Column いえズーム コラム

住宅の暖房費、光熱費は将来どうなるか 住宅の省エネ・創エネ

 新築住宅を購入すると、毎月の住宅ローンだけでなく、光熱費の支払いのことも考えておかなくてはなりません。例えば冬期間の暖房費に1ヵ月3万円が必要な家と1万円で済む家のどちらを選ぶか。さらに今後、もし原油価格の高騰などにより、電気・石油などのエネルギー価格が高騰したとしたら、せっかくの新築住宅も暖房の使用を我慢しなければならない日がくるかもしれません。

「省エネ住宅」は未来への備え

tadashii02-01.jpg 北海道内で戸建住宅に暮らしている方なら、暖房と給湯で年間20万円、調理や照明・家電などで10万円くらい支払っている人は決して少なくないでしょう。  住宅ローンに加え、これだけのお金が必要になったとしたら経済的に苦しい。だから多くの方が住宅の省エネ性能を重視しているのです。  08年は国際的な原油価格高騰による景気低迷と家計への深刻な影響をもたらしましたが、今後、私たちが消費するエネルギーの価格を予測することは困難です。もし、近い将来、原油価格が今よりも高くなるなら...。将来に向け、自分と家族のために省エネ性能の高い住宅を手に入れておいた方が良いのです。  

「省エネ」「創エネ」は家計を助ける

tadashii02-02.jpg 住宅の省エネ性能を高めるために断熱強化を行い100万円程度のコストアップを実施すると、住宅ローンの月々の支払額増加分よりも月々の暖房費支払い額の減少分が上回るようにすることも可能です。結果的に家計の負担にはならず、ローン完済後はむしろ経済的メリットが大きくなります。  そこでさらに太陽光発電などの「創エネ」も実施し「光熱費ゼロ住宅」を目指すこともできます。建設費のコストアップは300万円近くに達しますし、エコに対する高い意識と無駄な電気を使わないなどの心掛けが必要ですが、光熱費ゼロの生活も可能でしょう。将来エネルギー価格が高騰したとしても困らない、という状態にすることもできます。  重要なポイントは、住宅の「省エネ」について十分なノウハウと経験を持つ住宅会社を見つけることです。また「創エネ」システムのシミュレーション結果などのチェックも必要になります。  詳しくは特設サイト「実現可能な光熱費ゼロ住宅大研究」まで。   <写真上:06年12月に建設した「無暖房の実験住宅」。購入したオーナーが冬季の1シーズンに実際に使用した暖房用の電気代は合計でおよそ26000円。「無暖房」とまではいかないが、北海道とは思えない暖かさと暖房費の安さを実現 写真下:「光熱費ゼロ」モデルハウス>  

「無暖房」チャレンジから3年! 千歳市 (株)協栄ハウス 代表取締役社長 石黒 浩史さん

tadashii02-03.jpg 当社が最初に無暖房住宅にチャレンジしたのは06年12月。外壁に30センチの断熱材、木製三層ガラス窓、ヒートポンプシステムと熱交換換気など様々な省エネ技術を投入し、そのチャレンジとノウハウ構築のために1000万円近い投資を行いました。  以来、30棟以上の新築住宅で、オーナーの協力を得て、光熱費(水道料を除く)を集計しています。最も年間光熱費が安かったご家庭が年間約12万円で、最も高かったご家庭が約28万円。平均は約21万円でした。もちろん各家庭の家族構成や住宅性能などは様々ですので結果も様々ですが、オーナー様からは高い評価をいただいております。  07年11月には本体価格は坪単価50万円前後で、熱損失係数(Q値)は0.99Wという省エネと安さを両立させた「Q1.0の家」、08年には、光熱費を太陽光発電で相殺する「光熱費ゼロ住宅」 のモデルハウスの2棟公開も実施しました。  結局はお客様の決断、そして住宅会社がその決断に応えられる能力を持っているかにかかっています。お客様にとって住宅を建てることは一生涯で最大の事業です。当社は大手ハウスメーカーより安く、将来に不安のない、エネルギーコストの少ない家を建てることができます。   Profile-----  千歳市の地場工務店(株)協栄ハウスの代表取締役社長石黒浩史氏。06年にスウェーデンを訪問、住宅の省エネにかける取り組みを見て、無暖房住宅へのチャレンジを開始。  08年3月にはホテル日航千歳で、北海学園大学工学部建築学科教授の佐々木博明氏を招き、地球温暖化対策のシンポジウムも開催した。暖房費のかからない、暖かい家の魅力を多くの方に知ってもらおうと奔走中。   協栄ハウス・ホームページ...http://www.kyoueihouse.jp/   協栄ハウスの企業ページはこちら  

連載・住宅の正しい購入法

その1 10年経てば新築住宅も見た目がダサくなる問題~住宅デザイン

その2 住宅の暖房費、光熱費は将来どうなるか 住宅の省エネ・創エネ

その3 家を建てる人で間取りを学ぶ人は1割。「将来部屋が余る」問題

その4 資産価値が20年でゼロになる住宅、20年後も売れる住宅の違い

その5 工務店・ハウスメーカーが倒産?苦い経験から学ぶ住宅会社選び

その6 住まいの維持費を安く抑える賢い家作りとは

その7 正しい住宅購入法「街が変わって暮らしにくくなる」問題とは

2009年05月現在の情報です。詳細は各社公式サイト・電話等でご確認ください。