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若手宮大工がモダン和風に挑戦 / 北一タカハシ建設

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歴史小説が好きで日本の伝統建築にも興味があるというオーナーの吉本学さん。「ボクは和風建築が大好きなんですが、妻はカントリー調が好み。双方の主張を尊重してもらい、和と洋がほどよくミックスされた和風になりました」。室内は家にいる時間が長い奥様のことを考えて機能性を重視。宮大工の技法がシンプルな空間に日本家屋特有の端正な美しさを添えています。

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焦げ茶色の梁組を見せたリビングの折り上げ天井。どっしりとしたかもい梁。それを支える太い柱の先には舟型の肘木が取り付けられていますが、これは寺社建築でよく使われる手法を一般住宅向けにアレンジしたそう。柱は全てムクの道南杉。1辺が21cmもある三面無節の大黒柱の迫力に思わず圧倒されてしまいました。

伸び盛りの若い大工さんが奮闘

吉本邸の木工事を担当したのは、まだ27歳の若き宮大工、勤続6年目の釜石瞬典さんです。
子どものころからものづくりが大好きだった。
好きで好きで大工になったそう。
職人さんらしく言葉は多くはありませんがやさしくわかりやすい語り口。
吉本さんは「とてもテキパキした方。この若さで現場を仕切るなんて腕がいいんだろうなと思いました」とすぐに信頼を寄せ、「記念に半日だけでいいから工事に参加させて下さい」とちょっと無理めなお願いをして、快く聞いてくれたそうです。

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釜石さんが現場を任されたのは6回目。デビュー戦は入社3年目の23歳の時でした。「社長から話を聞いて『えーっ、もう? 早すぎ!』と心の中で叫びました。本当に家が建つのか不安で不安でたまらなかった」と振り返ります。床組みの納め方がわからなくなり、隣の現場にいた先輩に何度も相談しながら、どうにか工事を終わらせたのを昨日のことのように覚えているといいます。「少し自信が付いてきたとはいえ、まだまだ勉強中。大きな間違いがないか緊張の連続なのは新人の頃と変わっていません」。

今回は柱を立てずに床を持ち出した2階バルコニーの雨仕舞いや、リビングの天井の騒音対策など目に見えない部分に細心の注意を払ったとも。「やったことのない施工を要求されるのはいつものこと。そういう場合は、現場で組み方を考えて社長や先輩に確認します。出来ないとは絶対に言いません」とはにかみます。

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(大好きな大工さんに肩車をしてもらい、ひかるくん大満足!!)

「お客さまの笑顔が何より嬉しい」

家が完成してお客さまの喜ぶ顔を見るのが釜石さんにとって最高の瞬間。「デザインも性能も満足。オール電化で真冬でも全部の電気代が1万7~8千円で済んでいます。同時期に家を建てた友達もこれにはビックリ」。吉本さんからそう聞き、釜石さんは少し照れたような清々しい笑顔を浮かながら「いつか本格的な伝統建築にチャレンジしたい」と夢を語ってくれました。

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記者の目

男の子のなりたい職業として人気の高い「大工さん」ですが、一方で志半ばで断念する若者が後を絶たないという現実も。「1人前になるまでには時間もお金もかかります。道具だって欲しくなる」と髙橋社長。そのため同社では新人大工の道具代の半分を会社が負担するなどサポートに全力を注いでいます。「どんな業種でも若い人材が育っている会社はきちんとした会社だと思います」というオーナーさんのコメントに納得。

2013年09月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。

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