た時はどんな家が建つのか想像できませんでしたが、出来上がった図面を見て納得しました。建物の規模も大きすぎず、掃除しやすい広さです。

フルフラットの造作キッチンもおしゃれですね



Yさん 2階の中心にあるので使い勝手が良いだけでなく、見た目も重視したいと思っていました。ダイニングテーブルとシンクの高さをそろえるためキッチンの床を1段低くしています。

奥さま 子どもと一緒にパンづくりやクッキーの型抜きをする時、私がキッチン側、子どもたちがテーブル側に立つと、ちょうど良い高さになります。

Yさん 家の中に段差があると暮らしにくいかもしれないと心配していましたが、実際に住んでみると気になりません。子どもたちもキッチンの通路を思い切り駆け抜けていきます。

入居から3年経ちました。住み心地はいかがでしょう?



Yさん 新築前に住んでいたアパートは夏暑く、冬寒い建物でしたが、今の家は1年を通して家じゅう快適です。引っ越してから家族そろって自宅で過ごす時間が増えました。

奥さま 子どもも自分の家を自慢に思っているようです。友達に「木のおうちなの」と話しているのを見ると、嬉しくなります。

Yさん 生活音を気にし過ぎなくても、子どもたちをのびのび遊ばせてあげられるのが家を建てて1番良かったことです。いつか、お客さまの家の設計も任せていただけるようになりたいと思います。

写真 studio.samedi 川村一之


2025年12月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

SUDOホーム(須藤建設株式会社)の取材記事