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羊蹄山麓のセカンドライフを支える、パッシブ換気の住まい ニセコ町I邸


1965年に小樽市で創業して以来、4代に渡って小樽を中心とした後志管内と札幌で注文住宅を手掛ける江田建設。高断熱・高気密の性能と自然の力を活用したパッシブ換気の住まいは、家全体の空気の流れを整えることが特徴です。ご主人の定年を機にニセコ町へ移住した、Iさん夫妻の新居を訪ねました。

「羊蹄山の近くに住みたい」。ご主人の思いを定年後のニセコ移住で実現



I邸を囲む木立の向こうに見えるのは羊蹄山の雄姿。道南杉の板張りを使った外観が、自然と調和しています。

札幌の賃貸マンションで暮らしていたIさん夫妻が、ニセコ町へ移住したのは2025年11月のこと。転勤があるご主人の仕事の関係で、これまで千歳市、喜茂別町、倶知安町、浦幌町で暮らした経験があります。なかでも、喜茂別町と倶知安町で体験した、羊蹄山を間近で眺める暮らしが気に入っていたそう。



刻一刻と表情を変える羊蹄山の姿は、見飽きることがありません。


玄関ホールはビルトインガレージ(写真右)とつながっている


ご主人 山登りやバックカントリースキー、カヌー、サイクリングなどのアウトドアが好きなので、定年後は羊蹄山の麓で暮らそうと決めました。ここは、いつか住むかもしれないと思いながら25年前くらいに手に入れた土地なんです。



玄関ホールには、カヌー用品やスキー、自転車など、アウトドアスポーツの道具を収納するスペースが設けられていました。右手のドアはガレージの出入口です。

奥さま たまたま友人が、江田建設さんの家に住んでいて。家を訪ねた際に、初めてパッシブ換気というシステムを知りました。

偶然にも、iezoomは過去にご友人の住まいを取材していました。
https://iezoom.jp/entry-2010.html

ご主人 室内の暖かさと、動力を使わずに自然の力で空気を循環させる仕組みに惹かれ、パッシブ換気システムの導入実績が豊富な江田建設さんへ依頼することに決めました。

片流れ屋根を生かした、木の温もりあふれる吹き抜け空間

家づくりにあたってIさん夫妻が希望したのは、北海道産の木をふんだんに使うこと。そして、景色が眺められるように、窓をたくさん付けることでした。



片流れ屋根を生かした吹き抜けが、開放感のあるLDK。



質のよい下川町産のナラ材を使った無垢床や、北海道産のカラマツ材の柱が、空間にぬくもりを添えています。



ベルギーのストーブメーカー、ネスターマーティン社製の薪ストーブは、天板で調理も可能です。天板の余熱を活用して、飲み物を温めていました。



目の前に広がる雪原に、キタキツネが顔を出すことも。



リビング・ダイニングの隣に、6帖の小上がりスペースを設けました。



小上がりは、腰掛けるのにちょうどよい高さになっており、腰掛ける場所があるので、リビングにはあえてソファを置かなかったそう。窓辺には掘りごたつ式のカウンターを設けました。

キッチンを中心に据えた、LDKと水回りがある回遊式の間取り

I邸は、キッチンを囲むようにリビング・ダイ二ングや和室、ウォークインクローゼット、洗面所やユーティリティーなどの水回り、階段が配置されています。



キッチンからは、リビング・ダイニング、小上がりが見渡せます。両サイドから行き来ができるアイランド型です。

奥さま キッチンの向きはかなり迷いましたが、結果的にテレビが見えるこの位置で正解だったと思います。



また、システムキッチンのような既製品は、打ち合わせで決めた後に新商品が出る場合もあります。そのため江田建設では、注文する直前まで商品の動きや、オーナーの希望を確認しているそう。

江田会長 お客さまの立場に立って考えることが、工務店だからこそできるサービスだと思っています。



奥さま(写真右)と、江田建設の江田清三会長。



キッチンからも玄関からも行きやすい場所に洗面所があります。家全体が温かいので、洗面所の隣には、外気を取り込み、冬には冷蔵庫となる食品保冷庫を設けました。

暖かい空気が、1階からから2階に上がるパッシブ換気の設計


空気の通り道となる床のガラリ


江田建設が手掛ける家は、暖気は上昇し、冷気は下降する自然の力を活用したパッシブ換気システムを導入しています。外気を1階床下に取り込んで温め、床のガラリを通って上昇した暖かい空気が家全体を循環し、2階の排気口から排出される仕組みです。


2階の天井にある排気口


江田会長 I邸には室内を暖める薪ストーブが設置されています。通常は床下の暖房パネルで暖めた空気を循環させるパッシブ換気システムですが、室内で薪ストーブを使用した際にも効率よく空気循環を安定させるために、床下に工夫を施しました。



2階寝室には、吹き抜けにつながる引き戸付きの開口部がありました。1階から上がった暖気が、この開口部を通って部屋に入ってきます。手をかざすと、暖気の流れが感じられました。




寝室の開口部からは、吹き抜けの窓の景色や階下が見下ろせます。いずれ2階の寝室を使わなくなったら、1階和室を寝室にすることも想定しています。

自然の移ろいを楽しむスローライフ


まるでカフェカウンターのような景色!


寝室からは星空が見えるので、就寝時もカーテンは開けたままにしておくのだそう。

ご主人 バスルームから眺める羊蹄山が美しくて、昼間に入浴すると、まるで露天風呂のようです。近くに温泉地もありますが、自宅で楽しむようになってしまいました。外にスポットライトを付けたので、夜は湯気で窓が曇るまで、雪見風呂が楽しめるんですよ。

すっかり“のんびりモード”に切り替わったという羊蹄山麓の暮らしは始まったばかり。

写真 スタジオスーパーフライ 大道貴司
記事 布施さおり


2026年03月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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