仕事に子育てに忙しい共働きのご夫婦が建てた買い物に便利な住宅地の中の木のぬくもりに包まれた住まい。
延床面積約28坪のスペースを最大限に生かし、実際の面積より広がりが感じられるリビングとゆとりあるキッチン、ご主人の書斎などを実現した旭川市のMさんに聞きました。
「小さくても開放感のある住まいを」
お子様の成長に伴い、それまで住んでいた1LDKのアパートが手狭になってきたことから子育てしやすい環境を求めて新築を決意したMさん。2020年暮れ、大きなスーパーまで歩いてほんの数分の場所にある約47坪の土地にナチュラルモダンな外観のマイホームを完成させました。
雪対策としてアプローチを覆うようにカーポートを設置し、隣に2台分の駐車場を確保。そのため「建物に使えるスペースが敷地の半分程度に限られていた」とご主人はいいます。「子供が暮らしやすく、室内が広く見える家にしたいという希望が第一にありましたが、間取りに制約のあるハウスメーカーでは難しいと感じていました」。
奥様の妹さんにすすめられ、昭和木材住宅事業部のモデルハウスへ。「木を使った味わいのある家でした。私達の要望にも丁寧に応じて下さり、家づくりを託すことにしました」。
限られた空間を広く見せる
白のインテリアと木のバランスが絶妙なリビング。天井を一部板貼りにし、入り口から縦方向のラインを作ることで奥行きを深く見せています。
壁掛けのテレビの配線スペースのため、テレビ廻りは壁の仕上げ面を前に出した「ふかし壁」に。上部に間接照明を取り付け、壁付けのテレビボードを造作しました。
南向きの2つの開口部にはM邸を設計した昭和木材の女性建築士・林のぞみさんの提案で天井を高く見せるバーチカルブラインドを設置。ローソファを置いて低く暮らしています。
昭和木材で製作しているフローリングは高級感のある美しい木目と耐久性・耐水性の高さが特長の無垢のナラ材。サンプルを持ち帰り、実際の感触を確かめてから決めたそうです。
思い出を刻む1枚板のダイニングテーブル
ルイスポールセンのペンダントライトを取り付けたカフェ調のダイニングスペース。北欧の雑貨や食器がお好きな奥様のセレクトです。
クルミの無垢板を使った重厚なダイニングテーブルは昭和木材で製作した世界でただひとつのオリジナル。「丈夫で使い込むほど味が出るのが魅力です。娘がフォークで瑕をつけてしまいましたが、それも思い出になると思います」。
お勉強スペースのあるウッディなキッチン
キッチンはワークトップがフラットなアイランド式を選択。キッチンのキャビネットやカップボードなどは木で統一しました。水廻りは全てタッチレス水栓。
通路が狭くならないか心配だったという奥様ですが「実際に出来上がったら思っていた以上に広々。モデルハウスよりゆとりがあるかも」と大満足です。
リビング側は収納に。「戸棚2つ分ほどの収納力があり、マスクや常備薬など細々した日用品が全部収まります」。
キッチンの背面にはロータイプのカップボードを設置。その上に飾り棚を造り付けました。白のサブウェイタイルをあしらって上品な雰囲気に。
食器棚の左側はパントリー。右側には小さな木のカウンターがあります。お子様の勉強やお絵描きを見てあげるために造ったそうですが、今はパソコンデスクとして活用しています。
子供に目が行き届くオープンな間取り
キッチンからリビングの隅々まで見渡せます。お子様が一人遊びしていても安心な間取り。「料理している妻と話が出来るので会話が絶えません」。ご主人も幸せそうです。
黒のアイアンと木を組み合わせた開放的な透かし階段。圧迫感がなく、お部屋も広く見えます。「キッチンから見た時、視線が通るデザインにしました(ご主人)」。
ホールとリビングを結ぶ2WAYの動線
ニッチと建具に木を使った暖かみのある玄関ホール。リビングの端まで続く真っ直ぐな動線上には障害物が何もありません。
ホール右側のドアからユーティリティを通り抜けてリビングに入るもう1つの動線も。「玄関からお風呂に直行できて便利」と奥様。手洗いの習慣も自然と身につきますね。
ユーティリティ向かいのトイレ。マリメッコの花柄のクロスをアクセントに使いましたが、旭川市内での取り扱いがなく、お取り寄せに。
「内装のことで林さんにいろいろ相談しましたが、『出来ません』と言われたことがなかったと思います。まず『調べてみます』と受け止め、臨機応変に対応して下さいました」。
親子で使える書斎とお揃い感のある個室
2階はホールの広さを最小限にとどめ、ご主人が仕事や資格試験の勉強に使う書斎とウォークインクローゼットのある主寝室、子供部屋を設けました。
階段を上ると、ホールより1段低いスキップフロア的な踊り場の右側に書斎があります。寝室と子供部屋はホール突き当たりを右に折れたところに向い合わせに配置。
南向きの窓がある約3.5帖の書斎。正面に長さ2m40cmほどのカウンターと書類などを留めるホーローパネルを取り付けた機能的な空間です。
「ホールにカウンターを付けるのではなく、独立した小部屋のプランだったことも昭和木材さんを選んだ理由の1つ。娘と並んで座れるようにカウンターを長めにしました」。
出来栄えに満足そうなご主人ですが、今のところ、仕事より親子で絵本を読んでゆっくり過ごすことが多いとか。1歳8ヵ月のNちゃんもこのお部屋でパパと遊ぶのが大好きです。
ピンクのアクセントクロスと花柄のカーテンが可愛い子供部屋。子供っぽくなりすぎない色使いなのでNちゃんがお年頃になってもお洒落に住みこなせそう。
主寝室はグレーの濃淡でシックに。「新築の記念に寝室と子供部屋のカーテンと同じ生地で作ったクッションをプレゼントしていただきました。リビングで大切に使っています」。
大人も子供も快適なおうち時間
「寝室にベビーモニターがあるので1階に居ても寝ている娘の様子がわかります。子供を寝かしつけた後、リビングで夫とくつろぐ時間が1番幸せ」と奥様。狭いアパートで暮らしていた頃は窮屈そうだったNちゃんも自由に動き回れる新しい家に移ってから見違えるほど活動的になりました。
「コロナ禍で外出がままならない中、親子そろって家で心地良く過ごせるのが何よりです(ご主人)」。
記者の目
「入居後、娘の言葉の発達が目立つ」というMさんご夫妻。特に「パパのお部屋」「2階」など“家”に関する言葉をたくさん覚え、何をする場所かもわかるようになったといいます。
「書斎や子供部屋のある一戸建てに住んで世界が広がったせいかも」とお2人。お子様の発育において住まいの果たす役割がいかに大きいか改めて考えさせられました。
写真:村川翔健
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